北朝鮮拉致問題に対する断じて許されざる発言

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「時間は作るもの。時間がないことを出来ない理由にするな」
 
社会人になってから様々な場で、幾度となく耳にした言葉ですが、それにしても今回ばかりはそれを言うのも気の毒に思うもの。
 
昨朝出勤する際、町内の路肩に軽トラが停車し何やら作業をしていたためその先を覗くと、何と衆議院選挙用のポスター掲示板を設置していました。
 
今回の首相就任から解散までの期間10日は、1954年12月10日に就任、翌55年1月24日に解散した第1次鳩山一郎内閣の45日を大幅に下回る最短記録であるとともに、10月14日の解散から19日の公示まで5日、31日の投開票まで17日間の短期決戦は、これまた現行憲法下では1983年第1次中曽根内閣での20日を抜き最短となるそう。
 
こうして過去最短の選挙日程となる中、常在戦場で当事者である候補予定者の皆さんはさて置き、気の毒に思うのは自治体職員。
 
先日、とある市の職員さんと話すとやはり、過去最短のタイトなスケジュールに大変苦慮しておられ、今回の掲示板設置も解散してからでは間に合わないことから、苦肉の策として、どの選挙かを示す部分(掲示板の右側)は目隠しをして事前の設置作業を行うとしたところ。
 
また、各配布物を始め、何と言っても投票所などへの職員さんの人員配置、投票立会人の選定など、準備することが目白押し。
 
それでも「時間がない」などの言い訳はなく、「やるしかない」との思いで準備に当たられる様子がお話しからも伺ってきた訳ですが、「過去最短」の裏で、こうして庁内横断的に対応をされている自治体職員がいらっしゃることを少し念頭に置いていただければと思うところです。
 
さて、昨日の話題としては、ここ福井県では、14日をもって新型コロナウイルスの注意報、警報を全面解除するとの明るいニュースがあった訳ですが、書き留めておきたいのは、北朝鮮拉致問題に関する国会議員の許されまじ発言について。
 
その発言とは、立憲民主党の生方幸夫衆院議員(比例代表南関東ブロック)が、9月に千葉県松戸市で行った会合で、北朝鮮による日本人拉致問題について「日本から連れ去られた被害者というのはもう生きている人はいない」、「横田(めぐみ)さんが生きているとは誰も思っていない。自民党の議員も」としたうえで、「拉致問題、拉致被害者は今、現在はいないと捉えられる、政治家は皆そう思っているということ」などと発言したとのこと。
 
また、死亡の根拠について問われると、「客観的情勢から考えて生きていたら(北朝鮮は横田さんを)帰す。帰さない理由はない」と説明。
 
「生きているのだったら何かに使いたい。1回も使ったことがないですから、残念ながら亡くなってしまっているから使いようがない」などと主張したほか、2014年の日朝首脳会談で北朝鮮が拉致を認めて謝罪し、帰国した5人の被害者について、北朝鮮に一度返すとした約束を日本側が守らなかったとし、「首脳同士で話をして決めたことも守らないなら、それはだめなのではないか」と述べたうえで、「日本国内から連れ去られた被害者は、生存者はいないのだと思う」と重ねて主張したとあります。
 
これに対し、家族会などによる抗議声明では「生方議員は人の命に関わる重大な人権問題について、日本政府の基本的立場を否定して、北朝鮮の主張に賛同している」と批判。
 
生方氏が所属する立憲民主党に対しては、「生方議員発言を党としてどう考えるのか、ぜひお聞かせ願いたい」としています。
 
また、拉致被害者家族会と支援組織「救う会」は11日、発言の取り消しと謝罪を求める抗議声明を出しており、声明では「すべての拉致被害者の救出のため心血を注いできた被害者家族、支援者、被害者自身の生命に対する重大な侮辱であり冒涜だ」と強く非難しています。
 
日本政府は〈被害者の「死亡」を裏付けるものが一切存在しないため、被害者が生存しているという前提に立つ〉(政府拉致対策本部「すべての拉致被害者の帰国を目指して ―北朝鮮側主張の問題点―」)という基本的立場に立っている。
生方議員は人の命に関わる重大な人権問題について、日本政府の基本的立場を否定して、北朝鮮の主張に賛同している。その上、自民党議員を含む関係者が皆生存者がいないと思っていると断定して、関係者の名誉を著しく傷つけている。
生方議員のこの発言は、すべての拉致被害者の救出のために心血を注いできた拉致被害者家族とその支援者また被害者自身の生命に対する重大な侮辱であり冒涜だ。
強く抗議する。発言の取消と謝罪を求めたい。
 
 →→→救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)の声明文はこちら
 
全くもって、私もこの抗議声明と考えをともにするものであります。
 
奇しくも昨日11日行われた衆院本会議の代表質問で岸田首相は、北朝鮮による日本人拉致問題について「全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく、全力で取り組む。私自身、条件をつけずに金正恩朝鮮労働党総書記と直接向き合う決意だ」と答弁で述べた訳ですが、この生方氏はどういう気持ちで聞いていたのか。
 
横田めぐみさんの母、早紀江さんは「怒る気力もない」と落胆をあらわにしたとありましたが、心中をお察しするとともに、日本人が一致団結せねば取り返せぬこの問題、しかも早紀江さんを始め、ご家族の高齢化により「時間がない」状況にあることを思えば、北朝鮮に加担するような発言や姿勢は一切禁ずべきものと強く思うところであります。
 
その後、生方氏は11日午前に自身のツイッターで謝罪したそうですが、SNSで詫びて済む問題ではありませんし、発言が消えるわけではありません。
 
また、所属政党である立憲民主党の枝野幸男代表は、「大変間違った発言。私も大変驚愕し、激怒している」と述べ、拉致被害者や被害者家族、関係者に「党を代表し深くおわび申し上げる」と謝罪し、生方氏を厳重注意したとのことですが、厳しい処分や次期衆院選の公認見送りの可能性については、「まず、関係者に党としても本人としてもお詫びをすることが一番大事だ」と述べるに留めたとあり、断固たる態度でまでは示していません。
 
これでは、次期衆議院選挙でも、政党名をひた隠して選挙を戦おうなどと姑息な手段を考える陣営が一層、その戦略を強めることでしょう。
(政党政治あるが故、本来あるまじき戦略ですが)
 
政党のことはさて置き、繰り返しとなりますが、相手を利するこうした問題発言は、日本国民として許されざるものであるとともに、今一度この問題を「拉致被害者全員を返せ!」を国家の総意として示し、強い姿勢で北朝鮮に挑まねばならないと考える次第です。
 
そして、日本が抱える、決して風化させてはならない問題のひとつがこの拉致問題であることを最後に申し上げ、本日のブログを閉じさせていただきます。
 

【以前に参加した拉致被害者集会チラシ(奥に映るのがめぐみさん)とその意思を示す「ブルーリボンバッジ」。このバッジとともに、その意思はいつも私の胸にあります。】

気候変動について考える(後編)

