市立図書館「教科書展示会」で感じたこと

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梅雨前線の停滞により記録的な豪雨となった熊本、鹿児島の両県。
 
気象庁は大雨特別警戒を発表、とりわけ球磨川が氾濫した熊本県においては、多数の住宅や施設が浸水、土砂崩れが発生するなど大きな爪痕を残しました。
 
出水期のいま、この日も大雨の原因となった「線状降水帯」の恐ろしさを再び目の当たりにし、新型コロナと同様「自分だけは大丈夫」の気持ちを捨て、備えておくことが肝要と改めて認識する次第です。
 
この災害によってお亡くなりになられた方々に対しご冥福をお祈りするとともに被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。
 
さて、話しは変わりまして、敦賀市立図書館では小中学校の「教科書展示会」が開催されています。
 
これまで「教科書検定」のニュースなどは見ていたものの、自分の目で横並びで見る機会は中々無いということで先日図書館に足を運んでまいりました。
 

 
私の目的はやはり「歴史」。
 
2020年3月24日に文部科学省は、2019年度の中学校教科書の検定結果についての報道を解禁しましたが、《社会科歴史》に関しては「東京書籍」「日本文教出版」「教育出版」「帝国書院」「育鵬社」「学び舎」「山川出版」「自由社」「令和書籍」の9社が検定申請し、うち「自由社」と「令和書籍」の2社が不合格となっています。
 
検定結果について、産経新聞は「自由社」の歴史教科書が不合格になったこと、および新しく中学校歴史教科書を発行した「山川出版」が「従軍慰安婦」を記述し検定を通過したことなどを批判したほか、この「山川出版」の「従軍慰安婦」記述などについて、元文科大臣の中曽根弘文氏は、自民党の文部科学部会に文科省の関係者を呼び事情聴取すると表明するなど波紋を呼ぶ状況となったことは記憶に新しいところ。
 
また、自由社の歴史教科書については、同教科書を主導する「新しい歴史教科書をつくる会」が、令和4年度からの使用を目指して文部科学省に検定の再申請を行う方針を固め、再申請の意義を「つくる会の教科書が文科省の検定済み教科書として存在すること自体が、自虐史観克服の大きな土台石になる」と説明しています。
 
そんな予備知識の中、ロビーに並ぶ検定をパスした6社の中学校歴史教科書について、着眼点を「我が国の生い立ち」、「先の大戦の意義」、「日本国憲法制定の背景」に置き、すべての教科書を見較べてみると、やはり違いは明白。
 
ここで多くを申し上げることは控えますが、とりわけ「日本国憲法制定の背景」に関しては、以前に書いた私の考えに最も近いのは「育鵬社」、次いで「帝国書院」と認識した次第であります。
※私の現行憲法に対する考えは以下のリンクよりご覧ください。
→→→憲法に対する私の考え(令和元年12月9日のブログより)
 
ちなみに、地元敦賀市を始め、福井県内は「東京書籍」を採択しています。
 
この歴史に関して、私は中学時代にどう教わったかの記憶よりも社会に出てから学んだことが今の考えの礎になっている訳ですが、そういう機会が無い方にとってはやはり学校教育が基本の考えとなるもの。
 
そういった意味で、同じ教科書でもこれだけ記載が異なるものが検定をパスしていること、さらにはその中からどの教科書を選択するかは各市町の教育委員会に委ねられていることなどを念頭に置いておくことも肝要と感じた次第です。
 
市立図書館での教科書展示は、7月9日まで。
 
お時間がありましたら是非足を運んでいただき、特に歴史の視点を見較べていただければ幸いに存じます。