2022年9月2日
原子炉廃止措置全体の総合的なマネジメントに向けて
8月5日にあった記録的大雨の影響について、先般確認した市内道路河川に続き、農林分野の被害状況をお伺いするに、広範囲に亘り、農道や林道、農業施設に土砂の流入などがあり、大規模な部分は特に、完全復旧まで時間を要することを把握したところです。
二次、三次の被害を防ぐため、緩んだ地盤に追い討ちを掛けることは避けたいと祈るばかりですが、警戒を強めるのは猛烈な勢いの台風11号。
今後は東シナ海を北上し、九州や西日本にも接近する進路となっていることから、ここ敦賀においても最悪の事態を想定し、準備しておくことが肝要と考えます。
また、ついつい対応を行政任せにしがちですが、「自分の身は自分で守る」との原則に基づき、各ご家庭でもご留意いただけますようお願いいたします。
さて、話題を切り替え、昨日お昼休みは敦賀発電所にて報告会を開催しました。
ちょうど、大雨による被害の状況や南越前町災害ボランティアで自身が経験したことなど、自然災害の恐ろしさについてご紹介したところですが、併せて、毎回共有しているのが直近のエネルギー情勢。
この間で最もインパクトがあった、政府の「GX実行会議」において岸田首相が「検討指示」した原子力発電に関わる内容も共有したうえで、職場の皆さんとは認識を合わせるとともに、私自身は現実路線のエネルギー政策実現に向け、士気高く取組むことをお約束した次第です。
【活動報告会の様子】
なお、ここ最近は日々の新聞でも話題に事欠かない原子力ですが、8月31日には総合資源エネルギー調査会の廃炉等円滑化ワーキンググループの会合が開かれ、国内における原子炉廃止措置全体の総合的なマネジメントに向けて、新たな認可法人を設置する方向性が示されました。
2020年代半ば以降、国内原子炉の廃止措置プロセスが本格化することを踏まえ、6月より廃止措置を着実に実施していくための課題と対応策について検討を開始した同ワーキング。
現在、国内の商業用原子炉60基(建設中含む)のうち、18基(福島第一を除く)が廃炉を決定済みで、今後、廃炉プロセスのうち、比較的濃度の高い放射性廃棄物が発生する「第3段階」(原子炉領域設備解体)が本格化する見通しとなっており、次回会合で取りまとめに入る中間報告書に、今後の具体的な制度設計に係る詳細事項が盛り込まれる見込みとのこと。
新増設・リプレースと違い、廃止措置に対する世間の関心はやや低いと感じるものの、一連の原子力政策においては大変重要なことであり、とりわけ福井県が進める「嶺南Eコースト計画」とも関連することから、引き続き、こうした国の動きを把握のうえ、また皆さんとも共有していきたいと考えます。