「ワクチン接種」も「海洋放出」も理解に必要なのは“客観的事実”       

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ちょうど1週間、新型コロナ新規感染者が無かった敦賀ですが、昨日は2名の感染と発表。
 
いずれも県外滞在歴なしの新規系統ということであり、濃厚接触者もそれぞれ2人、3人となっておりますので、本日も引き続き、県の発表に注視していきたいと思います。
 
コロナ感染対策に関しては、私も先の一般質問において、「客観的データを捉えた実効性ある対策の実施を」とお願いしたところですが、そのことと関係あるのかどうかは分かりませんが、昨日、敦賀市長から発出された、「新型コロナワクチン接種に関する市民の皆さまへのメッセージvol.2」は、それに属する、現況を数字で表したうえで、なぜ20代、30代のワクチン接種が必要なのかが良く分かる内容となっていました。
 
是非、こちらは敦賀市民の皆さんにもお読み取りいただきたいと思い、以下に市長メッセージをリンクいたします。
 
 →→→「(市長コメント)新型コロナワクチン接種に関する市民の皆さまへのメッセージVol.2(令和3年9月24日)」はこちらから
 
こうして見るとやはり、同じ感染対策の呼び掛けでも、数字なき抽象的なものと客観的データを踏まえた定量的なものとでは明らかに説得力が違うことが分かりますので、市においては是非、今後もこうした形での呼び掛け、対策に取り組んでいただきたいと思います。
 
さて、客観的データ、科学的データにこそ真実はあるということは、これまでの自身のブログでも述べてきているところですが、9月21日の福井新聞論説に少し気になる記載がありました。
 
「福島原発(正しくは「福島第一原子力発電所)の処理水放出 東電任せでは済まされぬ」とのタイトルで書かれた論説で、詳細は割愛するものの、“懸念されるのは、東電が責任を持って海洋放出を問題なくやり切ることができるか否かだろう”など、東京電力に対する不信感、進め方に対する意見といったところの内容だった訳ですが、私が「気になった」のは結びの部分。
 
“海洋放出については、韓国や中国など周辺国が批判し方針転換を求めている。東電任せでは済まされず、国際原子力機関(IAEA)の調査団受け入れなど、透明性の高い手法が問われる”
 
まず、先般開催された国連の会議でも、韓国側と日本側が本件に関し応酬したとのことですが、そもそも韓国や中国が方針転換を求めていること自体、「科学的データ」を踏まえれば言われなきこと。
 
また、「透明性の高い手法」に関しては、既に福島第一原子力発電所に保管されたALPS処理水(トリチウム以外の核種について環境放出の規制基準を満たす水)の安全性に関するレビューの本格実施に向け、IAEAのリディ・エヴラール事務次長ら、原子力安全・核セキュリティ局の幹部が9月6~9日に来日し、経済産業省他、関係省庁と、今後のスケジュールやレビュー項目について議論しています。
 
政府は4月に「2年程度後にALPS処理水の海洋放出を開始する」とする基本方針を決定しており、今回のIAEA側との議論を踏まえ、(1)放出される水の性状、(2)放出プロセスの安全性、(3)人と環境の保護に関する放射線影響――について、IAEAの安全基準に照らした評価が行われるとし、まずは12月を目途に評価派遣団が来日することで日本側と合意しています。
 
また、エヴラール事務次長は9日、フォーリン・プレスセンターにてオンラインを通じ記者会見に臨み、中国、フランス、ドイツ、インドネシア、ロシア、シンガポール、韓国、英国、米国の海外メディアを含む計78名の記者に対し、来日の成果について説明したほか、福島第一原子力発電所も視察。
 

【福島第一原子力発電所のタンクエリアを視察するエヴラール事務次長(東京電力ホームページより引用)】
 
今後、IAEAでは専門家で構成されるタスクフォースを立上げ、数週間以内にも東京電力による海洋放出実施計画に関し、規制、安全性、環境モニタリングの面からのレビューに着手し、最初の評価報告書を放出開始前までには公表するとあります。
 
同事務次長は、「包括的に客観性・透明性を持つことにコミットし、国際的にも明瞭に情報発信を行っていきたい」と強調し、梶山経産大臣は、9月10日の閣議後記者会見で、「IAEAによる評価を丁寧に発信し国際社会の理解を得ていきたい」と述べています。
 
つまりは、海洋放出に関しては、実際にこのようなプロセスを経て、まさに「IAEA調査団の受け入れ」、「透明性の高い手法」によって国際社会に発信していこうとしている訳でありますので、あたかも対応していないかの疑問が残る書き方に違和感を覚えた次第です。
 
もちろん、原子力立地県の地元新聞ですので、こうしたことを把握されたうえで、表現がこうなったものと受け止めますが、書くならこうした事実も併せて書かないと、読者にフェアでない情報をインプットすることになると考えるところです。
 
冒頭のコロナはウイルス、そして海洋放出に関しても、見えないことによる不安は確かにあるのでしょうが、こうした事実を知ることや、くどいようですが「数字から見えること」でそうした不安を少しでも取り除くこと、実行的な対策につなげることが極めて重要であると思います。
 
私にできることは小さいかもしれませんが、皆さんが感じる「恐れ」や「不安」を、せめて「正しく恐れる」となるよう、今後も知り得た「客観的データ」や「科学的データ」を正確にお伝えしていければと考えます。
 
(参考掲載)
海洋放出に関しては、過去のブログで客観的事実として述べていますので、以下にリンクさせていただきます。
 ①→→→「40年超運転」と福島第一原子力発電所の「海洋放出」(2021年4月8日ブログ)
 ②→→→科学が風評に負けてはならない 〜福島第一の処理済水問題を煽っているのは誰か〜(20021年4月19日ブログ)
 ③→→→ALPS処理水について知って欲しい3つのこと(2021年4月25日ブログ)