「超現実主義」でなければ熾烈な「エネルギー資源争奪戦」は戦えない

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ロシアによるウクライナ侵攻以前から議論のあった、欧州における脱炭素化に向けた動きについて。
 
欧州連合(EU)欧州議会は6日、地球温暖化対策に貢献するグリーンな経済活動として、原子力発電と天然ガスを認定するEU法案を承認しました。
 
法案は、欧州委員会が今年2月に発表したグリーンな産業を認定するEUの独自基準「タクソノミー(分類)」の中に、原子力発電と天然ガスを加える内容で、タクソノミーには、2050年に温室効果ガス排出を「実質ゼロ」にすることを目標に、特定産業に官民の投資を誘導する狙いがあるとされています。
 
法案を巡っては、非原子力国のオーストリアなどが反対する一方、原子力推進派のフランスや東欧諸国が支持しており、理事会による反対決議は困難な情勢で、このまま行けば来年1月に施行となる見通し。
 
私の解釈では、この二つのエネルギー源が将来に亘って活用する価値、いわゆる「投資効果」があるとの「お墨付き」を得るものであり、これは日本にとっても大きな意味を持つものと考えるところです。
 
一方、ウクライナ侵攻で制裁を科す日本などへの対抗措置とみられる動きを見せるロシア。
 
タス通信によると、ロシア下院エネルギー委員会のザワリヌイ委員長は7日の記者会見で、極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」について、ロシアが全事業の新会社移行を決めた「サハリン2」と同様、ロシアの支配下に置くべきだとの考えを示したとのこと。
 
日本企業も参加する「サハリン2」に関しては既に、プーチン大統領が先月30日に全事業をロシアが支配下に置く新会社に移行させる大統領令に署名しており、出資する日本企業の参加が継続できるか不透明になっています。
 
「サハリン1」は、米石油大手エクソンモービル、ロシア石油大手ロスネフチ、日本のサハリン石油ガス開発、インドの石油天然ガス公社が企業連合を組んで運営し、サハリン石油ガス開発には経済産業省、伊藤忠商事、丸紅、石油資源開発等が出資しており、極東のガス開発拠点がまたもや駆け引きの道具にされる事態に憤りを覚えるところですが、これがまさに「エネルギー安全保障」というもの。
 
特に資源の少ない日本においては、資源輸入国との関係で不測の事態が起きたとしても、国民生活や経済活動への影響を極めて小さくすべく、特定の電源に偏重しないバランスの良い電源構成にしておくほか、国産化率を高めておくことが必要不可欠であることを身に染みて感じる次第です。
 
世界が激しい「エネルギー資源争奪戦」を繰り広げる中、こうして現実をひとつふたつと突きつけられる日本。
 
「再エネ主力化」、ましてや「再エネ100%」などの理想論では、国家衰退の道まっしぐらであることは、皆さんもお気づきのことかと思います。
 
私自身、とかくエネルギー政策に関しては「究極の現実主義」で、今後も意見、主張していく所存であるとともに、この参院選においてもそうした主張をしている候補者、政党に投票いただけますよう重ねてお願い申し上げます。
 

【現実路線のエネルギー政策を公約に掲げる国民民主党。選挙区候補がいる都道府県では「国民民主党候補」を、そして2枚目の比例代表は、超現実主義の電力の代表「竹詰ひとし」に投票いただけるようお願いいたします。】