エネルギー ブログ

早速で恐縮ですが、昨日に続きテーマは「気候変動」について。
 
「気候変動について考える」などと大そうなタイトルとしておりますが、私自身、自論を述べるほどの専門知識を持ち合わせてはいませんので、これまで様々な有識者の見解を調べる中で、「なるほど」と思ったことを書き留めておく程度となることをまずお断りさせていただきたく存じます。
 
そのうえで、物事を正しく見るときには、ミクロとマクロの視点が必要ですが、この気候変動に関しても、地球誕生から46億年の歴史を長い目で見ると、「ミランコビッチサイクル」にあるよう、特に日照量の変化が大きな原因とし、地球は約10万年ごとに暖かくなったり(間氷期)寒くなったり(氷期)を繰り返してきたことが分かっていて、そうした人間の力ではどうにもならない太陽と地球の関係の中にあって、この温暖化スピードや将来予測をどう捉えるのかが重要かと思うところです。
 
非常にスケールの大きな話しから入りましたが、このIPCC報告書に対しては、総論ではなく各論としての理解し易さとして、キャノングローバル戦略研究所主幹研究員の杉山大志氏が他の科学者の意見やデータと照らし合わせ、報告書の内容を丁寧に紐解き、25の論点(10月10日現在)を挙げ反証をしており、私も大いに共感する部分がありましたのでポイントを書き留めていきたいと思います。
 
以下、杉山氏の論点から主だった部分を以下に掲載します。
 
①まずはCO2等の排出シナリオについて。これまでCO2等の排出の多い「RCP8.5」シナリオがIPCCでは頻繁に使われてきた。だがこのシナリオは、高い経済成長と莫大な石炭消費量を想定したもので、現実との乖離が目立ってきた。諸国がカーボンニュートラルなどと言い出す前だった2019年時点から、特段政策を強化しなくても、2050年時点の排出量はその半分以下に収まる、というのが、いま主流の見方(が、日本の環境省は排出量の多いRCP8.5のシナリオに基づき、被害予測を計算している)
 
②IPCCの報告では、20世紀に起きた地球規模での気温上昇は、その殆どがCO2等の温室効果によるものだとしている。だがこれは、太陽活動の変化が殆どなかったとするデータセットに基づいている。別の、NASAの人工衛星観測によるデータセットを用いると、太陽活動は大きく変化しており、地球温暖化の大半はそれで説明できてしまうため、CO2等の寄与は小さいという論文がある。
なお、IPCCが気候変動における太陽活動の役割を軽視しているという指摘は複数の研究者から挙がっている。

 

【「世界の気温変化の歴史と近年の昇温の原因」:同報告書政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2021年9月1日版)より抜粋】
 
③IPCC報告では、この陸と海での除去、つまり「吸収源」は、CO2排出量の増加にほぼ比例して増加しており、2010年から2019年の間に排出量の31%(陸)と23%(海)を吸収している。両者を足すと54%になる。ということは、大気中のCO2濃度を安定化させるためには、人類はCO2排出を半減させればよいのであって、ゼロにする必要は無い。
化学平衡で考えれば、産業革命前に280ppmだったCO2濃度が、いま410ppmになっている。この差がある限り、陸上にも海にもCO2は吸収され続ける。だから吸収された分だけは人間が排出しても、濃度は増えないことになる。
 
地球温暖化による大雨の激甚化など起きていない。今回のIPCC報告はそれをはっきり書いている。政策決定者向け要約にある図SPM.3がそれを示している(訳は気象庁)。日本以外の地域を見ても、殆どが「人間の寄与の確信度は低い」となっている。大雨のたびに温暖化のせいにする人がいるが、IPCCはそんなことは言っていない。
 
⑤地球温暖化したといっても、江戸時代から比べて1℃ぐらいという僅かなものだ。過去の再現ですらこんなに誤差が大きいのに、あと0.5℃や1℃の気温上昇やそれによる気候の変動の予測なんて、本当に当たるのか、疑問に思う。少なくとも、どのような予測結果を見る場合でも、「そのモデルはどのぐらい過去を再現できているのか」、1つ1つよく確認する必要がある。
 
⑥IPCC報告は、一方ではモデルにこれだけ問題があることを認めながら、他方ではそのモデルによる予測を滔々と説明している。だがこの予測は信頼に値するのだろうか。モデルにこれだけ問題があれば、本来なら、予測結果はいったん取り下げて、やり直すべきではないか。衛星観測の第一人者である元NASAのジョン・クリスティはそう主張している。
 
⑦IPCC報告書では、京都の桜の開花日が早くなっているという図が出ている。IPCC報告はこれが地球温暖化によると言いたげである。(そうはっきりとは書いていないが、普通の人が読むとそう読んでしまうように書いてある)。だがこの理由は、地球温暖化による気温上昇とは限らない。まず都市熱は大きい。気象庁のデータを見ると、京都は地球温暖化を上回るペースで気温が上昇している。
 
⑧2100年時点の海面上昇は、2050年の排出ゼロといった極端に脱炭素を進めるシナリオ(SSP1-1.9)では55cmぐらいになっている。他方で、高い排出の場合はどうか。SSP5-8.5とSSP3-7.0は、何れも排出量が多すぎて現実的ではないことは論点①(筆者HP上の)で述べた。2019年以降、特段の温暖化対策強化をしなくても、SSP2-4.5とSSP3-7.0の中間ぐらいになる。2100年時点で両者の中間を読むと海面上昇は75cmぐらいになっている。
すると、極端な脱炭素に励むことで、2100年の海面上昇は75cmから55cmへ、20cmばかり抑制される訳だ。20cmの差というのは僅か過ぎて、脱炭素に伴う莫大なコストを正当化することは出来ない。なお最後に付言すると、論点③(筆者HP上の)で述べた様に、気候モデルは明らかに温暖化を過大評価しているものが多くある。
 
⑨IPCC報告には地球の平均気温がぐんぐん上昇しているという図が出ているが、イギリス気象庁による最新のデータでは、2000年から2014年ごろまでは、気温上昇はほぼ止まっていた。これはハイエイタス(停滞)と呼ばれるものだ。その後2016年から2020年までは高温の年が続いた。2021年に入って、気温は急降下。2021年は、2014年以来、もっとも寒い年になるかもしれない。何が起きてきたかというと、2016年から2020年までは強いエルニーニョだった。それが2021年になってラニーニャになった。(ちなみにこのラニーニャは太陽活動の変化に連動して起きるという予言が当たった)。
今後気温が上がるか下がるか、予断は出来ない。気候モデルを信じるなら「何れ急激に上がる」ということになるが、この連載でも縷々述べてきたように、筆者はそこまでモデルの信頼性は高くないと見ている。
 
