2022年2月22日
国民民主党が令和4年度予算案に「賛成」 〜なるかトリガー条項の凍結解除〜
17日の3月定例会告示以降、粛々と議案精査を続けてきておりましたが、ようやく全ての議案に対する自身の疑問点や論点の整理が終わりました。
「どんだけ時間掛かっとんねん」と思われることと存じますが、条例改正議案に関しては、現行条例や国の施策等との整合性チェック、令和4年度当初予算・補正などの予算案に関しては、膨大な各事業ごとに過去の予算や決算との比較検証、事業の効果予測などを立てながら妥当性評価を行っており、時間は掛かろうとも妥協せず、自分なりに納得行く準備をし、定例会に臨む所存です。
一通り自分なりの精査を終えるとともに、24日の開会日が通告締切となっている当初・補正予算案に対する基本質疑の通告書作成までが整いましたので、次は途中となっている代表質問の通告書作成を進めていきたいと思います。
さて、地方議会にも直接的に関係する国の来年度予算ですが、昨日は衆議院予算委員会で、与党と国民民主党の賛成多数により可決。
22日の衆議院本会議で可決され参議院に送付される見通しで、憲法の規定により令和3年度内の成立が確実となるとともに、22日に衆議院を通過すれば現行憲法下で最速だった平成11年の2月19日に次ぐ早さとなるとのこと。
ここで「異例」とされているのが、野党である国民民主党が予算案に賛成したこと。
野党が政府の予算案に賛成するのは「政権全体をよしとするに等しい」行為とも映ることから、主要野党は一斉に反発し、立憲民主党の泉健太代表は「野党とはいえない選択だ。非常に残念な判断だ」と批判したほか、共産党の小池晃書記局長も「事実上の与党入り、与党宣言だ」と突き放したとあります。
反対至上主義の政党が躍起になっているようですが、これはさて置き、確かに国民民主党がとった選択は従来の国会構造からすれば「異例」であるのかも知れませんが、「対決より解決」、「現実路線の改革中道政党」をいく同党の理念からすれば、あって然りのものと理解するところです。
当の国民民主党は、昨日の予算委員会で玉木雄一郎代表自らが質問に立ち、同日午前の予算委員会で岸田首相が、ガソリン税を軽減する「トリガー条項」について凍結解除も含めて検討する意向を示したことを再確認したうえで、予算案に賛成することを明言。
賛成後には、党としての談話を発表したほか、記者団に対しては、「旧来の与野党の対立を越え、国民のために必要なガソリン値下げを勝ち取るために賛成した」と説明しています。
党の談話については以下を、また正確を期すため玉木代表自身のYouTube「たまきチャンネル」に掲載された予算委員会での質問内容についてもご覧いただければと存じます。
【国民民主党談話】
本日、令和4年度予算が衆議院予算委員会で可決されました。
日本経済が長期低迷から抜け出して「給料が上がる経済」を実現するためには、積極財政に転換し、教育国債を発行して人づくりのための予算を拡充することで、デジタル化やカーボンニュートラル等の技術革新に資する教育・科学技術予算倍増を図ることが必要です。また、足下の経済対策、国民生活を守る政策として、ガソリン価格高騰対策としてトリガー条項凍結解除によるガソリン減税などが必須です。
国民民主党は、上記の内容を含む予算の組み替え動議を衆議院において提出し、政府与党に実現を迫りました。動議は否決されたものの、高騰を続けるガソリン・軽油価格対策について、政府は私たちの「トリガー条項凍結解除」の提案を採用する方向を示しました。また、政府の予算については、不十分ながらも賃上げと人への投資を重視した内容になっています。
こうした諸点を踏まえ、国民民主党は政府提出の令和4年度予算に賛成することとしました。
国民民主党は、政策本位で国民の皆さんのためになることを実現したいとの姿勢を党是としています。今後も改革中道の立場から、国民の皆さんのための政策を積極的に提案し、政策本位で与野党と向き合っていきます。
→→→YouTube「【予算委員会(2月21日)】総理!しつこいですが うかがいます!玉木雄一郎がガソリン値下げを問う!」はこちらから
この燃油価格に関わる「トリガー条項」については、以前に私のブログでも解説をしていますので、詳細はそちらをご覧いただければと思いますが、以前から「凍結解除」を主張する国民民主党としては、政府が燃油価格の急騰対策として石油元売りに1リットル当たり5円を上限に補助金を支給していることの効果の妥当性から、国民負担軽減、経済対策の観点から強く求め続けているものであります。
→→→「トリガー条項」に関する令和3年11月20日ブログはこちらから
岸田首相は21日の自民党役員会で、国民民主党のこの対応について「与党として歓迎したい。国民民主から今後、政策提言などの話もあると思うので、聞く耳は持っていきたい」と述べたとあります。
国民民主党の政治姿勢が、先ほど述べた党是の通りであることは、この一連の対応で国民の皆さんにも明らかとなりました。
国民が政治に求めているのは政権争いやスキャンダル追求ではなく、政治が自分達の生活や経済をどう良くしてくれるかだと思います。
私自身も「是々非々」を政治姿勢に置いていますが、掲げる理念のもと「対決より解決」に進む国民民主党の対応に、今後ぜひ注視いただければ幸いに存じます。