当時に思いを馳せる「SL公園」

ブログ 敦賀の歴史・文化

「鉄道のまち」敦賀には、それを感じることのできる様々な鉄道遺産がありますが、本町第3公園に保存されている蒸気機関車「C58-212」(昭和15年製造)もそのひとつ。
 
市民からは「SL公園」と呼ばれるほどでありますが、昨日は、「敦賀・鉄道と港まちづくり実行委員会」が主催する「SLを磨こう!(SL清掃活動)」に参加してきました。
 
きっかけは、私が所属する気比史学会が同実行委員会の会員になっていることから、ご案内いただいたことにありますが、願ってもないチャンスとばかりにSL公園に向かった次第。
 
この機関車は昭和46年9月まで、実際に小浜線で活躍していた機関車ですが、小浜線の無煙化に伴い引退になったことを機に、国鉄当局のご厚意により敦賀市に貸与され、子ども達の生きた教材として展示されることになったもの。
 
清掃活動には、会に所属する各団体やスポーツ少年団の子どもたち、JR西日本の現役社員さんらが集い、約1時間半、高圧洗浄機を用いて埃を洗い流し、細かな部分は雑巾で拭きあげるなど、それぞれが汗を流しました。
 


【清掃活動の様子。取材の方も多く来られていました。】
 
また、活動に参加されていた国鉄OBの方とお話しすると何と、その方はSL(C57とD51)を運転していたという経歴の持ち主。
 
曰く、「SLを運転してたもんは、もう敦賀でワシしかおらんやろ」とのことでしたが、蒸気機関車の構造や仕組み、さらには機関室にまで同行いただき、当時の情景さながら、前が見にくい恐ろしさやスピードコントロールの難しさなど、大変貴重なお話しも伺うことができました。
 
最後に、機関士の士は、武士の「士」だと仰っていたことに、70℃にも上る機関室内で、まさに命懸けで運転に臨んでいた心意気を感じた次第です。
 


【当時を懐かしみながら、機関室内を説明いただいた国鉄OBの方と機関室内全景】
 
OBの方とはまた再会を誓いましたが、こうして皆さんとともに磨いた「C58」は敦賀の「宝」。
 
これからも大切に保存しつつ、さらなる活用方法は無いものかと考える、まさに「鉄道のまち敦賀」に思いを馳せるひと時となりました。
 
皆様におかれましてはぜひ、お時間があれば「SL公園」に足を運んでいただければ嬉しく思います。
 

【久しぶりに行きましたが、何ともタイムスリップしたような、素敵な「SL公園」でした】