防災の基本理念は「自助、共助、協働」

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天気予報によると、日本列島に向かって北上を続けている台風12号と本州付近に停滞すると予想されている秋雨前線の両方の影響で西日本や東日本は23日から25日にかけて大荒れになるとの見込みとのこと。
 
超大型と言われた台風10号に比べ勢力は弱いものの、前線と台風がぶつかることによって広い範囲で大雨が降る「雨台風」とも予想されていることから、今日からは注意が必要です。
 
また、大雨による災害に関しては、国土交通省と気象庁が別々に運用している「河川の洪水危険度」を示すためインターネット上で公開している情報について、統合して一体運用することとなったとのこと。
 
国土交通省は大河川の水位情報を基にした「水害リスクライン」を公表している一方、気象庁は流量予測である「流域雨量指数」に基づき、全国2万の中小河川を対象にした「洪水警報の危険度分布」を運用し、大河川と中小河川で役割分担をしている形でありましたが、「洪水危険度」をレベル別に色分けして表示する点は同じであることから、専門家からも「分かりにくい」との指摘があったそう。
 
現に7月の豪雨では、気象庁の「流域雨量指数」が氾濫発生の最大9時間前に「100年に一度」規模の水位情報を予測したものの、「指定河川洪水予報」には反映されたなかったとのことであり、そういったことも一体運用へ拍車を掛けたものと考えます。
 
いずれにしても、専門家はもとより、管轄している当の役所の皆さん自身は以前からお気付きであったことなのでしょう。
 
これも「縦割り」がそうさせていたのだとしたらけしからん訳ですが、行政として「何を優先すべきか」と考えれば答えはひとつ。
 
人命を最優先、そして相手はいつどんな大きさで襲ってくるか分からない自然災害であることを考えれば、「縦割り」を「即刻解消」し、「早期の整備を目指す」ではなく「一刻も早く整備する」くらいの覚悟を持って対応願いたいと思う次第です。
 
さて、そのような中、昨晩は町内の「防災プロジェクト会議」が開催され、私も副区長として出席。
 
区の4役、防災部及び防犯部の部長・副部長、町内にお住まいの防災士2名を含む10名のメンバーにて、11月に予定している防災(避難)訓練をコロナ禍でどうするか、地震以外(台風、大雨等)の会館への避難についての考え方などについて検討を行いました。
 
区の防災訓練に関しては、町民集合型は見合わせるにしても発災時の関係者の行動把握と問題点の抽出を行うべく、災害サイレンを発報したうえで、役割分担の確認と町民の皆さんの安否確認(各戸の玄関に「無事」を意味する黄色リボンを取り付ける)までを行うこととしました。
 
台風、大雨時の避難に関しては、会館を利用する際の運用や一人暮らしの高齢者や障がいのある方など、いわゆる「避難行動要支援者」の対応などの課題を共有し、これに関しては今後検討していくことを確認しました。
 
災害に関しては、日本防災士機構の基本理念である「自助、共助、協働」の考えが重要です。
 
同機構のホームページにある「助けられる人から助ける人へ」との言葉にも、健常者である自分の役割を気づかせてくれます。
 
一番身近に住む者同士、良い「近所づきあい」にてお互いの状況を把握し、いざという時は「お互いさま」の気持ちを持ってそれぞれの役割を果たす。
 
考えてみれば「昔は当たり前」であったことを「当たり前」に出来るようにすることのようにも思えますが、ここは災害の規模や強さが増している昨今、一層きめ細やかな役割分担のもと組織的に対応することが必要なのでしょう。
 
「自助、共助、協働」のうち、市民、企業、自治体、防災機関等が協力して活動する「協働」に関しては、町内の枠を超えたものであることから、ここは地方議員の一員としての自分の役割として、地域の生の課題も把握しつつ、より実効性ある対応、環境が整えられるよう尽力していきます。
 

【昨年11月の町内「防災(避難)訓練」の様子。コロナ禍で町民一斉集合の訓練は控えても出来ることはある。】