次世代原子炉は「革新軽水炉」を優先

ブログ 原子力

昨日のブログで紹介した高浜発電所3号機ですが、同じ内容を記したFacebook投稿に「並列操作時の当直課長は私でした。正直、責任を果たせてホッとしました」とのコメントが。
 
その「私」とは、もう15年ほど前でしょうか、同じ時期に労働組合の役員をしていた、今でもフランクにお付き合いいただいている方で、ここでも重責を果たされたことに敬意を表した次第です。
 
コメントでは続けて、「これからも安全最優先で頑張っていきます」との決意の言葉があり、私からもエールを送らせていただきました。
 
会社は違えど、同じ原子力職場で働く者の思いはひとつ。
 
今後も同志であり、仲間の皆さんとともに取組んでいきたいと思います。
 
その流れで、今日も原子力の話題が続き恐縮ですが、27日の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の初会合で、岸田首相はGXに欠かせない原子力発電について「再稼働とその先の展開策」を示すよう指示しており、革新炉開発も支援の対象となる可能性があるとされていたところ。
 
これに続き、経済産業省は29日、高い安全性を持つとされる次世代の革新的原子炉(革新炉)の開発や実用化の工程表案を作成し、有識者会議に示しました。
 
革新炉はまだ実用化には時間が掛かる技術ですが、ウクライナ情勢などでエネルギー安全保障への懸念が高まる中、工程表を示すことで民間の取り組みを加速させる狙いがあるようで、有識者からも評価する声が多かったものの、第6次エネルギー基本計画策定の時と同様、政府が原子力発電所の新増設を明言しない中では「絵にかいた餅になる」といった指摘も挙がったようです。
 
革新炉は同時に複数の炉型の研究が進んでおり、進捗度合いもそれぞれ異なります。
 
原子力発電所は一般的に「実験炉」「原型炉」「実証炉」「実用炉」の順番で開発されますが、最も進んでいるのが既存の原子力技術が応用可能な「革新軽水炉」であり、2030年代に実用炉の運転を開始するとしました。
 
また、炉心溶融が発生しないとされる「高温ガス炉」はほぼ同じ時期に実証炉の運転を始める。小型で事故確率の大幅低減が期待できる「小型軽水炉」は2040年代前半で実証炉の運転を目指すなどとも。
 
このことを先の参院選で唯一、公約に掲げていたのが国民民主党ですが、国もようやくではありますが、その方向の論議となってきたことを歓迎するところです。
 
原子力を推進する方の中でも「仮に新増設・リプレースに進むにしても、軽水炉はない」との声を耳にもしてきましたが、現実論で考えればやはり、早期の供給力確保に加え、既存技術を利用できる脱炭素電源は「革新軽水炉」が最も高い選択肢であると信じてきたところ。
 
「信ずれば叶う」の言葉ではありませんが、この先も信念をもって、この課題に取組んでいく所存です。
 

【改良型加圧水炉(軽水炉)での計画としている敦賀発電所3,4号機の建設予定地。日本の原子力の将来を、再びここ敦賀から切り拓いていければと。】