「若狭原電紀行」にて敦賀半島を巡る

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アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている国連の気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)。
 
岸田首相は1日、首脳級会合で演説し、温室効果ガスの排出削減対策の取られていない石炭火力発電所の新規建設を「終了する」としたうえで、「徹底した省エネと、再エネの主力電源化、原子力の活用などを通じたクリーンエネルギーの最大限の導入を図る」と表明したとのこと。
 
国際会議においては日本の取組みに理解を求めつつ、国内では「野心的」ではなく粛々と、環境、経済成長とエネルギー安全保障が両立する政策を進めていただきたいと強く願うところです。
 
さて、昨日からは、「現実的」な視点でエネルギーを考える「若狭原電紀行」の皆さんと行動をともにしています。
 
「若狭原電紀行」とは、東日本大震災以降の原子力に対する不安や風評を払拭、さらには原子力の理解につなげるため、全国の原子力関連施設(主に発電所立地地域)の見学をしながら、地域各団体とのワークショップや意見交換などを通じて各地の文化に触れ、情報発信する企画を開催し続けている、団体というよりはツアー。
 
私は、昨年に続き、2回目の参加となりますが、今回もエネルギー分野の有識者や原子力関係、金融機関にお勤めの方など、様々な方面から集った9名にて工程を進めました。
 
2泊3日工程の初日は、日本原電の敦賀発電所から日本原子力研究開発機構「もんじゅ」、同じく日本原電の敦賀総合研修センターを見学。
 
敦賀発電所では、敦賀原子力館での概要説明に続き、現在審査が進められている敦賀発電所2号機敷地内破砕帯調査現場、敦賀3,4号機建設予定地を回り、破砕帯調査現場では、今月予定されている原子力規制委員会の現地調査を前に、地層表面の確認をしている様子を、3,4号予定地では、ここに革新軽水炉が建設されることをイメージしつつ、いずれも大規模な調査、開発が行われていることをご覧いただきました。
 

【敦賀発電所2号機敷地内破砕帯調査現場】

【敦賀3,4号機建設予定地】
 
また、その後は「もんじゅ」にて、高速増殖原型炉の設計や現在進める廃止措置工事の状況について説明を受けるとともに、プラントが一望できる展望台より全景を拝見。
 
敦賀総合研修センターでは、原子力人材育成の取組みや同センターの設備紹介に続き、フルスコープシュミレーターを用いた福島第一原子力発電所の事故模擬ではまさに、ブラックアウトで中央制御室が真っ暗のなか鳴り響く警報など、リアルな体験ができたことに感嘆の声をいただいた次第です。
 

【教育用シュミレータの説明を聞く様子(フルスコープではありません)】
 
こうして一日目は、私もコーディネートする中で、敦賀半島の原子力施設をともにしましたが、一部時間をオーバーするほど熱心に、質問や意見が挙がったところです。
 
昨年と同様、宿泊先の高浜町の旅館まで移動し、現在を迎えており、二日目は大飯町漁協でのワークショップや関西電力大飯発電所の見学を予定していますが、私は、本日東京で予定があるため、ご一行とは、宿の出発に合わせてお別れ。
 
誠に残念ではありますが、道中の安全を祈る次第です。
 
こうして、昨年に続き参加した「若狭原電紀行」。
 
広い視点をもって、日本のエネルギーと原子力を考える皆さんとは、生まれた関係を大切に、引き続き連携させていただければと存じます。