⑩いまの世界では暑さで亡くなるよりも寒さで亡くなる人の方が遥かに多い。そのため、過去の地球温暖化の帰結としては、世界の人間の寿命は伸びた。寒さによる超過死亡率は減少し、暑さによる超過死亡率の増加を上回ったのだ。これは日本でも同じことで、地球温暖化によって寿命は伸びている。
図2を見ると、日本は緑色になっていて、死亡率が減少していることが読み取れる。我々は温暖化のお陰で少しばかり長生きしている。地球の気温は感じることも出来ないぐらいゆっくりと上昇したが、人類を脅かすような「広範囲かつ急速な変化」などという程のことは起きていない。
 
私が捉えた論点のいくつかを挙げさせていただきましたが、杉山氏は総じた見方として、論点のいくつかでこのように結んでいます。
 
◉おどろおどろしく「気候危機」というなら、自然災害のデータはさぞや急激な右肩上がりで、誰の目にも明らかで文句無しなのかと思えば、そうではない。実態はこの程度のことで、たいていは誤差の内か、せいぜい、かろうじて判別できるぐらいだ。冷静になって数字を見ると、「人類の危機が迫っている!」という様な話からは程遠いことが分かる。
 
◉地域ごとに見ると、気温は大きく変動してきた。そして人類はそれに対処して逞しく生きてきた。地球全体の平均で100年かけて1℃気温が上昇してきたといっても、それで「人類が存亡の危機に立っている」などという訳ではない。そのくらいの変化は、我々の先祖はとっくに経験済みで、問題なく対処してきた。
 
論点を全て読み感じたことは、過去を確実に再現した予想モデルでなければ意味をなさず、特に不確実性の高い気候変動の分野においては、評価モデル次第でいかようにも将来の予想は変わる。
 
裏を返せば、導きたい答えに合わて作ることだって出来てしまう世界でもあるということ(IPCC報告書がそうであるという意味ではない)。
 
どうかで聞いたことと思えば、これは日本の第6次エネルギー基本計画案策定の際にあった「太陽光のコストが初めて原子力を下回った」試算モデルがまさにこれであり(太陽光を安くするために有利な条件をセット)、さらに言えば基本計画自体が「野心的=不確実性が高い」ものであることは周知の事実であります。
 
このIPCC報告書については、杉山氏のみならず、国内外の有識者、科学者が異論を唱えてもいることから、改めて全て鵜呑みにすることはせず参考程度に捉えておきたいと思いますが、こうした将来予想に連なって締結される国際協定、脱炭素化の世界の潮流、そしてその中で2050カーボンニュートラルを目指す日本という現実。
 
冒頭の大きなスケールに照らせば、太陽系の惑星のひとつに過ぎない地球号、太陽の影響に比べれば、この地球上に住む人類の力など無力に近いものだとすれば、同じく地球上にあり続ける炭素を躍起になってゼロにする必要なんてあるのか、しかも今後、国民や企業に巨額の経済負担を強いてまで行うべきことかと考えてしまいます。
 
「じゃあ指を咥えて何もしないのか!」と叱られるかもしれませんが、ここは受け止めのひとつとして、出来る範囲でやれば良いのではと、感じたことに感じたことに関してはお許しいただきたく。
 
本日は、自身の勉強のような内容となり失礼しましたが、これまたスケール大きく言わせていただくと、同じ地球上に生きる皆さんに少しお知りいただきたかったことでもあり、長文、駄文をお許しいただきたく存じます。
 
最後に論点掲載しましたキャノングローバル戦略研究所主幹研究員の杉山大志氏の投稿をリンクいたしますので、関心のある方はさらにお読み取りいただければ幸いです。
 →→→ご紹介した杉山大志氏の「論点」はこちらから

気候変動について考える(前編)

エネルギー ブログ

8日に所信表明を行った岸田首相。
 
所信表明に対する与野党それぞれの見方は既に新聞報道等にあるところですが、期待した岸田政権を担う一部閣僚に対して早や懸念の声が挙がっているところ。
 
その矛先は山口環境大臣で、原子力発電を可能な限り低減、レジ袋有料化見直しには慎重など、前小泉大臣の考えを踏襲するかの発言に落胆するばかりか、「スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんと温暖化に対する実感を共有している」との認識に対しては、有識者から「新環境大臣は前任者と同じで科学音痴。中学高校の理科を理解していないと自白しているようなもので、それではまともな環境政策はできない」とまで揶揄されるなど、一難去ってまた一難。
 
仮に衆議院選挙で政権を維持し岸田政権が続いたとて、このまま環境大臣を留任させるようでは、理想論の前大臣への批判が相次いだよう、政権の「新たな火種」になることは間違いないでしょう。
 
そもそも、環境省の所管するのはエネルギーではなく環境問題であることからすれば、確立した脱炭素電源である原子力発電を「可能な限り低減させる」というのは、「原子力発電が環境的に好ましくない」と考えているから言っているのかどうか、深く突っ込んで伺ってみたいものです。
 
その環境問題に関して、山口大臣も当然熟読されているであろう「IPCC」の報告書。
 
正式には「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)第1作業部会報告書(自然科学的根拠)」(以下、AR6/WG1報告書)といい、少し前になりますが、今年の8月9日に公表されたもの。
 
気候変動分野において重要な政府間組織であるこのIPCCでは、2015年2月に開催された第41回総会において、第6次評価報告書(AR6)は第5次評価報告書(AR5)と同様、5~7年の間に作成すること、18ヶ月以内にすべての評価報告書(第1~第3作業部会報告書)を公表することなどが決定され、今回はその第1作業部会の自然科学根拠が示されたという位置付けになります。
 
ちなみに3作業部会の構成は以下の通り。
第1作業部会(WG1)- 自然科学的根拠
第2作業部会(WG2)- 影響・適応・脆弱性
第3作業部会(WG3)- 気候変動の緩和
 
AR6/WG1報告書の政策決定者向け要約(SPM)の承認、同報告書の本体等が受諾されたIPCC第54回総会及び同パネル第1作業部会第14回会合は、報告書各国政府の代表並びに世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)、気候変動枠組条約(UNFCCC)など国際機関等より300名以上が出席、日本からは外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、気象庁、環境省などから計21名が出席し、7月26日から8月6日にかけてオンラインで開催されました。
 
ここで承認された気候変動の自然科学的根拠に関する最新の科学的知見がまとめられた「政策決定者向け要約(SPM)の概要」(ヘッドライン・ステートメント)は、以下4つのカテゴリーごとに示され、
A. 気候の現状
B. 将来ありうる気候
C. リスク評価と地域適応のための気候情報
D. 将来の気候変動の抑制
 
例えば、
A.1では「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている。」
 
B.1では、「世界平均気温は、本報告書で考慮した全ての排出シナリオにおいて、少なくとも今世紀半ばまでは上昇を続ける。向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、地球温暖化は1.5°C及び 2°Cを超える。
 
D.1では「自然科学的見地から、人為的な地球温暖化を特定のレベルに制限するには、CO2の累積排出量を制限し、少なくともCO2正味ゼロ排出を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要がある。メタン排出の大幅な、迅速かつ持続的な削減は、エーロゾルによる汚染の 減少に伴う温暖化効果を抑制し、大気質も改善するだろう。」
など、脱炭素化による地球温暖化対策の必要性を謳う拠り所がここになっていると言えます。
 
