県道今庄杉津線の崩落現場から学んだこと

ブログ 防災

熱戦が繰り広げられている「夏の甲子園」。
 
昨日は、地元から福井県代表として出場の敦賀気比高校が1回戦を行い、同じ北信越地区の高岡商(富山)に13―3で快勝し、2回戦に進出しました。
 
次の相手は興南(沖縄)との激戦を制した市立船橋(千葉)となりますが、一戦必勝で勝ち抜き、地元敦賀のみならず、甚大な大雨の被害を受けた福井県に元気を与えることになればと願うところです。
 
さて、連日お伝えしている大雨被害に関する情報ですが、11日に運行再開するとしたJR北陸本線以外の交通機関に関し、国道8号の南越前町-敦賀市間については、国土交通省福井河川国道事務所が9日午前5時に通行止めを解除すると発表しました。
 
但し、南越前町大谷の一部区間は片側交互通行となるとのこと。
 
また、中日本高速道路も同じく解除見込みを発表。
 
北陸自動車道下り線敦賀IC―今庄IC間については「8月末頃」、上り線の敦賀IC―武生IC間は8月10日とのことであり、こちらも連日繰り返しとなりますが、一日でも早い復旧に向け最大限のご尽力をいただいている関係者の皆さんに対し、心からの敬意と感謝を申し上げる次第です。
 
この国道8号線と北陸自動車道はまさに福井県の南北を走る大動脈であり、これらを含む敦賀と嶺北を結ぶ道路5本全て(国道365号線、県道今庄杉津線、しおかぜライン)が寸断される状況となった訳ですが、昨日はそのうちの1路線、県道今庄杉津線の崩落現場を大比田区長と確認してきました。
 
区長は既に、崩落のあった谷伝いに大比田地区までつながる「大川」の土石流災害を懸念され、入念に現場の状況を確認されていたところですが、過去の経験を踏まえた災害リスクを最も把握している地元の方のご案内、説明は本当に勉強になりました。
 
併せて、県道までの取付道路を上るとちょうど県土木の方がおられ、大雨のあった直後から復旧対応にあたっている現場、あるいは下流にある国道8号線までに2箇所設置されている砂防ダムの設計思想などについても伺うことができました。
 
この県道は、国鉄の旧北陸本線が通っていた道で、崩落現場はちょうど3つのトンネルが重なるビューポイントの間、「芦屋隧道」入口(敦賀方面より)だった訳ですが、道路が見事に抜け落ち、想像を遥かに上回る規模の崩落であったことに驚くばかりか、先にあった2箇所の砂防ダムがほぼ満杯まで埋まり、土砂災害防止としての機能が果たされたことを確認することができた訳ですが、裏を返せば、この砂防ダムがなかったら…と思うと背筋が凍る思いとなった次第です。
 
参考まで、以下に状況写真を掲載します。
 

【芦屋隧道側から見た崩落現場。途中で道路が無くなっています(左手のクレーンが設置されている場所は、観光者向けに市が設置した駐車場で、ここに迂回路を通すとのこと。】

【谷に沿って流れる土砂。この先にひとつ目の砂防ダムあり。】

【崩落現場から見る旧北陸本線トンネル郡の眺め(本当はもうひとつ敦賀側のトンネルと合わせ、3つが重なる眺めに)】

【ひとつ目の砂防ダムを下流より見る。この高さ分が土砂で埋め尽くされ、丈夫には流木が引っ掛かっている。】

【ふたつ目の砂防ダムを上流側より見る。同じくここまで土砂で埋まり流木が堆積している(県土木によると流木は撤去する予定とのこと)。】

【砂防ダムからつながる「大川」。国道8号線の下をくぐり、大比田区、敦賀湾へとつながる土石流指定河川が、この状態で本当に助かったと感じた次第。】
 
なお、土砂で埋まった砂防ダムですが、県土木の方の説明では、この後堆積したとしても土砂の速度を低下させるよう設計されているとのことであり、いま取り除く必要性はないとの考えを聞き、改めて土木の世界の奥深さ、ダイナミズムを感じた次第です。
 
こうしてリアルな現場を確認し、実際にこの場で起きたこと、どのような仕組みで土石流を防止し、それは過去の経験の上にあるということをまざまざと学ぶことができました。
 
こうした学びを次への備え(災害リスクの高まりを意識)にするとともに、市内各地にあろう経験と対策をひとつでも多く確認していければと思います。
 
なお、取付道路や河川周辺及び砂防ダムにアクセスする道の草刈りを定期的に行なっていただいているのは大比田区の皆さんであり、日頃からの災害意識の高さあっての取組みに敬意を表する次第です。
 
結びとなりますが、大変暑い中、快くご案内いただきました大比田区長、お忙しい中説明いただいた県土木ご担当の方、厳しい環境の中で復旧にあたっていただいている現場の皆さんに改めて感謝申し上げます。
 


【帰りに確認した大比田の隣、杉津の浜辺。拡大してみると、大きな岩の回収作業にあたっているのが分かりますが、この上流の谷には砂防ダムが無いというのもひとつの事実。】