2022年11月10日
百聞は一見に如かず 〜球磨川水害が残した大きな爪痕〜
敦賀市議会では昨日、議員説明会並びに研修会が開催されたところですが、私の方は随分以前に予定を入れていた件があったため、そちらを優先させていただきましたことご容赦願いたく。
さて、その件とは、熊本県に出向いての情報交換会と災害対策に関する視察。
まず情報交換会については、母体の原電労組政治活動委員会役員とともに、熊本県電力総連さん並びに島津哲也・熊本市議会議員と、お互いの政治活動や組織・職場との連携などについて共有を図るというもので、コロナ禍前に四国電力総連さんに伺って以来の開催。
ちなみに、島津議員は私と同じ一期目の当選同期で、議員に成り立てに受けた研修でご一緒して以来、普段よりSNS等を通じ、良い意味で刺激し合う関係でありますが、昨日改めて直接お会いし、日常の細かな議員活動などをお伺いするに、見習うべき点が多々あり、私にとっても組織にとっても大変有意義な場となった次第。
なお、ともに来年4月に選挙を迎える者同士でもあり、今後もお互いに切磋琢磨しながら、それぞれのまちの発展に貢献していければと思います。
情報交換会の後は、かねてより島津市議にお願いしていた災害対策視察のため八代市へ。
熊本市から南に車で移動のうえ、現地では大倉裕一・八代市議会議員にも合流いただき、令和2年7月に発生した球磨川での大規模水害について、詳細なご案内並びにご説明をいただきました。
車で球磨川沿いを上がると、一級河川でまさに清流のロケーションで、あのような災害があった川とは信じられませんでしたが、2年を経てなお、国道や護岸は、あちらこちらで復旧工事が続いていたほか、鉄道路線の損壊、残されたままの浸水家屋が当時の壮絶さを物語っていました。
【3本の橋が流されたうちの1箇所。両岸に橋脚だけが残された姿に唖然としました。】
【以前は蒸気機関車も走らせていたJR鉄道(赤い橋)。復旧手付かずの理由は、第3セクターでの運営、赤字路線であるということ。】
【甚大な被害のあった坂本町付近。球磨川が90度以上に屈折しており、正面(護岸修理されている場所)にぶつかった流れが行き場を失い、道路標識の上まで水で溢れ返ったとのこと。】
車中並びに要所で停車し大倉市議から話しを伺うに、線状降水帯の動きが予想できず遅れた(と言える)行政の災害対応、濁流渦巻く中、危機一髪でお年寄りの命が救われた救出劇のこと、さらには甚大な被害のあった坂本町では、上流のダム撤去が行われた一方、行政が設置した「さかもと復興商店街」にて地元の皆さんが奮闘されている状況も拝見することが出来ました。
【プレハブの店舗で運営している「さかもと復興商店街」。写真は左から大倉・八代市議、島津・熊本市議、私。】
とりわけ、「さかもと復興商店街」の会長さんともお話しすることが出来ましたが、自らが大変なご苦労をされているにも関わらず、地元商工会議所青年部としてこの災害の教訓を広く伝えるべく取り組まれている姿に胸を打たれました。
【災害の状況を知ってもらうべく作成されたタペストリー】
まさに「百聞は一見に如かず」。
ここに来なければ分からなかった「リアル」がありました。
ひとたび大災害が起これば、公共機能の移転や住民の生活を一変させることになるなど、先の長い復興半ばの姿に考えさせられることばかりの約3時間でありました。
敦賀市も本年8月の豪雨で被害を受けたばかりですが、「まさか八代で起こるとは思わなかった」との言葉が物語るとおり、自然災害はいつわが町を襲うやも知れぬとの想定のもと、高い危機意識とリスク想定のもと、確実な備えにつなげねばと再認識した次第です。
最後に、大変お忙しいところ対応いただきました熊本県電力総連の皆さま、そして島津市議、大倉市議のご両名に心より感謝申し上げます。