人生100年時代の「まなび」によるまちづくり・人づくり

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「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、春の彼岸の中日でもある「春分の日」の昨日は「冬の嵐」。
 
敦賀でも強い北風と目まぐるしく空模様が変わる、まさに「北陸の冬」の一日でしたが、青空が覗いたタイミングで散歩に出掛けると、以前に掲載した「つくしんぼ」がすくすくと成長する姿がありました。
 
寒さに負けず、まっすぐ成長する姿に、改めて植物の生命力を感じたところですが、あと10日もすればいよいよ4月。
 
春はすぐそこまで来ています。
 
さて、そんなことを感じながら、昨日午後はプラザ萬象 小ホールで開催された「人生100年時代の『まなび』によるまちづくり・人づくりシンポジウム」に参加。
 
といっても、会場参加の事前申込締切が過ぎていたため、YouTube視聴での参加でしたが、このシンポジウムは、本年2月26日に大日本印刷株式会社及び丸善雄松堂株式会社と敦賀市が締結した「包括的地域連携に関する協定」に基づく事業として開催されたもの。
 
趣旨を拝見するに、「人生100年時代」と言われる今日、キャリアの変容や技術・社会の変化、人びとの心身の健康や幸福追求の観点から、生涯学習やそれを支える地域活動に注目が集まっている。
 
新しい時代に即したまなびの環境づくりが地域社会の持続的な発展において重視される中、本シンポジウムは、地域の「まなび」を支える産官学民の先進的な事例に取り組む関係者に講演頂き、また地域社会の発展を促進するアイディアについて共有し合う場として企画したとありました。
 
敦賀市が主催し、共催に福井大学教育学部・嶺南地域共創センター、放送大学福井学習センター、丸善雄松堂㈱が名を連ねるシンポジウムはまさに、趣旨にある産官学民の取組であり、興味深く視聴した次第です。
 
シンポジウムの前半は、放送大学福井学習センター所長らによる基調講演に始まり、香川県善通寺市、宮崎県三股町からの事例紹介まで。
 
なお、2番目の基調講演では、敦賀市の小川明 都市整備部長が登場。
 
福井大学の嘉瀬井恵子 特命講師とともに「人生100年時代の地域社会におけるまなびの役割」と題し講演されました。
 
小川部長からは主に、駅西エリアのTSURUGA POLT SQUARE「otta」の開発経過や事業スキーム、知育・啓発施設「ちえなみき」のコンセプトや今後の展望など、分かりやすいスライドを用いて説明され、聴講された皆様にもしっかり伝わったものと感じたところです。
 

【敦賀市都市整備部長による基調講演の様子】
 
運営開始から約1年半が経過し、実際「otta」には年間約70万人、「ちえなみき」には同約30万人が訪れており、とりわけ、上記スライドにもあるよう「本を通じて『人』と『地域』と『世界』がつながる」をコンセプトとする「ちえなみき」には、本を目当てとするお客さんのみならず、2階のセミナー&スタディやキッズスペースでは、各種イベントやミーティングなど、市民の普段使いによる賑わいが既に生まれており、コンセプトに即した「知の拠点」になりつつあるところ。
 
ちなみに、私も所属する敦賀の市民歴史団体「気比史学会」でも、オープンスペースで楽しく地域史を学ぼうと、3月31日(日)には、ちえなみきでの「ミニ歴史講座」を予定するところですが、こうして様々なジャンルで「まなび」によって生まれる「つながり」こそ、今回のシンポジウムのテーマにもリンクするものと感じた次第です。
 
また、後半はパネルディスカッション。
 
「まなびによるまちづくりの未来〜『地域文脈のまなび』づくりとその資源モデルを考える〜」をテーマに、正直、内容が深過ぎて会話についていけない部分もありましたが、パネリストさんそれぞれの未来思考で本質的な議論に触れることができたことは、大変有意義でした。
 
結びに、本シンポジウム開催趣旨の最後には、「持続可能な未来を築くための新たな視点の提供、ともに考えるきっかけとなれば幸いです。」とありました。
 
「持続可能」というとついつい経済活動に目がいきがちですが、今回の切り口「まなび」に関していえば、本や芸術、歴史や文化を通じ「人」と「地域」がつながることは、数値で表せない「こころのゆたかさ」を育みながら、人やまちを未来につなげていくということ。
 
そうした考え、視点のもと、敦賀に生まれ、すくすくと育ちつつある「ちえなみき」が文字通り、地域づくり・人づくりの「拠点」となるよう大切にしていきたいと思います。
 

【人と地域、そして世界へとつながる「ちえなみき」(2024年1月11日撮影)。市民の皆さんの普段使いで、そのウイングを広げていきましょう。】
 
(投稿後追記)桜の季節を前に、今はピンクに彩られていました。