詳細は、環境省ではなく気象庁HPに和訳版が掲載されていますので、以下リンクよりお読み取りください。
 →→→IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書(AR6)和訳版はこちらから
 
世界各国の関係者、科学者が示した報告書ですので、私なんぞが意見を述べる知識も術もない訳ですが、ひとつあるとすれば、この報告書を全て丸呑みして良いのかという疑問。
 
これに関しては、各分野より、こちらも有識者の方が異論を唱えたりもしている訳ですが、一方の考えを鵜呑みにしないという意味において、私の勉強も兼ね紹介できればと思います。
 
と、ここまで記載をしておきながら何ですが、その紹介をすると長くなってしまいますので、続きは明日にさせていただきます。
 
秋晴れが続いた敦賀の天気も、明日からは下り坂のようです。
 
既にやや風が強い朝となっておりますが、貴重な日曜日を有意義にお過ごしください。
 

【写真は昨朝の散歩で出会った風景。秋の雲、青空に映える野坂山。何とも胸の澄く景色が近くにあることに感謝です。】

首都圏「最大震度5強」の地震で露呈したこと

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ここ数日は青空広がる天気が続き、視覚的には大変気持ちが良いものの、昨日の敦賀の最高気温は28.9℃(13時55分)。
 
10月に入ってからはネクタイをしているため、余計に暑いと感じる訳ですが、とはいえ二十四節気の「寒露」を過ぎ、10月22日頃までの期間は、夜が長くなり、露が冷たく感じられる頃なのだそう。
 
確かに、日中は多少暑いものの空気が澄んだ秋晴れ、朝晩の冷え込みも気持ち良い程度で、夜は見上げるとクッキリ輝く月が見られるとあって、一年でも最も良い季節ではと思うところ。
 
こうして暦の節目節目で季節の移り変わりを感じること自体、日本固有のものかとも思いますが、快晴予報の今日一日も大切に過ごしていきたいと思います。
 
さて、天候の話しとは少し違いますが、この1週間は6日は青森県三八上北で、翌7日には埼玉県南部で最大震度5強の大きな地震が発生しました。
 
特に首都圏で発生した7日22時41分の地震は、8日時点の負傷者が1都4県で計43人に上り、うち4人が重傷。
 
鉄道や水道などのインフラに関しては、鉄道の運休により、主要駅には同日未明まで帰宅困難者があふれたほか、JR東日本では7日深夜以降、新幹線と在来線16路線で運休や遅れが生じ、計約36万8千人に影響。
 
水道に関して東京都内では、水道管23ヶ所で漏水被害が確認され、都水道局によると、水道管の損傷はなく、いずれも空気を抜くための弁からの漏れで、8日早朝までに修復したとのことですが、「この規模で一斉に漏水が起きたケースは過去になかったはず」(都担当者)との見解のもと原因究明を進めているとのこと。
 
それでも朝方までに全ての修理を完了させ、復旧したことは現場力の賜物だと思う訳ですが、ちなみに厚生労働省によると、東京都の水道管のうち、法律で定められた耐用年数である40年を超えているのは16.2%に上るとのことであり、都によると、今回の漏水の原因も経年劣化による不具合だった可能性があるとしています。
 
また、インフラ以外では、高層ビルやマンションではエレベーターの停止が相次ぎ、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、利用者の閉じ込め事案が28件発生したそう。
 
こちらは、28件という数字をどう見るかにもよるので事実としてあったに留めます。
 
今回の地震を受け、都市防災の専門家は、「首都圏の直下地震ではあまり注目されてこなかった長周期地震動が大きく生じ、インフラへの被害が生じた可能性がある」と分析したうえで、「首都直下地震を見据え、こうした建造物を点検し直し、各家庭でも家具を固定するなどの備えをしっかりとする必要がある」と訴えています。
 
先の鉄道インフラに戻ると、今回は新型コロナウイルスの影響や深夜の地震発生ということで、まだ乗客は少なかったほうですが、これが東日本大震災時のように昼間の活動時間中であったらと思うと、さらに影響は増大していたものと推測するに、「都市部の脆弱さ」はまだまだ改善に至っていないものと感じた次第です。
 
気象観測、予測技術は年々精度を高めており、降雨や降雪、台風などはある程度、心づもりをして備えることが出来ますが、地震だけはそういう訳にはいきません。
 
であるがために対策も難しい訳ですが、被害・影響を少しでも小さくするには、やはり家屋、インフラ設備を含めた耐震化などハード整備、次にバックアップ機能の整備や避難などソフト面ということになろうかと思います。
 
いつ起こるか分からないばかりでなく、どこで起こるか分からないのも地震。
 
至近の2つの地震も対岸の火事と思わず、ここ敦賀市にも置き換え考えておきたいと思います。
 

【耐震といえば敦賀市役所。来年1月からは、半世紀前に建設された現庁舎(写真手前)から免震構造を備えた新庁舎(奥)での運用となります。】

規制・ルール化することの効果と弊害

ブログ 政治

話題性が無い記事はあまり大きく取り上げられないのは、報道機関の常かと思いますが、代表例が新型コロナウイルス。
 
新型コロナに関しては、第5波拡大の際、「今日も全国では新規感染者◯千人、どこまで拡大するのでしょうか」と不安げな表情で括るキャスターの顔が日々流れていましたが、一気に減少した今はサラリと流れる程度。
 
しかも、あれほど人流抑制を主張していた有識者が「減少した理由が分からない」のでは、現実のデータから対策効果があったのか、なかったのか全くもって科学的に解明されていないことを露呈している訳であり、メディアはそこをもっと追及、掘り下げていくべきではないかと思うのですが、今や減少したことの理由など話題性がないのか。
 
結果して、菅前政権のコロナ感染対策は総辞職前に、数字上の効果を見せた訳ですが、これを肯定するような報道はしたくないからかとも勘繰ってしまいますが、いずれにしても、世論形成に大きな影響を及ぼす報道各機関には、厳に客観的で公平な取扱いをお願いしたいところです。
 
さて、本題は、この「データと対策効果」に関してですが、たまたまインターネット上で調べ物をしていると、埼玉県議会が令和3年2月定例会において「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を成立し、この10月1日から施行との記事がありました。
 
日本初のエスカレーター条例だそうで、既にお知り置きの方もいらっしゃるかもしれませんが、本条例第1条では「県、県民及び関係事業者の責務を明らかにするとともに、エスカレーターの利用者及び管理者の義務を定めることにより、エスカレーターの安全な利用を確保し、もって県民が安心して暮らす社会の実現に寄与することを目的とする」としています。
 
また、
◉利用者の義務(第5条)
立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない。
◉管理者の義務(第6条)
利用者に対し、立ち止まった状態でエスカレーターを利用すべきことを周知しなければならない。
※ 罰則規定はありません。
 
