明日は「歴史と文化」「鉄道と港のまち」敦賀を表す“ふたつの行事”が開催されます

ブログ 北陸新幹線 敦賀の歴史・文化

「月清し遊行のもてる砂の上」
 
これは元禄2(1689)年、奥の細道紀行で敦賀を訪れた松尾芭蕉が詠んだ句ですが、思いを馳せた由来である「お砂持ち」は浄土門 時宗 光明寺のホームページでは次の通り紹介されています。
 
正安3年(1301年)に、時宗2代目遊行上人他阿真教が諸国巡錫の砌、敦賀に滞在中、氣比社(氣比神宮)の西門前の参道、その周辺が沼地(この時代には氣比神宮あたりまで入江であった。)となって参拝者が難儀しているのを知り、浜から砂を運んで道を造ろうと上人自らが先頭に立ち、神官、僧侶、多くの信者等とともに改修にあたられたという故事に因み、「遊行上人のお砂持ち神事」として今日まで時宗の大本山遊行寺(藤沢市の清浄光寺)管長が交代した時にこの行事が行われている
 
 →浄土門 時宗 光明寺のホームページはこちら
 
また、敦賀市史(通史編)では、当時のことを「正安3年〜4年。気比社の西門と西方寺の間の参道やその付近の道路は洪水のため沼となり、大きな亀が住みついて参詣の船を悩まし、通行人に難儀を与えるほどになっていたので、信者とともに海岸から土砂を運んで道路の改修を始めた。日ならずして完成したが、これが三丁縄手であり、今の大鳥居前の「神楽通り」であるという。」と記載されています。
 
つまりは、「遊行上人のお砂持ち」によって出来た通りこそ今の「神楽通り」であり、つまりは、700年以上も前にあったエピソードが芭蕉の句とともに引き継がれていることに歴史の重みを感じる次第です。
 
そしてこの「お砂持ち神事」が何と18年ぶりに、時宗・時宗総本山清浄光寺(遊行寺)の主催によって執り行われます。
 
「遊行上人お砂持ち」の日程は以下の通りとなっていますので、ぜひ足を運んでいただき、敦賀の悠久の歴史を感じていただければと思います。
 
<工程>
10:00 西方寺跡出発(現在のキッズパークつるが周辺)
10:30 お砂場到着(氣比神宮表参道前)
10:45 お砂場出発
11:00 氣比神宮到着。お砂まき・御賦算
 


 
また、明日はもうひとつ、北陸新幹線敦賀開業1年前記念として、駅前大通りを歩行者天国にしたイベント「Tsuruga DEPART 2023」が開催されます。
 
主催する敦賀駅前商店街振興組合ホームページの同イベント紹介ページには、こうあります。
 
それは敦賀から旅が始まることを願うイベント​
100年前に東京発欧亜国際連絡列車の終着駅だった敦賀
敦賀から万感の思いをのせて、欧州へと旅立っていった
そして2024年春
北陸新幹線開業 再び東京からの終着駅となる敦賀
つるが、発見!
敦賀から新たな旅への出発点となるよう願いを込めて
 
詳細は、以下の写真或いは同組合ホームページをご覧いただければと思いますが、明日10:00〜16:00に掛けて駅前通りにて開催されますので、こちらもぜひ足を運んでいただければと思います。
※個人的には、「NCCR 2023」で来場するスーパーカーに今から興奮しています。
 
 →敦賀駅前商店街振興組合ホームページはこちら
 


 
こうして同日に開催される二つの行事を並べてみると、方や700年以上前の催しを脈々と継承し、方や新たな時代への思いを込めてと、コンセプトは違えど、「歴史と文化のまち敦賀」、「鉄道と港のまち敦賀」をまさに表すかのものとなっています。
 
時間がやや重複しているのですが、私はまず“18年ぶり”の「お砂持ち」、その後駅前へと足を運びたいと思います。