ロシア、軍事作戦開始 〜日本が最優先で備えるべきものは〜

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昨日、新庁舎で初となる敦賀市議会令和4年第1回定例会が開会を迎え、議長より諸般の報告等がされた後、市長提案理由説明、予算議案以外の議案説明及び質疑、議案の委員会付託までが行われました。
 
新庁舎になるのに合わせて変更された議席配置で、私は最前列の議席番号「2」から2列目の「8」となったこともあり、どこか落ち着かない部分もあった訳ですが、やはり真新しい議場は新鮮な気持ちとなるもの。
 
本日は令和3年度補正予算案に係る予算決算常任委員会を開催し、全体会では既に質問通告のあった20件の基本質疑、その後は分科会にて深堀りの審査を行うこととしており、今度は新しい委員会室を使用しての1日となりますが、気を引き締めて臨む所存です。
 
さて、このブログの本来目的からすれば、議会の状況をより詳しくお伝えすべきところでありますが、昨日はロシアのプーチン大統領がウクライナに対し軍事作戦開始を発表した日となったため、私たちにも影響することとして話題を切り替えさせていただきます。
 
プーチン大統領は軍事作戦開始の発表に合わせて、他国が干渉すれば悲惨な結果を招くと警告し、NATOを始め西側諸国を強く牽制している状況にあることは周知の通りかと存じますが、この軍事行動をある有識者は「ロシア軍のウクライナ攻撃を『侵攻』という言葉で表現するのはおかしい。これは一方的な『武力による主権侵害』で、どう見ても国際法上の侵略(aggression)である。」と述べています。
 
この辺りの位置付けについても注視をするところですが、ウクライナ大統領府の発表によると、早朝には首都キエフで爆発があった様子が写され、空襲の警報が鳴り響く状況になったとのこと。
 

【ウクライナ大統領府発表の写真】
 
ウクライナのクレバ外相は、「世界は直ちに行動しなければならない」と声明を発表し、その中で世界がやるべきことをリスト化しています。
 
1. SWIFT(国際銀行間通信協会)を含むロシアへの壊滅的な制裁を今すぐ行う。
2. あらゆる手段、あらゆる形式でロシアを完全に孤立させる
3. ウクライナへの武器、機材提供
4. 経済支援
5. 人道的支援
 
こうした行動要請に対し、西側諸国の一員として、岸田総理は「情報収集と事態の把握に全力で取り組む」と述べられていますが、我が日本が決して他人事にしていてはいけないのが、エネルギーに関してです。
 
既に欧州のガス先物価格は、ロシア軍のウクライナ国内パイプラインへの爆撃開始時から4日間で41%と急上昇しています。
 

【欧州のガス価格推移(ブルームバーグより)】
 
次に来るのは、パイプラインの遮断と想定されていて、これは西側の経済制裁オプションに含まれているものの、これはEUにとって両刃の剣。
 
特にドイツは1次エネルギーの20%以上をロシアからのパイプラインに依存しており、その脆弱性をなくすために、普通は化石燃料の備蓄や原子力などのバックアップを強化するのが常識ですが、ドイツは逆に昨年末3基の原子力発電を停止、今年末には原子力ゼロになるなど、パイプラインが遮断されるとドイツ経済は崩壊する恐れがあると言われています。
 
軍事行動でガスの価格が上昇し、西側の制裁でパイプラインが遮断されたとしても、中国などに輸出すれば済むロシアにとってみれば痛くも痒くもなく、両刃の剣と述べた通り、ブーメランのように痛みが帰ってくるのはEU側ではないかと考える次第です。
 
そうなれば、EU各国はガスの調達先を探すことになり(既にそうなっています)、ただでさえ調達環境が厳しい状況がさらに激化、需要が高まれば一層価格上昇につながることが必至となれば、当然日本も煽りを喰らう訳であり、燃油価格高騰とのダブルパンチは、国民生活や経済に大きな影響を及ぼすものと推察するところです。
 
世界各国の動きを見ていればお分かりの通り、こうした断面に及んで「脱炭素化だから化石燃料はダメ」などと綺麗ごとを言っている国はなく、とにかく自国のエネルギー資源を獲得にするのに必死の状況であることを踏まえれば、ここ日本も同じであります。
 
既に電力需給逼迫に喘ぐ日本。
 
こうした時、不安定な再エネは論外として、火力は再エネの導入拡大の煽りで設備容量が減少しており、燃料を確保したとて供給力自体がギリギリであることを踏まえれば、残る供給力は原子力しかないのが実態です。
 
ドイツを教訓にして、日本は「電力の安定供給を最優先」せねばならず、同じ非常事態としてあった東日本大震災後の野田政権で大飯発電所を再稼働させたような政治判断も必要だと、私は真剣に考える次第です。
 
そしてまた、こうした中迎えた市議会定例会の中で、今後想定される市民生活や経済への影響に対し、危機意識をもって何を提言すべきか思考するところです。