IAEA「包括レビューミッション」の全日程を終了

ブログ 原子力

水曜日の昨日、朝は名子での辻立ち、定時以降は、粟野交番前での街頭演説と、どちらもホームグラウンドでの活動。
 
先日の国民民主党パーティーで感じたよう、明るい場所に人は集い、笑顔は人の心を強くすることを実践し、辻立ちは笑顔で。
 
また、同党の玉木雄一郎代表がご自身の思いとして述べていた「街頭演説は、魂をちぎって渡すもの」との言葉を胸に、街頭では考えを伝えました。
 
いずれにしても、ブログやSNSなどの発信に加え、やはり「野に出でよ鍬を持て」の精神で、今後も街頭に立ち続けたいと思います。
 

【朝の辻立ちを終え、労組の仲間に撮っていただきました。写真も意識して「笑顔」。】
 
さて、街頭演説に関して言えば、約30分〜40分の時間で、自身の活動、市議会のこと、国政のことなど、極力「旬の話題」を提供できるようにしていますが、毎回必ず取り入れているのが、自身のライフワークともいえる「エネルギー・原子力政策」のこと。
 
昨日も電力需給や電気料金高騰の要因とは何かを話したところですが、少しでも理解につながればと思うところ。
 
この「エネルギー・原子力」に関しては、ほぼ毎日といっていいほど、何かしらの報道がされているため、話題に事欠かない訳ですが、これまでポイントポイントでお伝えしているのが、福島第一原子力発電所の※ALPS処理水「海洋放出」に関すること。
 
※ALPS処理水
多核種除去設備(ALPS)等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準値を下回るまで浄化した水。海水と混合し、トリチウム濃度を1,500ベクレル/リットル(告示濃度限度の40分の1)未満に希釈した上で放水する。
 
これは、「科学が風評に負けてはならない」との思いのもとでの発信ということになりますが、先日も節目といえる出来事がありました。
 
ALPS処理水の海洋放出に関しては、国際原子力機関(以下、IAEA)が、日本政府との間で2021年7月に署名された「ALPS処理水の取扱いに係る包括的な協力枠組みに関する付託事項」に基づき、これまで「包括レビューミッション」として行われてきたところですが、6月2日、このミッションの全日程を終了したとありました。
 
今回のミッションは、
 ①安全性に関するレビュー
 ②規制に関するレビュー
 ③独立したサンプリング・データの裏付け分析
を総括するもの。
 
そのうち、「③独立したサンプリング・データの裏付け分析」に関しては5月31日に、海外の研究機関も含めたデータ分析により「ALPS処理水に関する正確かつ詳細な測定を実施した東京電力の能力について、IAEA調査の結果、信頼に足るとの結論に達した」とする報告書が公表されたところ。
 
経済産業省のホームページを確認すると、報告書のポイントが記載されており、
 
・東京電力は高水準の測定の正確性と技術的能力を持つことが証明されている。
・東京電力のサンプル採取手続は、代表的なサンプルを得るために必要な適切な基準に従っている。
・東京電力が使用している核種分析のために選定された分析方法は、適切で目的にかなったものであること。
・IAEA及び参加した第三者分析機関のいずれも、有意に存在する追加の放射性核種(すなわち、ソース・タームに含まれている放射性核種を超えるもの)を検出しなかった。
 
とし、以上の結果から、IAEAは、東京電力は正確で精密なALPS処理水の分析能力を有していることを留意する、さらに、IAEAは、東京電力が、ALPS処理水の放出中における福島第一原子力発電所で継続中の技術ニーズを支援するための持続可能で堅固な分析体制を構築していることを実証したと結論づけられています
 
今回のレビューミッションの議論については、IAEAが年央を目途に公表予定の包括報告書に反映されるとされており、日本政府は、引き続き、IAEAレビューを通じて国際的な安全基準に照らした確認を継続し、安全を大前提に処理水の海洋放出に向けた取組を進めるとしています。
 
こうして、公的な国際機関が検証・公表することは、まさに「科学的根拠」をもって安全を証明するもの。
 
流布される風評に惑わされないためには、関係者がこうしたことを正確に伝えていくことが必要不可欠であり、次の街頭では、新たに得た知見を話していきたいと思います。