阪神が18年ぶりの「アレ」を決める

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岸田文雄首相は、国民民主党に所属していた矢田稚子(わかこ)元参院議員を首相補佐官に起用する方向で調整に入ったとの驚きのニュース。
 
即座にこれを「連立」の呼び水と揶揄する声も挙がるなか、国民民主党の玉木雄一郎代表は14日のインターネット番組で、「そういう(補佐官の)話が出たことは基本的に(矢田氏)ご本人の問題。党としてどうこうということではない」、「矢田氏の能力を政権として評価したということではないか」と指摘したうえで、「仮にもし(補佐官に)なったら元仲間としてこれまでの経験や知識を生かして活躍してもらいたい」とエールを送りました。
 
先の国民主党代表選後、新体制となった8日以降、矢田氏は支援団体の連合や党役員も外れていますので、問われれば、私も玉木代表の言葉通りお答えしたいと思います。
 
さて、驚きのニュースに続き、喜びの昨夜。
 
プロ野球セントラル・リーグでは、甲子園球場で行われた巨人との対戦に4-3で勝ち、阪神が18年ぶりの「アレ」を決めました。
 
今季の阪神は岡田彰布監督が15年ぶりに指揮を執り、若手が主体のチームを率いながら、5月は球団の月間最多タイ記録となる19勝をマーク。
 
セ・パ交流戦は負け越したものの、8月も18勝を挙げると、なんと9月は負けなしの11連勝を飾り、一気に頂点へ上り詰めました。
 

【6度目のリーグ制覇ということで、胴上げ回数も6回。岡田監督が宙に舞いました。(自宅のテレビ画面を撮影)】
 
なお、皆様ご存知のことと思いますが、「アレ」とは、岡田監督が「優勝」を表現する代わりに使う言葉で、「ライバル球団に隙をみせるフレーズで、刺激を与えたくない」というのが理由。
 
実は、オリックス監督時代の2010年、選手に交流戦の優勝を意識させないように使い始めたのがキッカケ。
 
今季のチームスローガンは「A(Aim=目的)」「R(Respect=尊敬)」「E(Empower=パワーアップ)」を組み合わせた「A.R.E」(エー・アール・イー)ですが、もちろん語源は岡田監督の「アレ」からきています。
 
「即物的な『優勝』という言葉ではなく、選手の想像力と自発性を引き出した『アレ』は間違いなく流行語大賞だ」とまで評価されていますが、当の岡田監督は、優勝後の記者会見で、コーチ(2003)・監督(2005)として優勝を経験した時と今回とを比較し、次のように述べています。
 
「(2003、2005年と優勝した時は)ある程度完成されたチームというのがあったのでね。あんまり言うことというか、コミュニケーションとか会話は少なかったですね。今年の場合はやりたい野球というか、その辺でちょっと変えないといけない部分がある、一番はとにかく守り重視でいくということなんですけど、前回よりは選手と話す機会というか、それはだいぶ増えましたね。自分のこういう野球をするというのを伝えないといけないのでね。ずっとユニホーム着てた前回と、今回は着てなかったので、その辺の違いはあると思いますけど」
 
この言葉を聞いて、今年の強さの要因は、トップリーダーである岡田監督の考え(ビジョン)が選手に浸透したからだと理解すると同時に、それができたのは、リーダー自らの、積極的な会話とコミュニケーションにありと認識した次第です。
 
昭和60年、甲子園での巨人戦で放った、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発は、今でも脳裏に焼き付いていますが、5番岡田は、時を経て名将として返り咲き、チームを優勝に導きました。
 
天国の星野仙一さんもさぞかし、目を細めて見ているのではと思いますが、この先のクライマックスシリーズ、そして日本シリーズを勝ち抜き、再び「アレ」を決めてくれることを期待し、イチファンとして静かに応援したいと思います。