敦賀の玄関口に彩りを添える「クリアランスポット」

ブログ 原子力

気温が20℃近くまで上がり、絶好のお花見日和となった昨日。
 
日曜と重なったこともあり、皆様方におかれましても、各所で見頃の桜に癒されたことと存じます。
 
敦賀では、金ケ崎宮の「花替えまつり」が終わったものの、桜はこれから満開を迎えます。
 
日本の桜の風情は散りゆくまでということで、今しばらくピンクの彩り、そこにある儚さを感じたいと思います。
 
さて、この時期は主役の桜を始め、様々な花が咲き始めており、まち全体に色彩があふれるところですが、これまでなかった敦賀駅前商店街を歩くと、そこにも彩りが。
 
3月の終わり頃からでしょうか、同商店街アーケードの柱部分に茶色のフラワーポットが設置され、今では植栽も終わり、可愛らしい花が観光客を迎える敦賀の玄関口に彩りを添えています。
 

【敦賀駅前商店街を彩るフラワーポット】
 
実はこのフラワーポット。
 
日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)東海発電所(1998年に運転を停止)の解体工事で発生した廃棄物のうち、放射性廃棄物として扱う必要がないものを「クリアランス制度」に基づき、再利用して作られたもの。
 
なお「クリアランス制度」とは、廃止措置などに移行した原子力施設から出る金属製などの廃棄物のうち、極めて放射能レベルが低いものを分別し、原子力規制委員会の厳格な確認を経たうえでリサイクルする制度のことを言います。
 
そうして出来たフラワーポットは、駅からアルプラザ前の白銀交差点までの間に18箇所設置されるほか、柱には「クリアランス制度」に関する説明も掲示されています。
 

【ポットの銘板には「げんでん」の文字とともに、簡単な説明文が記載されています。】
 

【柱に掲示された「クリアランス制度」に関する説明板】
 
これまでは主に「クリアランスベンチ」として、経済産業省や文部科学省,原子力発電所構内や原子力に関わる学術機関、市役所などに設置されてきましたが,2021年4月には、高校では全国で初めて、福井南高校(日本原電から無償貸与)に設置されたところです。
 
さらに今回は、誰でも触れられ、目につく屋外のオープンな場所に設置されることで、広くクリアランス制度に対する周知,あるいは考えていただくきっかけになればと思う次第です。
 
また、敦賀港開港100周年を記念し、1999年に敦賀駅から神楽交差点までに設置された「宇宙戦艦ヤマト」、「銀河鉄道999」など松本零士先生監修のモニュメント28体は、敦賀が「鉄道と港」のまち、そして「科学都市」であることを表していますが、このクリアランスポットが加わることで、またひとつ、その意味合いにストーリー性や深みが増すのではと考えるところ。
 
いずれにしても、そういった意味合いをまずは市民の方、そして訪れる皆さんへと伝えていくことで、敦賀の魅力が一段と高まるのではと、併せて思う次第です。
 
結びに、クリアランスポットの設置を快く受け入れていただいた敦賀駅前商店街の理事長さんを始め、関係者の方々のご理解、ご協力に心より感謝申し上げるとともに、商店街の今後ますますの発展を祈念いたします。