金ヶ崎周辺整備に向け「VISON」等を視察

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昨日は、敦賀市議会議員17名及び片山副市長始め、都市整備部等の担当職員の皆さんとともに、金ヶ崎周辺整備に係る市外行政視察に行ってまいりました。
 
視察先は、三重県多気町にある「VISON(ヴィソン)」並びに同県菰野(こもの)町の「湯の山温泉アクアイグニス」、「素粋居(そすいきょ)」の3箇所。
 
金ヶ崎地区及び周辺エリアにオーベルジュ(宿泊機能付きレストラン)等の賑わい創出施設を整備するに当たり、先進地を視察することを目的とするもの。
 
とりわけ、私自身としては、既に福井県と連携のもと敦賀市金ヶ崎地区でのオーベルジュ計画に参入している「アクアイグニス」の運営方法や地域創生等につながる企業理念、施設のコンセプトを確認することに主眼を置くものと認識のうえ出席した次第。
 
→「VISON」ホームページはこちら
→「アクアイグニス」ホームページはこちら
→「湯の山 素粋居」ホームページはこちら
 
7時30分に市役所を出発、バスで約2時間半走り、最初に向かったのは「VISON」。
※美しい村→美村(びそん)→VISON(ヴィソン)
 
スマートインターチェンジを降りてすぐの広大な敷地にありましたが、まずは管理棟にてアクアイグニス殿からの説明を受けました。
 
冒頭、アクアイグニスの立花社長からは、「VISONは年間350万人が訪れる食を使った施設。敦賀でも特色を活かして、地元企業とも連携して取り組みたい」とのご挨拶の後、担当の方より、事業のこれまでの経過やアクアイグニスが目指すもの等について説明がありました。
 
主な説明内容は以下のとおり。
 
・名古屋のベットタウンであった三重県菰野町で、後継者のいない「片岡温泉」を18年前の2004年に引き継いだことから事業が始まった。
・食、観光を展開する新たなリゾート施設をコンセプトに、世界的に著名な3名の料理人を招聘。
・2012年にオープンした「湯の山温泉アクアイグニス」の来場者数は年間100万人。それまで年間80万人であった菰野町の観光者数も相乗効果で20万人増加し100万人に。計200万人となったほか、食、観光、建築、地域創生で着目された。
・「VISON」は、事業費220億、主要出資者にアクアイグニス、地元のイオンタウンやロート製薬、ヴィソン多気株式会社を運営会社とする複合商業リゾート施設。
・特に「食」にこだわり、料理人が使いたい地元の素材や食に徹底的に拘り、和食文化やスイーツ、産直市場(マルシェ)などがあり、和の「だし」では、敦賀の奥井海生堂も出店している。
・70店舗が参加しているが、単なる出店でなく、知のレイヤーをどこかに加えているところがポイント。学びについて統一が図れるようテナント側にもお願いした。
・産直市場を含め、一軒一軒足を運び、コンセプトを伝え出店を依頼した。
・2017年1月には、世界一の美食の街として知られる、スペインのサンセバスチャン市と多気町で「美食を通じた友好の証」を締結。美食を通じた両市町の文化や歴史を通して、友好が深められている。
・第三者の有識者評価による入込客数は640万人(インバウンドは含まず)。3回に分けてオープンしたが、当初70%が県内客であったものが、現在は55%程度。愛知県からが2割、6〜10%は大阪からとなっている。
・車のナンバーから拾って分析するなど、国交相やNEXCOの協力のもと、情報共有を図りながら、地域全体に客を装着していくことを模索している。
・周辺地域との連携は大きな目的。VISON効果で、周辺宿泊稼働率は10〜20%アップしている。オープンしてから時間を掛けるのでなく、オープンの3年前から首長にも話しをし、ローカルな資源を活かしつつ、1泊から2泊へと拡大できるよう連携したことの成果と考えている。
・SDGsやデジタル、新たなテクノロジーの活用にも力を入れており、実証の場としても利用している。
 
ざっと、このような内容をご説明いただいた後は、担当者の先導のもと施設内を視察。
 
コンセプトに徹底的に拘って設計、整備されたことが良く分かったほか、ゆったりと訪れる観光客の賑わいも感じることが出来ました。
 

【産直市場側から見た「VISON」の宿泊施設。傾斜地に整然と並ぶ規模感に圧倒されました。】

【視察中の議員団。奥中央の建物は奥井海生堂(敦賀市)の店舗。】
 
「VISON」を後に、バスで暫し移動し、菰野町の「湯の山温泉アクアイグニス」、「素粋居」へ。
 
ここでも支配人の方に丁寧な説明をいただき、それぞれのコンセプトを理解したほか、施設内も拝見させていただきました。
 

【アクアイグニスの施設の一部。真ん中の茶色の建物は、源泉掛け流しの温浴施設。】
 
視察を終え、18時半前に敦賀に戻ってきた訳ですが、今後の金ヶ崎周辺整備、とりわけ、アクアイグニスと前田建設が検討を進めるオーベルジュの具体的イメージを知ることが出来たことは、自身にとって大きな収穫となりました。
 
当然、地理的な事情から規模感は異なることにはなりますが、地元地域や企業との連携のもと、食を通じた地域全体への相乗効果につながることを期待するものであります。
 
また、大事なことは、歴史と文化が集積される金ヶ崎エリアとの調和。
 
この点は大変重要なポイントであると認識するところですので、今回得た知見を踏まえ、考えの拠り所にしていきたいと思います。
 
最後になりますが、貴重な機会をセッティングいただきました都市整備部を始め、関係者の皆様に感謝申し上げます。