などを定めています。
 

【埼玉県が作成した啓蒙ポスター】
 
注視すべきは「第5条」、つまりは「エスカレーター上を歩くな」ということですが、調べてみると、日本エレベーター協会の報告では、2018~19年のエスカレーター事故は全国で1550件。
 
さらに、その内訳は、手摺を持っていなかったり、歩行中につまずいたりして転倒する「乗り方不良」が805件(51.9%)となっている訳ですが、この数字をどう考えるか。
 
エスカレーターで発生する事故のケースを想定してみると、例えば、「ながらスマホでの注意不足」や「手摺を持たない状態での急な停止」、「降り口で立ち止まられての衝突」、「ベビーカーなどの取り扱い不備」などが思いつく訳ですが、果たして歩行禁止でこうしたことがどれだけ防げるのか。
 
ちなみに、エスカレーター乗車時は、関西では左側、何故か関東は逆の右側を空けるのが慣習となっていて、理由は急いでいる人が先に歩いて昇り降りできるよう、言わば「追い越し車線」にしているということですが、現実問題として、歩行を禁ずることは、この「追い越し車線」の慣習を否定することになり、二列で輸送能力を上げた場合、急いでいる人の「イライラ感」で余計なトラブルや、それこそ事故が発生するのではないかと考えてしまいます(本来の機械の性能・保守を考えれば、偏りなく左右バランス良く乗車すべきとは思いますが)。
 
つまりは、歩くこと自体が問題なのではなく、乱暴に歩いたり、不注意であったりすることが危険なのであり、ましてや降り口での立ち止まりなどは、歩行禁止で二列になれば逃げ場がなくなり、さらに危険性が高まるのではないかとも考えてしまいますが、社会通念や慣習を取り払ってまで禁止する歩行禁止で果たしてどれだけ安全性が高まるのか。
 
残念ながら、条例化に至るまでの効果・数値の検証や発信された形跡までは調べきれませんでした。
 
また禁止行為の条例化による罰則規定まではなく、その効果のほどはまさに今後評価されるのであろうと考える訳ですが、いささか、何でも禁止ということに違和感を覚えた次第です。
 
ご検討され、意思をもって条例化されたこと自体を否定するものではありませんが、実態としてあるリスクに対し、何でもかんでも禁止・ルール化するのは簡単なことかもしれませんが、ルール化すること自体が目的になっては、世の中が不便になることに加え、本来の目的を見失い、結果、目的が達成できないだけではなく、逆に弊害としてのリスクを生み出しかねません。
 
コロナ感染対策と同様、実態としてあるデータを分析し、それを踏まえ講ずる対策の実効性を示し、住民の皆さんに理解されなければ、本当の意味でのリスク低減にはつながらないと考えますので、引き続きこうした事例も念頭に、規制化することの意味合いやルールメイキングの考え方について、自身も思考を巡らせていきたいと考えます。

連合定期大会にて初の女性会長を選出

ブログ 働く仲間とともに

ここ最近は晴天続きの敦賀でしたが、昨朝は曇り空。
 
天気予報でも雨マークまではなかったことから、定例の辻立ちを行うべく、労組役員とともに移動しているとポツポツ雨。
 
それでもこのポツポツはすぐに止み、青空も覗いてきたため、昇り旗を準備のうえ辻立ちを開始しましたが、10分もしないうちに今度は黒い雨雲が覆い、本格的な降雨。
 
辻立ちを始めて2年半で初の降雨中断の判断となりました。
 

【この後、雨雲が立ち込め中断。ですので、この写真は貴重なショットかも。】
 
せっかく始めたのに残念と思うところですが、ここは以前に学んだ松尾芭蕉のポジティブ精神。
 
350年前、「奥の細道」で名月をここ敦賀で見ることを楽しみに来たのに雨で見れなかった時に詠んだ「名月や北国日和定めなき」。
 
今日見れなかったけれども、自分の頭の中で想像する風景がある、次に見る楽しみが出来たと詠んだこの句は、超ポジティブな芭蕉さんを表すものと知り、以降、私も天気のことでは残念と思うことがなくなりました。
 
悔やんでもどうにもならない代表が「天気」ですが、世の中に山ほどある「どうにもならないこと」を悔やむより、こうして思考の切り替えひとつで「悔い」から「楽しみ」に変えることが出来る、即ち人生が豊かになることかと思いますので、こうした状況に遭遇した際は、是非この句を思い出していただければ嬉しく思います。
 
少し前置きが長くなりましたが、コロナや政治経済、エネルギーに外交防衛など、各分野で注視すべきことが多々ある状況ですが、昨日はそのひとつ、労働組合の組織内議員の立場として注視していた連合の定期大会が開催されました。
 
大会は、東京都内のホテルで開催され、3期6年務めた神津里季生会長の後任に「ものづくり産業労働組合(JAM)」副会長の芳野友子氏を選出。
 
女性が会長に就くのは初めてで、事務局長には日本教職員組合(日教組)委員長の清水秀行氏が選ばれました。
 
芳野新会長は、「私自身がトップとしてふさわしいかどうかということもあるが、ガラスの天井を突き破るチャンスを逃してはならないと思い、覚悟した」と述べ、初の女性会長として、新たな視点も盛り込んだ運動を展開されることを期待するところ。
 
そのうえで、まず最初に手腕が試されるのが次期衆議院選挙かと思いますが、既にご承知置きの通り、連合はこの衆議院選挙で、個別に政策協定を交わした立憲民主党と国民民主党を支援することとしていますが、立憲民主党が政権交代を実現した場合に、共産党から閣外協力を得ると合意したことが、組織内で波紋を呼んでいます。
 
先日も新聞報道にあったとして、ブログにも記載しましたが、立憲民主党の枝野代表は、あくまで「限定的な閣外からの協力」だと説明し、共産に法案の事前審査などには関与させない考えに対し、共産党の志位委員長は「共産党は『閣外協力』で支える」と訴え、「わが党が提唱してきた野党連合政権の一つの形態だ」と高揚感を隠さないとあります。
 
志位委員長がこう主張する以上、衆議院選挙で立憲民主党を支援する連合は、歴史的に対立してきた共産党の理想実現に協力する形となることから、昨日の大会では退任前の相原事務局長(自動車総連)が、この野党共闘を巡り、「労働運動の世界で、私どもが長年共産党との関係は厳しく相いれないものと整理してきたことも改めて申し上げたい」と語り、立憲民主党側を牽制する場面もあったとのこと。
 
こうした動きや考えが、今後、地方連合を含めた組織内でどういった動きとなるのかについては、私が意見する立場にないのですが、さらに今後選挙が近づくにつれ、立憲民主党と共産党が共闘の名のもと、いかなる動きを見せるのか。
 
万が一、手を取り合って街宣でもするようなことがあれば、それを放置しておくことは、今度は職場組合員から連合に対する求心力にも影響するものと強く危惧するところです。
 
なお、重ね重ねとなりますが、母体の電力総連らが支持する「国民民主党」は、こうした野党連携に毅然と一線を画し、実直に「政策提言型の改革中道政党」を目指していますので、そこはひとつ「民主党」でごっちゃにせず、ご理解いただきたくお願いいたします。
 
