「つぬが 千年の祭り」 〜みなとつるが山車会館がリニューアル〜

ブログ 敦賀の歴史・文化

つるがの山車(やま)
ー湊町敦賀の繁栄を象徴する日本遺産ー
 
敦賀の山車は、毎年9月に行われる氣比神宮例大祭(敦賀まつり)に曳き出される、祭り一番の見どころです。
 
室町時代末期(約450年前)に成立したとされ、天正3(1575)年には織田信長も見物したと伝わります。
 
江戸時代には、町毎の大山車と商人等が出す小山車で、多い年には40〜50基にもなり賑わいました。明治になると大山車が廃止され、昭和の戦災では多くの山車が焼失しましたが、町の人達の長年の努力で復旧・復元され、現在は6基の山車が巡行しています。
 
みなとつるが山車会館は、山車を保存管理するとともに実物を展示公開しています。
 
〜山車の装い〜
 
江戸時代の鎧兜や能面を身に着けた武者人形が、合戦場面をいきいきと表現し、京都画壇を代表する画家達が下絵を描いたと伝わる贅沢な水引幕や優れた金工品などが山車を彩ります。
 
この勇壮華麗な山車は、古くから湊町として栄え、「北前船」の寄港地でもあった敦賀の経済力と、町衆の情熱で育まれ受け継がれてきた、敦賀が誇る文化財です。
 
(引用終わり)
 
これは、みなとつるが山車会館のパンフレットにある説明文。
 
平成9年に開館した同会館は、設備の老朽化などに伴うリニューアル工事を終え、昨日は内覧会が開催されました。
 
何回か訪れている山車会館ですが、ロビー正面の大型モニター設置から始まり、主に以下の改修がされました。
 
◉玄関自動ドアに水引幕の装飾
◉1階のシアター室改修(スクリーン大型化、山車巡行映像製作、氣比神宮の背景幕、人形用衣装修繕など)
◉2階展示室改修(展示ケース新設、解説パネル設置、照明のLED化など)
◉映像アーカイブ「つぬが千年の祭り」映像製作、放映モニター設置
◉館内解説の多言語化
◉広報(山車のペーパークラフト、WiFi整備、山車・甲冑ブックレット作成)
◉撮影スポットの設置
 
併せて、写真でもご覧ください。
 

【①大型化された1階のシアター室のスクリーン】

【②シアター室の氣比神宮背景幕】


【③甲冑の特別展示ケース新設】

【④映像アーカイブ「つぬが千年の祭り」の放映モニター】
 
1階大型シアター(写真①)では、大和田伸也さんナレーションの後、扉が開き、迫力ある音と光のなか、勇壮な山車が登場する姿は圧巻(写真②)。
 
2階展示室では、山車の歴史や近世敦賀湊の様子が分かりやすくまとめられた説明板や甲冑展示(写真③)、さらには敦賀市内各地の祭りを季節ごとにまとめた映像アーカイブ(写真④)もあり、まさに文化歴史がギュッと詰まった会館にリニューアルされたものと感じた次第です。
 
なお、映像アーカイブのタイトルは「つぬが 千年の祭り」。
 
お伺いするに、古より伝統的に行われてきた各地の祭りを大切にするとともに、今後も末長く続くことを願い、会館の皆さんでネーミングしたとのこと。
 
込める思いを見事に表現したタイトルに思わず「素晴らしい」と唸ったところです。
 
内覧会の最後は、参加者思い思いの仮装をし、撮影スポットにて記念撮影しましたが、子どもはもちろん、大人の方も楽しめるコーナーと感じました。
 

【このような感じで記念撮影できます(この日参加した議員にて)】
 
北陸新幹線敦賀開業を前に完成したリニューアル工事ですが、新幹線駅2階コンコースの柱には、まさに敦賀の山車の水引幕で彩られています。
 
そうしたことも踏まえ、まずは「敦賀市民の方に」もっと山車のことを知っていただきたいと思う次第。
 
その土地の文化歴史を知ることは、まちの生業を知るということ。
 
室町から江戸、そして近代へと「つぬが 千年の祭り」をつないできた先人の姿に思いを馳せることで、より一層敦賀への愛着や誇りが醸成されるのではと思います。
 
百聞は一見に如かず。
 
皆様ぜひ、リニューアルされた「みなとつるが山車会館」に足を運んでみてください。