2022年6月20日
雰囲気が全く変わってしまった「名勝気比の松原」
「梅雨は一体どこへ」と言いたくなる天気が続いておりますが、昨日の敦賀の最高気温は31.2℃と真夏日の暑さとなりました。
全国で最も高い気温だったのは34.2℃を観測した群馬県の桐生市だそうですが、ただでさえ湿気の多い暑さは息苦しいもの。
屋外では特に、場の状況に応じたマスクの着用により、コロナ感染と熱中症のふたつの対策に留意して過ごしましょう。
さて、こうして暑さが増してきますとやはり、思い浮かんでくるのは「白い砂浜と海」であり、敦賀では一番の自慢「気比の松原」であります。
この「気比の松原」に関しては、先の市議会一般質問でも取り上げました通り、保安林指定から今年で120年、今から94年前、昭和3年6月28日に史跡名称天然記念物保存法にて名勝指定された敦賀市民にとって誇りある自慢の場所。
しかしながら、これまでも松林の中でのバーベキューやキャンプ、駐車場からキャンプ道具を運ぶために車で侵入し、通報されて来たパトカーに制止されることが幾度となく発生していることに加え、土日は特に、浜辺で大勢の外国人が集まっていわゆるバーベキューがされ、ウォーキングされている方が怖くて通れない状況となっていたり、週明けには駐車場入口での大量のゴミ放棄がされるなど、なし崩し的に「無法地帯」となりつつあることを指摘したところ。
私自身は、これまでも松原に足を運び、現地の確認や利用者のご意見を聞くに努めてきたところですが、決して質問のためだけの調査ではなく、この問題は敦賀のシンボルとプライドにも関わる問題であり、改善されるまで状況確認を続けることとし、この土日も足を松原に向けたところです。
土日に行っていただければすぐに感じることですが、この「気比の松原」の現状を表すに「雰囲気が以前と全く変わってしまった」ということかと思います。
私が自分の目でも見たことや、関係者に聞いたリアルな意見は、
◉金曜日の晩あたりから外国人が次々と訪れ、車中を含め連泊している。
◉夜間も昼間も大音量で音楽をかけ、騒音が周辺地域にまで及んでいる。
◉公衆トイレの水場や個室をシャワーのように使う(水を汲んで身体にぶっかける)ため、床面などがベタベタで大変汚い。
◉トイレの換気扇用コンセントを勝手に使用し、スマートフォンの充電をしている(電気の窃盗にあたると思われる)。
◉ロープアウトしてある松林のすぐ側で火気利用(バーベキューなど)しており、燃え移らないか心配。
◉松林にハンモックを引っ掛ける人も多く、松の木が痛まないのか心配。
◉集団で騒いでいるので、怖くて声が掛けられない。
◉浜の近くはバーベキューの煙がひどい(風向きによるが)ので通らないことにしている。
◉以前に注意したら、突っ掛かってこられたことがあるので、もう注意はしないが、見れば注意したくなるので、週末は松原に行かないようにしている。
◉駐車場にも背中や腕に刺青(タトゥー)を入れた外人が裸でウロウロしていて怖い。
◉花城側の駐車場は特に何日も連泊する外国人が居て、生活の場となっている。
などなど。
さらに、私にとって衝撃的だった証言は、
◉観光に訪れた日本人の方が、「こんな場所ならもう来ない」と言って帰って行った。
◉(私も案内して言われたことがある)「名勝というから来てみたが、外国人のリゾート地になったんですね」と言われた。
◉行政に何度も言っているが、現場も見に来ないし、言っても変わらないのでもう言うのはやめた。
◉何でこんな松原になってしまったのか。市民として悲しくて仕方がない。
◉金ヶ崎に力を入れる前に、敦賀の大事な場所を大事にして欲しい。
誤解なきよう申し上げますが、私が自分の言いたいことを脚色している訳でなく、述べたことはすべて現実に見聞きしたことですのでご理解のほど。
国定公園でもある「気比の松原」は、根拠法で言えば、森林法、文化財保護法、自然公園法、都市公園法の範囲において管理がされ、国県市、さらには市の中でも都市整備部、観光部、教育委員会(文化振興課)などにまたがることは認識するところですが、責任の所在が縦割りであるが故に、自分のテリトリーだけ守っていれば良いとの感覚に陥り、古から敦賀の自慢で誇りの場所であった松原一帯の景観や文化を本気で守り抜くとの覚悟なるものを感じないのは何故か。
昨日も昼過ぎ、そして夕方とぐるり辺りを一周すると、夕方には今度は浜グラウンドでゴールポストまで設置のうえ、上半身裸でサッカーをする集団も居て、これまた所管するスポーツ振興課に許可を得ているのかと疑問が頭をよぎったところ。
文化財保護、都市公園としての管理やルールを遵守し、景観もモラルも美しく保ってこそ、敦賀のシンボリックな場所として市内外の方に認知される訳であり、そのことをもってこそ、敦賀の皆さんが「誇りと自慢」に思える場所になるというもの。
管理という面では、責任は地域住民でなく行政にあることは明確であり、まずは実態把握に努めたうえで(把握してて見過ごしている訳ではないと思うので)、責任ある対応がされるよう、私自身、引き続き求めていく所存です。
「名勝気比の松原」は日本三大松原のひとつですが、調べてみると、名勝指定が一番早かったのは静岡市の「三保の松原」で1922年(大正11年)、次に「気比の松原」、そして佐賀県唐津市の「虹の松原」(1955年:昭和30年)となるそう。
※投稿後追記
ちなみに、「三保」と「虹」の松原を管理している行政の所管部署に確認をしたところ、気比の松原のような状況にはないとのことでした。
つまりは、あの世界文化遺産の「三保の松原」に次いで、2番目に名勝指定されたのが「気比の松原」であり、そう思えば尚のこと、今の「モラルなき外国人に占拠」されている状況を悔しく、そして何よりこの場所を守り続けてこられた先人に申し訳ないという気持ちでいっぱいになります。
そうした思いのもと、敦賀の誇りと文化を取り戻すため取り組むのみであります。
【歪んだままの竹柵、目立たぬ場所に曲がって立つ看板。こうしたところに行政の姿勢が表れていると感じるのは私だけではありません。】