いずれにしても、政策制度実現に向け、選挙、政治はもちろん大事ですが、働く者が集うナショナルセンターとして、組織が一体となって運動を継承していくことが極めて肝要と考えるところであり、こうした重みを感じつつ、運動に参画してきた一員として、また、今は推薦議員団のひとりとして、引き続き職場で汗して働く皆さんの声や思いを真摯に受け止め活動にあたっていきたいと思います。
 

【夕方通った「敦賀半島トンネル」付近からは、朝の降雨が嘘のように絶好の景色が広がっていました。これもまさに、「北国日和定めなき」かなと。】

成長に必要なことは「辛抱」と「高き目標」

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人を育てるには辛抱がいるとは良く言いますが、プロ野球の世界でもようやく期待に応えた選手が。
 
投手を含めた連続無安打のセ・リーグのワースト記録を更新中であった、阪神の佐藤輝明選手が5日のDeNA23回戦の1回にライト前タイムリーを放ち、記録を59打席でストップ。
 
途中、2軍での調整期間も経てとはなりますが、安打を放ったのは何と8月21日の中日13回戦以来とのこと。
 
ビッグルーキーとして開幕スタメンで登場して以降、序盤は大活躍、ルーキーらしからぬ堂々とした風体は、阪神ファンでなくとも打席を見てみたいと思わせる選手でしたが、ここ最近はさすがに自信なさげなスイングであったところ。
 
それだけに昨日のタイムリー後、一塁ベース上で見せた安堵の笑顔に、どこか私もホッとした次第。
 

【記録をストップするタイムリーを放った佐藤選手】
 
冒頭に「辛抱」と書きましたが、その言葉通り、結果が出ず「辛く」とも出場機会を与え続け、佐藤選手を「抱えた(見守った)」矢野監督の我慢と愛情には驚きました。
 
プロであるが故、結果至上主義のこの世界において、このルーキーの起用は異例と思われまずが、それも将来を見据えた期待の裏返しといったところでしょうか。
 
記録をストップし、重圧から解放された佐藤選手においては、この期待に応え、今後は是非とも賞賛される側の記録に挑戦する選手に育って欲しいと願うとともに、企業においても、結果が出てないとすぐに社員を見切るのではなく、成長に期待し、あたたかく見守る育成方法が必要だと、この事例からしみじみと感じた次第です。
 
なお、プロ野球記録は1964年の嵯峨選手(東映)の77打席だそう。
 
さすがに、ここまで辛抱できる監督はいないかも。。。
 
さて、野球続きとなりますが、こちらは海を渡り、米大リーグ・エンゼルスで大活躍の大谷翔平選手。
 
3日には既に最終戦を終え、メジャー4年目の今季は投打の「二刀流」で9勝、46本塁打を放ったほか、安打、打点、得点、投球回、奪三振でいずれも100の大台に達する史上初の快挙と歴史的な活躍を見せ、シーズンを終えました。
 
本塁打では、日本人初の本塁打王は逃したものの3位と健闘するなど、常識を覆した好成績で、例年11月に発表される記者投票によるシーズン最優秀選手(MVP)の最有力候補に挙がっており、受賞すれば日本勢では2001年マリナーズのイチロー以来となるそうで、日本国内でも期待の高まるところです。
 
投打二刀流の大谷選手の活躍は、これ以上申し述べる必要がないほど周知の事実な訳ですが、プレーと同様、高い評価を受けているのがその人間性。
 
実力もさることながら、若くしてブレることのない信念、これほどまでに親しまれる選手は、二刀流と同じく、唯一無二の存在ではないかと思う訳ですが、こうした選手に育ったのは、先ほどの指導者の辛抱とはまた別に「大谷翔平目標達成シート」にあるそう。
 
これは有名な話でもあるので、知っている方も多いかと思いますが、別名「マンダラチャート」と呼ばれる、大谷選手が花巻東高校1年生の時に作成した目的達成表のことで、高校時代の監督・佐々木洋氏からの教えにより作成したこのシートは、強い目標(夢)を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込んだものです。
 

【大谷選手の目標達成シート(手書きの原版をスポーツニッポンが書き直したもの)】
 
そして、大谷選手が中心に書いた夢は「8球団からのドラフト1位指名」でした。
 
大谷選手は目標達成シートを作成する際、なるべく具体的に、また少し高い目標を書き込むようにしたと話していて、ひとつの大きな目標を達成するために必要な要素を細分化し「叶えたいこと」への道のりを実践し、確立したことで今の活躍と人間性に到達したともいえるのだと思います。
 
このシートを知った際、私もエクセルで作ってみましたが、恥ずかしながら中心に書く「夢」が何なのかさえ悩んでしまう始末。
 
目標づくりに時間を掛けているようではいけませんが、それでも作らないよりマシとの考えのもと、その後も81マスを埋めるべく、思い浮かんだことを書き留めている次第です。
 
こうして考えると、一度にすべての要素をクリアしていくのは難しいものですが、具体性を高め、個別の目的を定めて取り組むことで、目標を見失わずに進むこと、見える化、仲間との共有化ができることは非常に有効な手段と考えます。
 
既にビジネスパーソンにも用いられている方法でもありますが、個々人のみならず、「まちづくり」についても作成してみると見えてくるものがあるのではと思った次第(総合計画や各種プランがこれに当たるのかとは思いますが)。
 
こうして大谷選手のような高みに行き着く方は一握りなのかもしれませんが、自分の目標に向かい、日々自己研鑽する姿勢こそ、人生をより良い充実したものにするものだと思い、私自身、早くシートを完成させて実践していきたいと思います。
 
本日は、気に掛けていた佐藤選手の話しから、やや取り止めのない話しとなりましたが、人生を豊かにするシートのご紹介も含め記載させていただきましたので、宜しければ皆さんにおかれてもご活用いただければ幸いに存じます。

岸田新内閣は「新時代共創内閣」と命名

ブログ 政治


【第100代首相に選出され祝福に応える自民党の岸田文雄総裁(ネット配信ニュースより)】
 
昨4日、自民党の岸田文雄総裁が衆参両院本会議の首相指名選挙で、節目となる第100代、64人目の首相に選出されました。
 
その後、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、公明党との連立による岸田内閣が発足。
 
首相は同日夜に記者会見に臨み、政権を「新時代共創内閣」と名付け、「私が目指すのは新しい資本主義の実現だ」と述べ、成長戦略とともに富の再分配を重視する考えを強調。
 
「新しい資本主義実現会議」を設置し、ポストコロナ時代の経済社会ビジョンを策定する考えを示しました。
 
一方、外交・安全保障政策では自由や人権など普遍的な価値を守るとともに、防衛力強化を図るとしたうえで、北朝鮮による拉致問題に関しては「北朝鮮の政治体制を考えるとトップとの会談が何よりも重要だ」と述べ、金正恩朝鮮労働党総書記との会談を目指す考えを示しました。
 
