2025年9月28日
敦賀市立看護大学生による「フィールドワーク報告会」inひばりケ丘町
気づけばはや、今年も残り3ヶ月となり、秋、そして冬の風物詩の準備に入るところ。
昨日午前中は、敦賀港イルミネーション「ミライエ」に向け、イルミネーションを灯す電気の燃料となる「廃食油」の回収作業に参加。
金ヶ崎緑地を舞台に、10万球を超えるイルミネーションは壮観で、毎年訪れる方を魅了する「ミライエ」ですが、この素となる燃料は、各ご家庭や店舗様からいただく「廃食油」を精製したもの。
回収作業は、北、中郷、松原、西、粟野の各公民館に加え、北陸電力敦賀営業所前で行われ、多くの皆さんにお持ちいただいた次第です。
私は、ミライエを主催する「敦賀・鉄道と港」まちづくり実行委員会の会員団体である「気比史学会」の一員として、粟野公民館にて参加しましたが、廃食油をお持ちいただいた皆様と会話するに、「ミライエのために」と1年間溜めていただいた方や、少しでもリサイクルができればという方、それぞれのお気持ちを嬉しく感じました。
こうしたプロセスを経て開催される「ミライエ」は、11月3日から始まります。
金ヶ崎緑地は、今後の開発整備が控えているため、この場所で開催できるのも今年?来年?限りになると思われますので、皆様ぜひ足を運んでいただければ幸いです。
また、同じく昨日夕刻からは、敦賀市立看護大学(以下、看護大)による地元町内の防災に関する報告会の準備、開催。
こちらは今年、看護大にて学ぶ「災害看護学」の一環で、同大学看護学部の学生さん達が、私の住むひばりケ丘町において、地域の防災の実情を探る「フィールドワーク」を実施したい旨依頼があり、7月8日と10日には、それぞれ約50人の学生が訪れ、町内をくまなく歩くとともに、地域住民へのインタビューを通し、現場調査が行われたもの。
フィールドワークは、地震発災想定のもと、特に高齢者や障がいを持つ方、乳幼児や子どもなど、「配慮者」の視点を意識して行われ、私も立ち会った際には、車いすやリアカーを使って模擬体験をしながら、丁寧に調査されていました。
昨日は、このフィールドワークでの学びや気づき、これらを踏まえた区への提案まで、各グループでまとめられたものを、学内で選抜された2グループにご報告いただくということで、区役員をはじめ、班長や千寿会(俗にいう老人会)の皆さんにお集まりいただき開催したもの。

【回覧板でお知らせした「フィールドワーク報告会」のチラシ】
報告会には、看護大の先生お三方と4人の学生さんにお越しいただき、本件を担当(副区長の立場で)した私が司会を務め、順次、先生からの趣旨説明の後、学生さんから発表いただきました。
最初のグループからは、「子育て世代を守ろう!」のタイトルにて、避難時の困難や、とりわけ避難所での不安として、食事栄養面(離乳食の有無など)や周囲に助けを求められるような人がいないこと(H28 熊本地震の例による)、妊娠婦や乳幼児を育児する方への配慮が必要であること。
また、課題としては、区で実施する防災訓練に、子育て世代の避難訓練参加者が少ないことを挙げ、子育て世代には助けが必要な場面が多くあることから、助け合いはまず「知ることから」の観点で、地域のイベントと防災を一緒に考える(防災訓練への子ども達の参加率を上げる)ことや起震車体験や防災食の紹介、例えば、「めざせ防災王!ひばりケ丘防災クイズ大会」など、住民ひとり一人が防災意識を高める取り組みについて提案いただきました。
また、もうひとつのグループからは、「認知症や心の問題を支える」との視点から、認知症および「こころ」の問題を持つ人の家族は、近隣住民にこれを認知させたがっていない(外に出したくない)ケースが多く、避難行動が遅れる可能性があること、社会的、精神的に孤立するリスクがあるとの課題認識にはじまり、解決に向けては、「周囲の方々の理解があればそこに居られる」との考えを地域で共有するとともに、こころの防災教室や「災害時にこころの健康を守るために」の媒体を活用した教育支援の取り組みについて提案いただきました。
両グループからの報告により、地域防災を考えるうえで大事な、子育て世代や認知症、こころの問題を抱える方に対しての視点に気づけただけでも、大いに意義があった訳ですが、参加された皆さんも真剣にお聞きいただいたうえ、質疑の中でも大変参考になったとの声があり、区としても非常に良い機会になったと感じた次第です。

【多くの町民の皆さんにお集まりいただいた報告会】
なお、区としては今年度、既にある「地域防災マップ」の改定を行うところ。
今回報告いただいた内容は、より実効性ある見直しに資するものであり、あらためて「教室から地域へ」の考えのもと、現地に出て学び、それを地域にフィードバックする看護大の取り組みに敬意を表するとともに、学生さん達には、素晴らしい看護士さんになって、今後活躍されるようエールの拍手を送り、報告会を閉じたところです。
その後、参加された皆さんは、学生さん達の「気づき事項」を貼り付けた地図を見てお話いただいたりと、閉会してなお盛り上がりました。

【気づき事項マップを見て歓談する皆さん】
結びに、報告会の最初のグループからあった言葉は「フェーズフリー」。
意味は、「いつも」と「もしも」の境界線をなくす、2つのフェーズ(局面)をフリー(自由)にするということ。
地域防災において非常に重要な考え方と思いましたので、今後は自身の胸に置き、考え、行動していく所存です。






























