「エネルギー基本計画」改定に向けた議論がスタート

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昨日は休暇をいただき、以前より計画をしていました敦賀高校陸上部時代の同級生と野坂山登山に。
 
この日集まったのは8人で全員とまではいきませんでしたが、遠くは大野市から駆け付けてくれて嬉しい限り。
 
厳しく苦しい練習や喜び、達成感をともにした友は、30年経っても昔のままで、道中は入れ替わり立ち替わりお互いの近況報告やたわいもないことで大笑いし、しゃべり放し、笑いっ放しの登山となりました。
 
スタート時は晴れ、山頂はあいにくのガスで視界不良、また一ノ丈あたりまで下ると晴れ渡る空という目まぐるしく変化する山の天候でしたが、そんな天候も仲間の笑いあれば関係なし。
 

【元気良くスタート!天気も晴れ!】

【山頂到着!ガスで360度何も見えず…】
 
変わらぬ友からたっぷり元気をもらいましたので、また今日から全力疾走で頑張りたいと思います。
 
さて、そのような昨日でしたが、国の動向に目を向けると、経済産業省が総合資源エネルギー調査会基本政策分科会を開催し、エネルギー政策の中長期的な指針となる次期「エネルギー基本計画」の改定に向けた実質的な議論に着手。
 
二酸化炭素の排出を減らしていく「脱炭素化」の動きが世界的に広がる中、最適な電源構成比率のあり方や、福島第一原子力発電所事故以降の原子力発電の位置づけをどうしていくのかが焦点になるとされています。
 
この基本計画は、少なくとも3年ごとに内容を検討することが法律で決められており、平成30年7月に現行計画を閣議決定してから約2年、計画に対する進捗などを勘案しながらの見直し議論となります。
 
この目標に対する進捗で、とりわけ申し上げておきたいのは原子力発電所の構成比率。
 
2030年目標20〜22%に対し、現在再稼働したプラントを合わせても6%であることに加え、新規制基準審査の長期化などにより後続の再稼働プラントの明確な再稼働目処が立っていないことから、目標の達成に向けては相当ハードルが高いものと考えます。
 

【エネルギー基本計画策定後の動向と今後の対応の方向性について(平成30年12月27日 資源エネルギー庁)より抜粋】
 
この審議会において梶山弘志経産相は「脱炭素化は避けては通れないが、それにはコストがかかり、電気の質も問われる」と言及したほか、世界的潮流である再生可能エネの導入を積極的に進める一方で、国民負担につながるコスト面の議論も深めるよう要望したとのこと。
 
また、脱炭素化の重要な選択肢となる原子力発電所の再稼働も大きな課題とし、今回の審議会でも各委員から、「地域住民に配慮しつつ、原子力の優れた特性を生かし、既設施設の再稼働や新設の必要性がある」、「経済合理性やCO2削減の面で極めて重要な選択となる。再整備のためには、新しい基準や技術開発が必須」といった意見が相次いだとあり、エネルギー自給率を高めるうえでも重要となることから、国民の理解を得ながら、どう整備すべきか議論を深める模様とのことであります。
 
さらに、日本は温室効果ガスを平成25年度比で令和12年度に26%削減する目標を掲げている訳ですが、残り10年での達成は大変厳しく、新型コロナの影響で来年11月に延期された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)までに、欧州連合(EU)など日本の取り組みに厳しい見方をする国々も納得できる明確な意思表示を行えるよう意見を取りまとめられるかも議論のポイントとされ、今後の全体を俯瞰した審議に大いに注目するところであります。
 
原子力発電に関しては、ロシアや韓国を始め新型炉の実証を終え実用化する方向にあるなど、世界の原子力技術は弛まなく進歩していることや、日本国内においては原子力技術と人材を確実に維持・継承していくことが、安全性を高めることにつながるものであり、そのためには既設炉の再稼働は勿論のこと、新増設やリプレースも必要であると私は考えます。
 
エネルギー政策は経済活動とゆたかな国民生活に直結する「国家の根幹」に関わるものであり、昨日述べた外交防衛と同じく「現実的」なものでなければなりません。
 
世論の顔色を伺っての「理想」ばかりでは、いよいよ国家の衰退にも関わる分岐点と考えることから、菅政権下において是非とも覚悟を持った「エネルギー基本計画」となるよう期待するものであります。