拉致被害者家族の高齢化などにより、一日も早い解決が望まれる問題だけに、ここは有言実行で是非実現いただきたいと期待するところです。
 
また同じく外交の分野に関しては、対中国に対しても「言いたいことは言っていく」とも述べられており、総裁選でも争点のひとつでもあったよう、ここは相手から見て「手強い」と思わせるよう、手腕を発揮いただきたいと思う次第です。
 
岸田内閣の顔ぶれも紹介されていますが、敦賀市にとって特に関係する省庁として、北陸新幹線関係では国土交通省、原子力・水素を含むエネルギー関係では、経済産業省や文部科学省(もんじゅ関連を所管)、環境省などとなりますが、こちらも新たに就任された大臣におかれましては、堅実かつ現実的な対応をお願いしたいと思います。
 
少なくともエネルギーに関しては、前KK大臣が再任されなかったことより、「夢物語」は排除されるため、今より悪くなることはないと推察しますが。。。
 
そして、注目される衆議院解散・総選挙について岸田首相は記者会見で、「可能な限り早い時期に総選挙を行う決意だ。10月14日に衆院を解散し、19日に公示、31日に総選挙を行う」と述べられました。
 
総裁選、新内閣発足に続き、これで一気に衆議院選挙モードとなる訳ですが、8日には新首相の所信表明演説、11~13日には衆参両院の代表質問が行なわれることとなっています。
 
「新時代共創内閣」とした岸田政権が目指す政治をご自身の言葉でどう話されるのか、これに対し野党各党代表がどういった視点、切り口で質問するのか。
 
「特技は人の話しを聞くこと」と公言する新首相ですので、ここで前政権の批判、ネガティブキャンペーンを張るようでは非常にもったいない。
 
野党には、是非とも提案型の姿勢を見せていただきたいと思いますし、この場でこそ、コロナ禍から脱し、日本の将来をどう舵取りしていくかスケールの大きい議論をしていただき、ここにひとつの選挙の争点を見い出していただくことを切に希望するものです。
 
昨日、今日と政治ごとが続き恐縮ですが、新政権誕生の節目の折、その点ご容赦いただくとともに、皆さまにおかれましても国政の動向に注視いただくことをお願いし、本日のブログを閉じさせていただきます。

健全な野党の存在なくして、政権交代など「あり得ない」

ブログ 政治

屋外行事を主催する側に立つ場合、最も心配するのが天気ですが、昨日はその心配が皆無の晴れ渡る空。
 
私の住む町内では、春と秋の年2回、住民の皆さんにご協力いただき、公園やゴミステーションなどの共有空間や家の周りなどの主に除草作業を行う「総出」を行っているのですが、昨日はその日。
 
こうした作業は他の地区では「奉仕作業」などとも呼んだり様々ですが、この「総出」、辞書で調べるとその字の如く「全員がそろって出る」こと。
 
コロナ禍前はそこまで意識していませんでしたが、ここ1年半の間、お祭りや敬老会などほぼ全ての町内行事を見送っていて、住民の皆さんが顔を合わす機会がめっきり少ないところ、「総出」で作業をしながら談笑されている姿を見るに、こうした場ひとつも大切なことだったのだと感じた次第です。
 
まさに「全員がそろって」参加いただいたこともあって、8時30分から始めた作業も暑くなる前までに終了し感謝。
 
集積したゴミ袋の分だけ、まちが綺麗になったということで、引き続き「安全・安心は、きれいなまちづくりから」をモットーにご理解とご協力をいただけますようお願いする次第であります。
 

【集積されたゴミ袋。ひばりヶ丘町民の皆さん、大変お疲れ様でした。】
 
話しは変わり、政治のほうは、本日4日に臨時国会を招集し、総理大臣指名選挙、8日には新しい総理大臣による所信表明演説を行うほか、10月14日までを会期とすることで与野党国対での合意がされているところ。
 
岸田新総裁誕生から組閣へと、何かと自民党のニュースが取り沙汰される一方、野党はと言えば、昨日の産経ニュースに以下のような記事がありました。
 
立憲民主党が、政権を奪った際に共産党と限定的な閣外協力を行うことで合意したことが波紋を広げている。立民側は最小限の影響にとどまるとして冷静を装うが、支持母体の連合では、共産との共闘を深化させることへの批判が強まっている。6日に開かれる連合の定期大会では、次期衆院選での立民との向き合い方をめぐり紛糾する可能性がある。
 
立民と共産、社民党、れいわ新選組の4党は9月8日、安全保障関連法の廃止を求めるグループ「市民連合」を介し、消費税減税を含む6項目の共通政策に合意した。立民の枝野幸男代表と共産の志位和夫委員長が同月30日の党首会談で合意したのは、この共通政策を実現する範囲での協力だ。
 
(中略)
 
枝野氏は会見で「閣外協力」との表現を好まず、「『限定的な閣外からの協力』の部分は略さずに報道していただければありがたい」と念押しもした。
 
対照的に共産の期待値は高い。志位氏は「党の99年の歴史でこうした合意を得て総選挙を戦うのは初めてのことだ」と歓迎し、今月3日のNHK番組では「私たちは閣外協力ということでやっていきたい」と語った。志位氏は立民との協力枠組みを「わが党が提唱してきた野党連合政権の一つの形態だ」とも語る。
 
共産が高揚感に包まれる裏側で、憤りを募らせているのが連合だ。
 
「これでも立民を支援するのか、という声が地方の連合会を中心に次々と上がってきている」
 
両党が閣外協力で合意した直後の1日、連合幹部はこう実情を明かした。連合は労働運動をめぐり、歴史的に共産と対立関係にある。立民が共産との関係を深めることへの反発が、事あるごとに表面化してきた。連合の神津里季生(りきお)会長も共産との閣外協力は「あり得ない」と繰り返し訴えている。
 
意味合いが変わらないよう、あまり切り抜きをせず記事掲載させていただきましたが、東京都議選の後、共産党との連携で議席数を伸ばしたことに、立憲民主党の安住淳国対委員長が「リアルパワー」(連合東京の支援を受けた国民民主党の結果を皮肉り)と発言したことを踏まえれば、枝野代表の言葉は詭弁であり、連合会長が「あり得ない」と訴えることは当然のことと、私も思うところであります。
 
加えて言えば、私の母体である電力総連らが支持する国民民主党は、この4党合意に加わらず、本日の首班指名でも「枝野幸男」ではなく「玉木雄一郎」と書くことで、きっぱりと袂を分かっています。
 
私自身は無所属でありますが、支持政党は?と問われれば、母体と同じ「国民民主党」と答える訳ですが、こちらは「対決より解決」をキャッチフレーズに、「政策提案型の改革中道政党」を目指すとするものであり、昨日ブログでも書きました“あり得ない”「再エネ100%」に加え、“あり得ない”「共産党との連携」、そして“あり得ない”と「連合会長」から批判される政党とは一線を画すものであることは、この機に私からも説明させていただきたく存じます。
 
