文教厚生常任委員会 行政視察(2日目)

ブログ まちづくり 敦賀市議会

秋晴れの天候に恵まれるなか、工程を進める文教厚生常任委員会の行政視察。
 
視察2日目の午前は、阪神電車の車窓から六甲山を望みつつ、兵庫県芦屋市役所へ。
 
市内の全小学校区で取り組む「コミュニティ・スクール(以下、コミスク)」を視察してまいりました。
 
「コミュニティ・スクール」と聞くと、文部科学省が進める、「地域とともにある学校づくり」を思い浮かべますが、芦屋市のそれは学校運営とは直接関わりがなく、地域社会(小学校区が基本的な範囲)の中で、一人ひとりが市民としての自覚と責任を持ちながら、誰もが参加できる文化・スポーツ、福祉や地域活動などを通じて、真に心豊かでゆとりのあるまちづくりを目指すという共通目標をもった共同体を意味するもの。
 
小学校を、学校の教育活動の支障のない範囲において地域住民に開放し、自主的な文化活動・スポーツ活動や地域活動を通じて、学校・地域・家庭の連携と住民相互の連帯感や自治意識を高め、よりよいコミュニティの創造・発展を図ることを目的に活動する「コミスク」の生い立ちは古く、始まりは昭和52年。
 
「芦屋市コミュニティ・スクール構想」を策定し、この構想に基づき、昭和53年には一つの小学校に「コミスク」を設置したのを皮切りに、昭和61年までに全小学校区(9校)にコミスクを設置。
 
現在もそれぞれのコミスクにおいて、活発な活動が行われているとのことでした。
 

【芦屋市役所での視察の様子】
 
視察では、上記の概要説明をいただいた後、小学校区を活動の範囲とした考え方や各組織の運営方法、文化・スポーツ活動の活性化に寄与した事例、行政の役割と関わり方など、様々な視点から質疑を行い、理解を深めることができました。
 
敦賀市においては3つの地区で、公民館を中心とした「コミュニティ運営協議会」が立ち上がっていますが、この機能に広く生涯学習や地域の課題解決機能を持たせたイメージが芦屋の「コミスク」でしたが、完全ボランティアで運営され、約半世紀を経た今も脈々と活動されていることに感心した次第です。
 
対応いただいた芦屋市教育委員会の皆様におかれましては、大変丁寧に対応いただき、「コミスク」がこうして地域に根差した活動として定着した理由や敦賀との違い等を把握することができました。
 

【美しいまちのイメージ通り、芦屋市役所前の手入れが行き届いた花壇に心癒されました。】
 
芦屋市役所を後に、午後は奈良県に戻り葛城市へ。
 
現在、敦賀市の学校給食センターは、幼稚園1園、小学校5校、中学校2校に給食を提供していますが、同センターは昭和59年に建設された建物であり、施設の老朽化が進んでいるとともに、設備についても更新を要する時期を迎えているところ。
 
同センター建て替え等については、令和5年3月17日に「学校給食あり方検討委員会」からの答申結果を踏まえ、敦賀市の方針までが作成されていますが、今後詳細な検討に入る段階にあたり、調理規模が敦賀とほぼ同じ(4500食)で平成27年に新設、運営を開始している葛城市を視察先に選定した次第です。
 
視察は、市役所ではなく、実際に給食センターにお伺いをし、市議会厚生文教常任委員会委員長様、教育委員会、給食センター職員の皆さんと総出で対応いただき、ありがたい限り。
 

【葛城市学校給食センターの外観】
 
給食センター所長さんからは、施設の概要や建て替えの経緯、整備に関する基本方針から始まり、「安全で安心」の学校給食運営や衛生・設備管理(アレルギー対応含)、地産地消の取り組みまで、事前にお渡しした質問項目まで網羅的に説明いただきました。
 

【恐縮ながら、視察の冒頭には毎回、委員長の立場からご挨拶を。】
 
また、運営開始から8年を経過しての課題や新設に関して留意すべき点など、現場をご経験されている立場から、リアルなお話しまで頂戴し、大変参考になった次第です。
 
視察の冒頭に常任委員会委員長様からは、葛城市の学校給食に対するモットーは「安心 安全 美味しく 楽しく」だと思いを述べられましたが、まさに関係者の皆さんがその思いのもと取り組まれている姿をひしひしと感じる機会ともなりました。
 
敦賀市においても、そうした思いを皆で共有し、今後の検討にあたらねばと胸に留めた次第。
 
本当に身になる話ばかりで、充実した視察となっておりますが、いよいよ本日は最終日。
 
1日目と同じ「重層的支援体制整備事業」について、先進地の三重県伊賀市を視察してまいります。
 

【葛城市学校給食センターにあった掲示板。児童生徒にとって給食は「思い出」のひとつですね。】