映画「八甲田山」から改めて学ぶ「危機管理」

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昨日は、終日晴天の広がる気持ちの良い一日。
 
午前中に犬の散歩をしていると、寒さも少し緩んだからか、普段より家の外にいらっしゃる方が多いように感じました。
 
自宅近くに戻ってくると、近所の通りから「たけちゃーん!」と呼ぶ声。
 
声の元は、いつもあたたかく励ましてくれる奥様ということで、お話ししていると向かいの方や通りすがりの方など、瞬時4人の女性と井戸端会議に。
 
悲しいかな主役は「たけちゃん」から「きゅうちゃん(愛犬)」に代わっていましたが、それでもワクチン接種のことや議会のことなど相互にお話し出来たり、そこから教わることもあったりと、とても有意義で心安らぐ時間となりました。
 
そうして考えるとやはり、ご近所同士のコミュニケーションは「雑談にあり」。
 
コロナ禍の時こそ、ご近所さんの関わりを深め、話し声、笑い声が飛び交うまちにしていきたいものです。
 
さて、もうひとつ「雑談」から生まれたということで、ここから本題。
 
「孤高の人」や「栄光の岩壁」といえば新田次郎著の山岳小説ですが、実は私、以前に山岳小説にハマり、新田作品はほぼ読破。
 
そのハマる切っ掛けとなったのが「八甲田山 死の彷徨」でありまして、1977年には、あの高倉健さんが主演を演じ、「八甲田山」のタイトルで映画化もされていたことから、いつか見ようと思っていたところ、母体労組役員とのひょんな会話から、何と「4KデジタルリマスターBlue-ray版を持っているのでお貸ししましょうか」とのありがたい話しに。
 
是非とお願いし、早速昨日鑑賞させていただきました。
 

【原作小説と4Kリマスター版】
 
まず何と言っても、40年以上も前の映画とは思えない、映像の美しさ。
 
説明によると1カット1カット徹底して色調を調整し、劇場公開時には表現出来なかったオリジナルネガフィルムの表現力を最大限に生かした色彩設計を実現したとあり、まさに最終版と呼ぶべき、映画「八甲田山」の最高品質の画像となっているとのこと。
 
最高品質という通り、登場する主演の高倉健さんを始め、北大路欣也さんや加山雄三さんら男優陣の放つオーラと魅力、栗原小巻さん、加賀まりこさんなど女優陣の見惚れるほどの美しさが際立っていました。
 

 
そして、何と言っても、吹雪と極寒の冬の八甲田の恐ろしさや青森のゆたかな自然を鮮明に感じとることが出来ました。
 
物語は、日露戦争開戦を目前に控えた明治35年、厳寒の八甲田山を舞台とし、210名もの大群率いる青森第5連隊(神田大尉:北大路欣也)と27名の弘前第31連隊(徳島中尉:高倉健)が雪中行軍演習(あらすじには「過酷な人体実験を強いられた」とある)する中で起こる、壮絶な自然と人間の闘い、極限まで追い込まれ狂気に陥る人間の行動、生死を分ける各部隊のリスク意識と組織判断の差などを描いた、まさに原作と同様、手に汗握る作品。
 
極寒、猛吹雪の中「自然は克服するもの」とばかりの強行前進、部隊としての指揮命令系統崩壊により、結果199名もの死者を出した青森連隊と「自然に逆らわず」冷静に状況を見極めながら進軍し、210km、11日間に及ぶ全工程をひとりの犠牲者を出さずに完全踏破した弘前連隊。
 
これまで活字から思い浮かべていた壮絶な隊員の発狂や凍死、部隊が崩壊していくシーンを前に、自然の脅威を前に人間はいかに無力であることや組織・リーダーシップ論、危機管理に対して大きな教訓になるもの。
 
なお、この出来事自体、実際に起きた山岳遭難事件であったものの、長く国民には知らされないままになっていたことは、日露戦争の風雲が切迫していたことや陸軍の秘密主義でもあったのでは無いかと原作の「あとがき」には記されていて、単なる山岳小説に留まらず、時代の陰の部分にも問題提起するかの意味が込められていたとありますが、映画でもその部分は余韻のように残されていたとも感じました。
 
いずれにしても、時を経て多発する大規模自然災害への備え、国難とも言える新型コロナへの対応、会社組織のリスクマネジメントとはどうあるべきかなど、まさに現代社会に大きな警鐘を鳴らすかのような内容に、改めて得るもの多き出会いとなったことは間違いありません。
 
偶然の会話からBlue-ray版を貸してくれた労組役員に感謝するとともに、迷った時は健さんの判断や言葉を思い浮かべ、自身の行動にも生かしていきたいと思います。