臨時国会、そしてその後に続く衆議院選挙。
 
与党か野党かに留まらず、野党ならどの政党か。
 
総裁選で注目を集めたよう、政権争いはもちろん大事ですが、真っ当で健全な野党の存在無くして、政権交代可能な二大政党政治は“あり得ません”。
 
引き続き、各党の発言、動向には十分注視をしつつ、自分自身は“あり得ない”と言われないよう、健全で信頼される政治を目指し、活動にたっていきます。

夢物語、幻想の「再エネ100%」

エネルギー ブログ

9月定例会閉会後、最初の週末は快晴。
 
まずは滞っていた家のことをと、外では草むしり、中では書類の分別と、身の回りの整理を行いました。
 
当たり前のことながら、整理整頓をするというのは、気持ちの整理にもなるということで、心もスッキリ。
 
常にこのような状態にしたいものです。
 
そしてこの日、14時からは美浜町生涯学習センター「なびあす」で開催された「嶺南原子力フォーラム」に出席。
 
本フォーラムを主催する実行委員会・発起人代表は、山口治太郎前美浜町長で、敦賀、美浜、大飯、高浜の原子力発電所立地地域の議員を始め、関係者の皆さんにお声掛けされ開催されたとのことでした。
 
冒頭、山口前町長、先般、自民党国対委員長に就任された、地元選出の高木毅衆議院議員よりご挨拶があり、お二人の切り口はやや異なるものの、今後も日本には原子力発電が絶対に必要と、力強くお話しされました。
 
また、その後は、東京大学公共政策大学院特任教授の有馬純氏より、「カーボンニュートラルを巡る内外動向と原子力政策の課題」と題した基調講演を拝聴。
 
パリ協定の仕組みから始まり、世界各国の地球温暖化対策の状況、日本の2050年カーボンニュートラルや2030年CO2排出量46%削減(2013年比)の位置付けやコストの問題、そして第6次エネルギー基本計画案についてなど、多岐に亘る内容を要点を絞ってお話しいただき、改めて置かれている環境と自分の考えの正当性を確認することが出来ました。
 
こちらは、これまでのブログでも取り上げてきたことではありますが、とりわけ、
◉カーボンニュートラルを目指す欧米は「使える脱炭素オプションを総動員」していること
◉同じく、カーボンニュートラルを目指す国の中には原子力発電を将来に亘って活用する国の割合が高く、「脱原子力は国際的潮流ではない」こと
◉第6次エネルギー基本計画策定論議の過程であった、2050年カーボンニュートラルに向けた複数シナリオのうち、「再エネ100%」は、現状より電力コストが約4倍に跳ね上がるため「夢物語」であり(他のシナリオでは約2倍)、エネルギー安全保障の面からいっても「幻想」に過ぎないこと
◉脱炭素化に向けては、原子力の活用と新増設・リプレースが必要
◉原子力利用のためには、「核燃料サイクルと「最終処分」が不可欠であること
 
以上の点は事実に基づく内容であり、改めて認識を強めておきたいと思います。
 
また、まとめでは、
◉国内資源を有さず、海外との連携線を持たない日本は、脱炭素化のために持てるオプションは全て使うべきであり、国産技術である原子力の長期活用は、エネルギー安全保障、温暖化防止、経済効率の面で合理的な手段
◉「40年上限」の規制見直し、「原子力依存度の可能な限り低減」の方針見直し、原子力の新増設をオプションとして位置付けるべき
◉「原子力」か「再エネか」の不毛な二者択一論から脱却すべき
 ※原子力推進の方で再エネを否定する人は聞いたことがないが、再エネを推進する方は、ほぼ原子力を否定する
◉放射線廃棄物の最終処分は不可欠で、これまで原子力発電を利用してきた現代世代の責任
 
「エネルギーの議論を不健全にしている」二者択一論から脱却しなければとの言葉もあり、全くもって共感。
 
自分自身も決して「再エネ否定論者」ではなく、追求するのはあくまでも「現実的なエネルギーミックス」であることを理解いただかなくてはならないとも感じた次第。
 

【基調講演にて、ポイントを分かりやすく説明される有馬教授】
 
こうして基調講演も終わり、最後には、新増設・リプレースを含むエネルギー政策の修正を今後も求めていくこと、原子力立地の立場からも理解醸成など、最終処分の問題に関して取り組みを進めることなどを含むアピールが提案、拍手をもって採択の後、閉会となりました。
 
世界の潮流の話しを思えば、先日は、中国政府が環境対策として、石炭を主燃料とする火力発電所の抑制に動いたことが主な要因で、全国の約3分の2の地域で電力供給の制限が実施される異常事態となっていることや産業活動にも大きな影響が出ているとのニュースがありましたが、欧州では、冬の需要期を控え天然ガス価格が高騰し、消費者の生活や電力会社の経営を圧迫しているとのこと。
 
気候変動対策を強化する欧州諸国で脱炭素化が進む中、CO2排出量が比較的少ない天然ガスの需要が急速に拡大しましたが、主な供給元であるロシアが天然ガスの輸出を制限しているとの疑惑も広がっており、欧州は新型コロナウイルス禍から経済を回復させる計画が狂いかねない事態に直面しているとあります。
 
基調講演でもあったよう、多くの欧州諸国はCO2の排出量が多い石油や石炭から脱却する過程で、発電燃料を天然ガスに切り替え、風力発電などの再生可能エネルギーの活用を増やしている状況にあるものの、イギリスなどでは最近穏やかな天候が続き、風力発電が十分に機能せず、その不足分を補うために天然ガス発電で対応しており、その影響で9月に入り、価格が急騰。
 
新型コロナ対策の規制緩和により、電力使用料が増えたことも価格を押し上げる要因となったようです。
 
こうした状況は、対岸の火事ではなく、この日本でも、このままのエネルギー政策では起こり得ることでもあります。
 
そう思えば、カーボンニュートラルを目指し、「使える脱炭素オプションを総動員」する欧米でもこのような状況となるのに、主力化どころか2050年「再エネ100%」を目指すとする政策を打ち出した政党がありました。
 
第6次エネルギー基本計画策定論議の中でも、先に述べたコスト或いは安全保障の関係などから「論外」とされ、有馬教授の言葉を借りれば「夢物語」であり「幻想」の「再エネ100%」。
 
掲げるのは自由ですが、達成への道筋やS+3Eの同時達成をどう考えるのか、是非聞いてみたいものです。
 
この先行われる衆議院選挙において、この福井2区、とりわけ嶺南地域においては、エネルギー政策が大きな焦点になることから、立候補される方、所属政党の考えのどちらが現実的か、しっかり見極めていかねばなりません。
 
最後は横道に逸れましたが、昨日お聞きしたポイントを今一度念頭に置き、自身もエネルギー政策に対する国民理解の一助となるよう、微力ながら尽力していきたいと考えます。

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