北陸新幹線敦賀駅開業記念企画展「敦賀と北陸線」

ブログ 敦賀の歴史・文化

予定がぽっかりと空いた昨日は、県境を越え、お隣の長浜市へ。
 
目的は、「長浜鉄道スクエア」にて昨日から開催された記念企画展「敦賀と北陸線」。
 
何の記念かといえば、「北陸新幹線敦賀駅開業」を記念してということで、これは早速見ておかねばと足を運んだ次第です。
 
この「長浜スクエア」とは、現存する最古の鉄道駅舎「旧長浜駅舎」(鉄道記念物)に隣接して平成12(2000)年10月14日(鉄道の日)に「長浜鉄道文化館」、さらに平成15(2003)年7月17日には「北陸線電化記念館」が開館し、このとき、この3施設を総称して命名された施設。
 
過去に幾度も訪れていますが、何度来ても近代化に向けて歩み始めた当時の日本を思い返す場所であるとともに、「鉄道の歴史」を大切にする長浜の思いが伝わってくるもの。
 

【明治15(1880)年3月10日に開業した「旧長浜駅舎」。モダンな建物から当時の情景が浮かんできます。】
 
さて、その記念企画展。
 
展示室に入ると「敦賀と北陸線」のプレートとともに、ガラスケース一面に関連資料が展示され、中には明治42年に大日本帝国陸地測量部が測量した地形図「敦賀」(1/50000)など、貴重なものもあり。
 
この地形図には、北陸線で昭和39(1964)年に廃線となった柳ヶ瀬経由が記されているほか、令和元(2019)年に廃線となった敦賀港線、敦賀以北は、日本遺産に選定された11のトンネルが連続する旧線が示されるなど、「100年余り前の敦賀を彷彿とさせる」との説明があり、こうして敦賀から延びる線路を見るに、改めて重要拠点であったことに思いを馳せた次第です。
 
今からちょうど140年前に鉄道でつながった敦賀と長浜。
 
帰りには、受付にいた方に敦賀から来たことを告げ、こうして北陸新幹線敦賀開業を機に企画・開催いただいたことに感謝を申し上げたところです。
 
なお、企画展の会期は6月30日(日)まで。
 
ぜひ皆様にも足を運んでいただければ幸いです。
 

【「長浜スクエア」の駐車場は、長浜駅と直結していますので、車でも電車利用でも便利かと。】
 
なお、建物を出て、毎回じっくり眺めるのが石額。
 
その中でも一番は「萬世永頼」。
 
旧北陸本線の敦賀と滋賀県境にある、当時日本最長であった「柳ヶ瀬トンネル」東口(滋賀県余呉町側)にあった石額は、かの伊藤博文の題字で「万世永く頼む」と読み、この鉄道が世のために働いてくれることをいつまでも頼りにするという意味。
 
昭和33(1958)年に道路トンネルとして引継がれてから66年。
 
鉄道トンネルとしてではないものの、今でも現役で世のために働いていることは、まさに「萬世永頼」に込められた思いを体現するものであり、昨日もまたそのことを誇りに思いつつ、長浜をあとにした次第です。
 

【「萬世永頼」の石額。トンネル工事も煙が蔓延する中での運転も難所であった「柳ヶ瀬」だけに、その意味合いの重さを感じる次第。】