2025大阪・関西万博に向け「水素ロータリーエンジン」が完成!

エネルギー ブログ

「やまたけブログ」を通じてお便りをいただいたり、その後お付き合いさせていただくことになったりと、人間関係が広がる切掛けの場ともなっていることをありがたく感じてきましたが、7月末にも1通のメールが届きました。
 
その方は、私のブログ(2021年5月23日投稿:2025大阪万博へ「敦賀から羽ばたく水素の翼」)をご覧いただき連絡をされたという、大阪枚方市にある日東工作所の社長さん。
 
 →「2021年5月23日 やまたけブログ」はこちら
 
実はこの日東工作所さんは、近畿経済産業局(以下、近経局)が「水素でつくる未来社会『水素×ドローン』〜2025大阪・関西万博の空へ〜 (関西スマートエネルギーイニシアティブ)」と題し、関西地域の中小企業等の力を集結して、地球にやさしい「水素の翼(ドローン)」を2025大阪・関西万博でお披露目させることを目指す「HyDrone(ハイドローン)プロジェクト」で「水素ロータリーエンジン」の開発を任されている会社。
 
水素を燃料とする高出力、高航続距離のドローンを開発する「ハイドローンプロジェクト」は、近経局との官民連携プロジェクトであり、平成31年度には、敦賀市が掲げる「ハーモニアスポリス構想」先導事業の敦賀市産業間連携推進事業費補助金において、株式会社日東工作所による「高効率水素エンジン利用ドローン研究開発」を採択。
 
その後、同社による開発が進められてきたところですが、社長からのメールによれば、「敦賀市さんの応援で水素ロータリーエンジンが実用の域まで完成が出来ました。」とのこと。
 
また、このことが、7月18日の日刊工業新聞第1面にカラーで紹介されたことやyahooニュースで取り上げられたことまでご報告いただいた次第。
 
yahooニュースの詳細は、以下リンクよりご覧ください。
→「日東工作所が開発した『水素ロータリーエンジン』の実力」(令和5年7月20日:yahoo掲載)はこちら
 
記事には、「日東工作所は、小型発電機用の水素ロータリーエンジン(RE)を開発した。燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を燃料とし、排気量80ccで1分間に3600回転、4時間弱の連続運転に成功した。動力試験で1キロワットを超える出力を得られており、小型発電機やマイクロモビリティー駆動に使えるという。発電機メーカーなどに今回のREシステムを提案し、早期の実用化を目指す。」とありましたが、社長のメールには「エンジンですのでまだまだ改善をしていきます」との言葉がありました。
 
こうして並々ならぬ意欲をもって、中小企業が新たな技術に挑戦し、見事に完成させたことはまさに、「下町ロケット」を彷彿させるところですが、こうした開発に敦賀市が関わりを持ち、支援できたことを嬉しく思えた次第です。
 
(参考)以下リンクをご覧ください。日東工作所は、独自の技術を持つスゴい会社でした。
 →日東工作所のホームページはこちら
 

【大阪万博会場で飛ぶ水素ドローンのイメージ(出典:近経局)】
 
社長のメールの最後には、「取り急ぎ、ご報告と3年間の敦賀市へのお礼にて失礼致します。」とありました。
 
私なんぞにご丁寧にご報告いただき、こちらこそ感謝ですが、ここからさらに乗用水素ドローンとして完成させていくに、まだまだあろうハードルを乗り越え、2025年には「水素ロータリーエンジン」を動力に、大阪の空を飛ぶことを願い、エールを送らせていただきます。
 
なお、準備の遅れが懸念される2025大阪・関西万博に関しては、2日に西村経産相が、「抜本的な体制強化を行い、建設への支援を経産省の総力を挙げて取り組みたい」と省内の会議で述べ、運営を立て直す方針を示すとともに、海外パビリオンの建設を後押しする保険も創設するなど、異例の陣容で対応を急ぐとのこと。
 
私にとって大阪での万博といえば、敦賀発電所1号機及び美浜発電所1号機が「原子の灯」を会場に送り届けた、53年前の「1970大阪万博」ですが、この時と同様、2025年もまさに「新たな時代」を迎える象徴的なイベントになることを期待する次第です。
 
最後に、前述の3年前のブログにも記載しました、渕上隆信前敦賀市長が記者会見で仰られた言葉を再掲します。
 
「(当時)50年前の大阪万博では原子力の灯を届けましたが、次の万博には『敦賀から羽ばたく水素の翼』をキャッチフレーズに敦賀から水素の翼を送り届けたいというふうに考えております。」
 
半世紀を経て開催される万博においても、「敦賀」の名が刻まれんこと切に期待いたします。