2021年8月9日
2020東京オリンピック閉幕
8月9日。
今日は、広島に続き、76年目を迎える「長崎原爆の日」。
新型コロナウイルスの感染防止を図るため、昨年に続き参列者数を例年の1割程度に縮小し、10時45分から長崎市の平和公園で平和祈念式典が開催されます。
長崎の原爆投下の前日、8月8日には模擬爆弾がここ敦賀市にある東洋紡績の工場に投下されたとあって、その関係性から複雑な思いが募るもの。
広島と同じく、今日も黙祷に合わせ、長崎の地において犠牲になられた方へ鎮魂の祈りを捧げるとともに、恒久平和と核兵器廃絶を願う日にしたいと思います。
さて、こうした日を前に、17日間に亘り熱戦が繰り広げられたスポーツの祭典「東京オリンピック」が閉幕しました。
全ての競技を終え、日本は史上最多となる27個の金メダルを獲得し、3位に躍進するとともに、メダル総数(58個)も過去最多を記録するなど、文字通り「快進撃」と言えるものでした。
最終日の昨日、男子マラソンでは、出走106人中30人が途中棄権するという壮絶なレースの中、大迫傑選手が6位入賞。
この大迫選手に関しては、佐久長聖高で出場した高校駅伝から、名門早稲田大学に入学後は箱根駅伝での活躍、その後実業団を辞して単身でアメリカに渡り、中長距離界のカリスマ、ファラー選手などと肩を並べ、オレゴンプロジェクトで厳しい鍛錬をする様子をずっと見てきた私(instagramでのフォローですが)としては、「何かやってくれる」との期待を込め応援していましたが、2位集団との差16秒は最後まで埋まらず。
大迫選手だから「あきらめず何かやってくれる」と期待してしまった訳ですが、このオリンピックをラストランとし、現役引退をする覚悟を持って走り切った大迫選手がレース後語った言葉は「今日は100点」。
また、73位となった服部勇馬選手は、意識朦朧とした様子でゴール。
車椅子で運ばれる事態となりましたが、重度の熱中症であったとのこと。
支えてくれた方や同僚やライバル、そしてオリンピックに出られなかった選手のためにも絶対にゴールに辿り着くとの思いで走り切ったとの思いを述べた服部選手の走りからは、日の丸を背負うことの重さ、体力や技術を超越した凄まじき世界を感じた次第です。
このオリンピック期間を通じ、各競技で様々な成功と失敗、栄光と挫折、そうしたものを見てきましたが、結果がどちらであっても常に前を向くアスリート。
オリンピック開催前には、競泳女子の池江璃花子選手の「スポーツの力で日本を元気に!」との言葉を紹介しましたが、私自身がそうであるよう、日本全体がそうした気持ちに包まれた17日間であったと思います。
そして、外国メディアが「大きな金メダルがあるとすれば、大会をあたたかく支えてくれた日本のボランティア、関係者に掛けてあげたい」と語ったよう、まさに各国選手団からも称賛される「おもてなし」で支え、無事に大会を終えることが出来たのは、ボランティアの皆さんや警察や消防などを含むエッセンシャルワーカーの方々のお陰であり、心から感謝を申し上げます。
閉会した今日からは、東京オリンピックに対する様々な評価やコメントがされることとは思いますが、私自身としては、自国での先に述べたような大会が開催されたことを誇りに思うところであり、その思いを原動力に前に進むべしと考える次第です。
新型コロナウイルス感染拡大の収束は未だ見通せず、緊急事態宣言下にある「東京」に、205カ国・地域から約1万1千人もの選手が集い、「絆」が育まれました。
差別や貧困など、コロナ禍によって世界ではさらに分断が顕在化している中で、数々の制約を乗り越えて開催したことは、「コロナ禍で初めて世界をひとつにするイベント」であったことは間違いないことであり、後世に残すレガシーとも思うところ。
歴史を振り返れば、1964東京オリンピックの後、日本は敗戦から立ち上がり、高度成長で世界に冠たる国となりました。
2020東京オリンピックの後は、人類が経験したことのないコロナ感染という未曾有の事態からどう立ち上がっていくか。
そう思えば大事なのはここからであり、今日から気持ち新たにスタートしたいと思います。
改めてとなりますが、様々な声がある中、大会の準備から運営までを支えていただいた関係者の皆さん、世界中のアスリートの皆さん、本当にお疲れ様でした、そして沢山の感動をありがとうございました。
【2020東京オリンピック閉会。次はパリで!】