多田選手と重なり合う、「どんな時も前を向いて」

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声を出さずに応援せよというのは無理ではなかろうかと感じた、昨夜の東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権男子100メートル決勝。
 
9秒台の自己記録を持つ選手が4人揃った史上最高レベルと言われる決勝をテレビで観戦しましたが、優勝したのは何と多田修平選手。
 
号砲への反応タイムは全体トップの0.123秒だったそうですが、得意のスタートから鋭い加速で飛び出すと「ゴールだけ見て走った。周りは気にせずに」と語ったよう、課題だった後半の減速を抑え、先日9秒95の日本記録を更新した山県選手らを振り切り、10秒15での優勝。
 
3位に入った山県選手とともに東京五輪代表を決めた訳ですが、2位には伏兵デーデー・ブルーノ選手が入ったのと逆に、桐生祥秀選手は5位、サニブラウン・ハキーム選手は6位に沈み、この種目での東京五輪代表入りを逃すなど波乱の展開に思わず声を挙げてしまった次第。
 
笑顔がトレードマークながら、これまでなかなか主役になれなかった多田選手が、インタビューで涙を浮かべながら「ここに懸けていたので。1位になることが少なかったのですごく嬉しいです」と語る姿に、画面越しに「あっぱれ!」と声を掛けたのは私だけでなかったことと思います。
 
桐生選手や山県選手が日本記録を出したレースにも出場していた多田選手は、先輩たちの背中を拝み、自己記録を更新してもスポットライトが当たらなかったのは事実。
 
それでも、「どんな時も前向きに捉えるようにしています。こう直したらいけるんちゃうか、ってプラスに考えて」と下を向かなかったことが、この大一番で花開くことにつながったのでしょう。
 
日本記録の山県選手同様、挫けず、諦めることなく自己を高め続けたその姿を心から祝福するとともに、五輪での活躍を期待したいと思います。
 

【スタートからトップを譲ることなく優勝した多田修平選手】
 
さて、話しは変わり、県独自の緊急事態宣言が発出された福井県内。
 
自分自身が行う感染対策自身が何か大きく変わる訳ではないものの、本日、出席する予定であった「令和3年度北陸新幹線小浜・京都ルート建設促進同盟会総会」(小浜市にて開催)が中止となったほか、各団体や学校関係行事でも同様、中止や延期の声を聞くなど、何かと自粛ムードが漂う状況となっています。
 
そのような中、昨日は、松原公民館で開催された「第1回つるが観光賑わいづくり検討会」に産経建設常任委員長として初出席。
 
主な議題は、今年度の「観光物産inみなと敦賀」の開催可否についてでありましたが、結果、中止の判断となりました。
 
私からは、自身が判断するための材料として、昨年コロナ禍で市が開催した大きなイベント(人道ウィークや国8空活など)で得た知見や経験をこうしたイベントにどう生かすのか、10月末を開催予定とした場合、いつまでに判断しないといけないのかという点について確認させていただきましたが、本イベントは、市外の皆さんに敦賀の物産をPRすることを趣旨目的とするものであることからすれば、現下の状況で広く広報をして市外者をお招きするのは難しいこと、追加のコロナ対策を行う場合、300万規模の費用が追加になることなど、本来目的を達するにはまだ環境が整っていないなど、他の委員の皆さんのご意見に納得。
 
中止はやむ無しとの判断に至りました。
 
しかしながら、委員の方々からは、時期をズラして行う選択肢もあるのでは、新たなイベントのあり方、他の行事とのコラボレーション、さらにはオンラインを活用した物産展やショッピングの検討の必要性など、前向きな意見が多く出され、コロナ禍にあっても市内経済の活性化に向けて何か出来ないかとの思いをヒシヒシと感じた次第。
 
冒頭の多田選手と重ね合わせると、2年連続で中止となるこのイベントのように、グッと我慢の時期が続く訳ですが、「どんな時も前を向いて」、「こうしたら出来るのではとプラスに考えて」とマインドセットすることで、必ずそこには成長があるのだと考えます。
 
また、コロナ禍だからと、感染リスクの極めて低いイベントや行事まで短絡的に中止をしてしまうことは、参加する当人たちにとって一生に一回しかない機会、思い出づくりの場まで奪ってしまうことになることを常に頭に置き、そうした点も自身の判断基準に今後も思考していきたいと思います。