各党の経済対策の違いを分かりやすく解説

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臨時国会冒頭の所信表明演説で「経済、経済、経済」と強調した岸田総理。
 
何よりも物価高対策、そして経済対策を重視していると決意を述べ、具体的な政策に注目が集まるなか、昨日、政府は「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定されました。
 
首相官邸では岸田総理による記者会見が開かれましたが、閣議決定した総合経済対策は、最大の目玉を物価高対策とし、「国民への還元」として、所得税・住民税の定額減税と低所得者への給付を柱に、電気・ガス料金や燃料費の負担軽減などのメニューが並ぶものの、減税は来年6月に実施する想定でスピード感に欠け、電気・ガス料金の負担軽減は既存の対策の延長で、国民にとっては実感しにくい内容となったとも報じられています。
 
とりわけ、「肝入り」とされる今回の減税については、扶養家族を含めて所得税3万円と住民税1万円の1人計4万円を納税額から差し引くとしていますが、なぜ「額ありき」なのか、疑問があるところです。
 
では、与党以外の党の考えはどうなんだということですが、「対決より解決」の国民民主党 玉木雄一郎代表が、たびたびご紹介している「たまきチャンネル」(玉木代表のYouTubeチャンネル)にて、各党の政策を分かりやすく比較していましたので、本日はそのことをお伝えいたします。
 
なお、私の文字起しより、生の「たまきチャンネル」をご覧いただいた方が分かりやすいかと思いますので、「手っ取り早く」という方は以下のリンクよりアクセスいただければと。
 
 →「たまきチャンネル」はこちらから
 

【たまきチャンネルの画面切り抜き】
 
比較は、①GDPギャップ、②給付、③消費税減税、④所得税減税、⑤ガソリン税減税、⑥社会保険料減の6項目。
 
それぞれ解説された内容は以下のとおり。
 
①GDPギャップ
まず「経済情勢」の認識が違う。
「GDPギャップ」とは、一国の経済全体の総需要と潜在的な供給力の差のことで、需要不足になるとマイナス、需要超過になるとプラスになります。
自民・立憲・維新はギャップが「解消された」との認識のようだが、これはコロナによって供給力が下がったせいであり、本来コロナ前の水準と比べてどうだという議論をしないといけないので、国民民主としては、依然として「GDPギャップはある」との認識。
GDPの3%ぐらいはギャップがあるということで、15兆円程度の費用が必要と考えている。
 
②給付
自民が「住民非課税世帯に7万円」、立憲が「世帯の6割に3万円」、維新は「なし」としているのに対し、国民民主は地方独自の判断を生かし、地方交付金(予算積み増し)による給付金とし、例えば給食費の無償化や低所得層への給付など、できるだけ地方の裁量で対応ができる形が良いと考えている。
 
③消費税減税
自民・立憲は「やらない」、維新は「8%」、国民民主は賃上げが5%程度になるまでは次元的に5%に引き下げる(なお、単一税率になればインボイスは不要になる)。
 
④所得税減税
自民が「定額4万円」、立憲・維新は「なし」、国民民主はインフレに合わせて※基礎控除を拡大することによって減税。
生きるのに必要なコストが上がっているので、単なるバラマキではなく、インフレ時代に対応した所得税体系にしていくという「哲学と理念」に基づいてやっていくとの考え(暫定税率はちょっとだけと言いながら、もう50年も続けている)。
 
※基礎控除とは
所得税や住民税を計算する際にすべての納税者の年収から一律で差し引く金額のこと(所得税で38万円、住民税で43万円)課税対象から外れるので、これを拡大すれば結果的に減税になる。
 
⑤ガソリン税減税
自民は「減税なし」(補助金を継続)、立憲は「トリガー発動」、維新は「暫定税率廃止」、国民民主は、いま補助金で対応しているものをトリガーに振替え、恒久的に二重課税と暫定税率は廃止。
 
⑥社会保険料減
受益と負担が結びついているのが社会保険料。
自民は「なし」、立憲も「なし」(但し、※事業者に軽減)、維新は「3ヶ月間3割減(低所得者は5割減)」、国民民主は、低所得者を減免+※事業者に軽減。
 
※事業者に軽減
例えば、非正規を正規にしたり、新たに正規社員を雇用する場合に新たに生じる事業者の社会保険料負担については、半分国が負担することによって賃金を払いやすくしたり、正規社員を雇いやすくする。
 
以上が各項目ごとの比較となります。
 
なお、玉木代表曰く、最も大きな違いは、GDPギャップを内閣府が言うように「無くなった」と考えるのか、「弱ぶくんでいる」ので需要サイド、消費を下支えすることが必要と考えるのか。そのためには、給付であろうが減税であろうが「やるべきものは今はまだ全部やった方がいい」とのスタンス。
 
皆様におかれましては、こういった各党の政策の違いを把握いただき、以降の各党の主張に注視いただければ幸いです。