開会初日から熟議。本日は補正予算審査。

ブログ 敦賀市議会

9月定例会開会日を終えました。
 
時間を延長しての審議となることは予測していましたが、終わってみれば市役所を出たのは20時過ぎ。
 
勿論、時間を掛けたから良いというものではありませんが、慎重審議の一日となりました。
 
10時に開会した後、渕上市長からの提案理由説明、専決処分など報告案件の採決、議案の説明・質疑と続き、ここまでは通常通りですが、今定例会においては、開会日に採決までを行う議案が2件。
 
1件は、第83号議案の令和2年度敦賀市一般会計補正予算(第12号)「誘客多角化促進事業費」、もう1件は、第90号議案「敦賀市小中学校学習用端末購入の件」。
 
議案提案の後、「誘客多角化促進事業費」については、予算案件につき「予算決算常任委員会」に、第90号議案「敦賀市小中学校学習用端末購入の件」はGIGAスクール構想に基づき先の議会で予算を承認したタブレット購入に関わる契約案件につき「文教厚生常任委員会」に付託がされ、審査が行われました。
 
とりわけ「誘客多角促進推進事業」に関しては、「日本遺産」に登録認定された「鉄道遺産や北前船」と「人道の港」とを掛け合わせたイベントを開催しようというもので、現在審査中の国(観光庁)が募集している事業、コロナ禍において「新たな生活様式」(対策)を取りながら、観光誘客をしていく実証事業「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」による国庫支出金2,000万円、商業振興基金からの繰入金670万円を財源とし、総額2,670万円の計上がされたもの。
 
予算決算常任委員会(全体会)においては、まず国の事業に選定もされていない段階で国庫支出金を当て込んだ予算となっていること、選定されなかった場合の事業規模や予算措置、そもそも実施の必要性はなどの質疑がされ、市からは、本来8月中旬に審査結果が出るところ応募件数が多い(200件に対し、2000件の応募となっている)ことから、9月7日の週以降の結果発表にずれ込んでいること、選定されなかった場合は、事業内容の効果を検証のうえ1,500万円規模に縮小したうえで一般財源を当て込むなど財政当局と調整すること、「鉄道遺産」が日本遺産に認定されて以降、市では何かイベント的なことが出来ないか模索していたところ、この国の事業公募があり応募したというものであり、元々是が非でも開催したいとの思いがあった旨の答弁がされました。
 
さらにその後は、予算決算常任委員会(分科会)に場を移し、所管する産経建設分科会にて詳細審査を行いました。
 
先ほどの全体会では、分科会審査の活性化を図るため自身が所属する分科会案件の質疑は出来ないというルールとなっており、産経建設常任分科会に所属する私としては、この分科会で質疑をすべく、全体会での内容を踏まえ予め準備してきた質疑事項を確認しました。
 
正直申し上げ、提案される側の立場としては、唐突感と拙速感が否めない案件であることに加え、確定されていない国庫支出金を計上していることもあって軽々に賛成は出来ないものとの印象のもと、この分科会で市の考え方をしっかりと深掘りして伺い、そのうえで賛否の判断をすべく審査に臨んだ訳ですが、その考え通り、質疑を通じて自身の判断材料を揃え、最終的には「賛成」の判断を行うこととしました。
 
その考えは以下の通り。
 
(1)まず大きな視点として、withコロナの時代、いつまでもコロナを恐れるばかりではなく、コロナ対策を図りながら経済との両立を果たしていこうという中、この敦賀市においても行政が主催するイベントや行事について、この事業実施で得られるコロナ対策の知見やノウハウを今後に活かしたうえで「再開」していく方向であるとの考えが確認出来たこと。
※これは、6月定例会の一般質問において「コロナを乗り越えるイベント開催」として、私自身が求めた内容にも通ずるものでもあります。
 
(2)日本遺産に登録された「鉄道遺産」、3年前(確か)に既に登録されている「北前船」を観光資源として大いに活用していくとともに、何より市民の皆さんに知ってもらう取り組みが必要であり、「鉄道遺産シンポジウム」や「北前船に因んだ食」のPRなどを行うことは、その思いに合致するものであること。
 
(3)この事業実施も機とし、遺産との関連性が深く隣接する「南越前町」や「長浜市」とも連携した企画を来年度以降も実施検討していく旨の考えが確認出来たこと。
 
(4)「確定していない財源を計上しているのはおかしい」との心情的な部分は、当初私自身にもあったものの、冷静に考えれば、一般財源の支出を可能な限り抑制すべく、国や県の事業に応募をし、選択されていない段階で国庫支出金や県支出金を予算計上しているケースは本件に限ったことではなく、即ちこの事業の取扱いのみを持ってして「こんなことはこれまでなかった」とまでいうだけの根拠は乏しい。
なお、選択されななかった場合においても、本事業が特別財源の特性を持っていることから、単に一般財源に振替るのではなく財政当局と調整する旨の考えが示されました。
 
(5)そして最後は、審査での議論を通じて、市が責任を持ってコロナ対策を行なっていくとしたうえで、「このイベントを絶対にやりたい」という思いがあることを感じられたこと。
 
以上が本件を「賛成」とする私の考えであり、大凡このことは、分科会最後の「自由討論」において発言した次第。
 
分科会終了後は、予算決算常任委員会(全体会)での産経建設分科会長報告(共産党敦賀市議員団からは反対討論あり)、本会議における予算決算常任委員会委員長報告、2件の反対討論(同志会、共産党敦賀市議員団)があった後、採決においては「賛成多数」で可決となりました。
 
もう1件の第90号議案「敦賀市小中学校学習用端末購入の件」については、小学校分(ipad)3,685台、中学校分(Chromebook)1,965台を契約金額271,700,000円にて購入(契約先:三谷商事)する旨、文教厚生常任委員会の審査を経て、同じく本会議にて可決されました。
 
予算案件に関しては、貴重な税金を一円も無駄にしてはならないとの考えは言うまでもない話しですが、それぞれ判断するうえにおいて、単眼的・近視感的ではなく、「大局的な視点」と「事業の投資効果(将来含む)」を常に頭に置くというのが、この1年の議員経験で培った私の考え。
 
充実の開会初日となりましたが、今日は補正予算に関わる予算決算常任委員会が開催されます。
 
1日1日が経験の場でもあり、判断の場となりますが、引き続き上記の考えをベースに役割と責任を果たしていきます。
 

【今日の補正予算審査の準備もあってか、20時過ぎの市役所はまだまだ電気が灯っていました】