東京電力ホールディングス管内で「需給逼迫警報」

エネルギー ブログ

昨日の福井県内の新型コロナウイルス新規感染者は115人。
 
1日当たりの新規感染者数が200人を下回るのは3日連続で、実効再生産数は「0.7」まで低下しています。
 
県の会見では「3連休明けに警戒」との認識も示されていましたが、4月10日まで延長した「福井県感染拡大特別警報」について、急減した状況を捉えどう判断されるかに注視しておきたいと思います。
 
さて、コロナの方は全国的に見ても状況改善の様相でありますが、一段と深刻さが増しているのが東京電力パワーグリッド(以下、東電PG)供給域内での電力需給逼迫。
 
本件、実は昨日も触れた訳ですが、同じ話題を繰り返すほど、とにかく厳しい状況であることは東電PGホームページを見ていただければ理解いただけるかと。
 
同ホームページには昨日同様、トップに緊急の「お知らせ」を掲載し、以下の要請をしています。
 
【3月22日の電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて】
電力の安定供給を維持すべく努めておりますが、22日の電力需給は極めて厳しい見通しであり、引き続き精査中ですが、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない見通しとなっております。
22日は朝から東京電力パワーグリッドサービスエリアで電気をご使用いただく皆さまにおかれましては、ご家庭や職場などにおいて、不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなど、節電にご協力いただきますようお願いいたします。
 
また、「でんき予報」では、「『本日の電力使用見通し』には、供給力よりも大きな予想電力の設定ができないことから、予想電力と同じ値を供給力に入力し使用率を100%として表示しております」と補足のうえ、このような表示となっています。
 

【東電PGの「でんき予報」。100%を示す予報は見たことがありません。】
 
この逼迫状況は、先般発生した地震の影響で東北、東京エリアの火力発電所6基(計約330万kW)が引き続き停止していることに加え、今日は特に東日本で気温が低く、悪天候が予想されており、電力需要が大きく増加することが見込まれていることによります。
※根本的な電力システムや自由化の問題については、昨日記載の通り。
 
これを受け、電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、同機関による需給状況改善のための電力融通の指示や一般送配電事業者による火力発電所の増出力等の供給力対策を実施していくとしたうえで、①同エリア内の会員に対し、所有する電源設備の焚き増し運転、②各小売電気事業者は、それぞれが締結した需要家などへの節電依頼等により可能な範囲で電力需要を削減、③焚き増しや電力需要の削減等によって生じた余剰電力は、卸電力市場(スポット市場・時間前市場)への供出を行うことについて協力依頼をしています。
 
→→→需給状況改善のための発電設備焚き増し・電力需要削減へのご協力のお願い(依頼)について【OCCTOホームページ】
 
そして、所管する経済産業省といえば、東電PGと同様な節電の「ご協力」をホームページ掲載しています。
 
→→→3月22日は電力需給が厳しくなる見込みのため東京電力管内で節電のご協力をお願いします【需給ひっ迫警報:経産省プレスリリース】
 
需要が供給力を上回る非常事態にも拘らず、「節電要請」ではなく「ご協力」に留まっていることを皆さんはどうお感じでしょうか。
 
私は、こうした言葉ひとつ取っても、事業者任せで「責任を取らない」よう立ち回る国、いや政治の姿を感じざるを得ない訳であります。
 
こうしてブログを書いている間にも朝が訪れ、人々の生活が始まり、既に電力使用量のグラフが立ち上がってきています。
 
今日はこのグラフと睨めっこになろうかと思いますが、とにもかくにもこの逼迫状況を乗り切ることを願うばかりであります。
 

【同じく東電PGの「でんき予報」。ちなみに太陽光発電(オレンジ線)は本日全く期待できません。】