2期目最初の一般質問を終える

ブログ 敦賀市議会

昨日、2期目最初の一般質問を無事に終えました。
 
自分なりの評価として、提案したことはほぼ前向きに答弁いただけたのと、次世代革新炉、高レベル放射性廃棄物の最終処分、プログラミング教育などに関しては、米澤市長と考えを共有でき、充実した質問であったと受け止めています。
 
本日のブログは、その質疑の内容を文字起こししたものを掲載しました。
 
なお、現段階では、更質問・意見の全てまで書き加えることができていませんので、その点はご容赦願います。
 
以下、議事メモ的に記載します。
 
1.「GX実現に向けた基本方針」を踏まえた産業振興について
 

 
【発言趣旨】
環境対応の成否が、企業・国家の競争力に直結する時代(GX時代)に突入(令和3年12月16日 産業構造審議会 産業技術環境分科会 グリーントランスフォーメーション推進小委員会)とあるよう、金融機関においては「世界的なESG投資額の急増」により、全世界のESG投資の合計額は、2020 年に35.3兆ドルまで増加、産業界においては、サプライチェーン全体の脱炭素化とそれに伴う経営全体の変容(GX)が加速し、海外では、マイクロソフトやアップルは2030年までのカーボンニュートラルを表明する状況にあります。
こうした世界の潮流にあって、政府においては、本年2月10日の閣議にて「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針(以下、基本方針)」を決定し、今後10年間で、あらゆる産業分野へ150兆円超のGX投資を官民で実現していくため、国として、20兆円規模の大胆な先行投資支援を実行するとしています。
また、5月31日には「基本方針」に基づき、原子力利用に係る原則の明確化、安全確保を前提とした既設炉の最大限活用に向けた運転期間に係る規律の整備、円滑かつ着実な廃止措置の推進、再エネ導入に向けた系統整備や事業規律の強化等を盛り込んだ「GX脱炭素電源法案」が可決したところ。
こうしたなか、原子力発電を始めとする「エネルギーのまち」として、「カーボンゼロシティ宣言」を掲げ、北陸初の「脱炭素先行地域」にも指定された敦賀市として、成長分野への投資を含め、国の動向も見据えた産業振興に先んじて取り組んでいくことが、本市の付加価値を高め、さらなる発展につながると考え、以下質問いたします。
 
【質問事項】
(1)産業政策に対する基本スタンス
 
(質問1)従前の総合計画にも示されているとおり、基幹産業として原子力発電を置きつつ、産業構造を複軸化していくとの考えは、今後も踏襲していくとの考えで良いか伺う。
 
(答弁1)「共創会議」において、廃炉後も見据えた立地地域の将来像の基本方針が取りまとめられた。基本方針の中では、「産業の複線化の推進」が定められ、これまで本市が進めてきた産業政策の方針が全県的な方針として設定されている。今後も引き続き、「 原子力産業を基幹としつつ、原子力と新たなエネルギーのベストミックスを図りながら、産業構造の複軸化」を目指していく。
 
(質問2)2022年12月に脱炭素先行地域に選定された本市においては、「『敦賀市脱炭素マネジメントチーム』を結成し、省エネ要請等による需給調整や環境意識の高い事業者等への融資・補助一体型支援などにより、中心市街地全体へ脱炭素化の取組を波及拡大。」とあるよう、成長産業・GXに取り組む事業者を市として積極的に後押ししていくとの考えで良いか伺う。
 
(答弁2)まずは意識の啓発が重要。「敦賀市脱炭素マネジメントチーム」による脱炭素化に向けた啓蒙活動に加え、脱炭素化へ移行する上でどのような支援を望んでいるかなど、ご意見を伺っているところ。市内全体への広がりは最終的な目的。
 
(2)GXリーグ等に対応する企業への支援
 
(質問1)現在、政府においては「成長志向型カーボンプライシング構想」(炭素排出に値付けし、GX関連製品・事業の収益性、付加価値を向上させ、投資を促進)を掲げ、今年度から試行が開始された自主参加型のGXリーグにおける「排出量取引制度」を2026年度より本格稼働させるとしており、既に約700社が参画する状況にある。既にEUを始めとする諸外国においてはカーボンフリーによる企業経営に向かうところであるが、今後、日本においてもこうした取り組みに参入することで企業価値が高まる(市場の競争環境における条件)ものと考える。ついては、GXリーグ参加のみならず、先行投資支援やGXに先行して取り組む市内事業者をいかに増やしていくかがつまり、真に「ゼロカーボンシティ宣言」のもと取り組む姿と考えるが、市の認識を伺う。
 
(答弁1)市内企業の脱炭素への認識がまだ十分浸透していない状況の中で、GXリーグへの参加等、一足飛びに実施するのは難しいと考えている。マネジメントチームが中心となって、まずは商店街を始め、脱炭素にかかる市内企業への啓発活動に取り組む。
 
(質問2)実効性ある脱炭素先行地域としての取り組みにつなげるほか、話題性、企業誘致に対しても敦賀を選択する優位性を一層発揮できるなどの理由から、GXに取り組む企業を支援する制度(補助金或いは税軽減・減免措置等)を構築することで、インセンティブが付与される仕組みを市独自で創設してはと考えるが市の認識を伺う。
 
(答弁2)脱炭素化に向けた取り組みは必須となる可能性はある。一方で市内企業に関しては、今後の取引関係を見据えた脱炭素の重要性を認識するまでに至っていないのが現状であり、まずは意識啓発を行うとともに、必要とされる支援策の洗い出しを行っていく必要があると考えている。本市単独というよりは、マネジメントチームを構成する北陸電力や福井銀行だけでなく、福井県とも連携していく必要があると考えている。
 
(質問3)とりわけ、GX対応への遅れが懸念される中小企業が取り残されないよう、支援事業の拡充やより効果的な支援体制の構築、サプライチェーン全体での取り組み促進など、実効的な支援策により、市内全体の脱炭素化に向けた機運醸成など、底上げを図るべきと考えるがいかがか伺う。
 
(答弁3)エネルギー都市として発展してきた本市としては、中小企業のGX支援について、しっかりと検討していく必要があると考えている。まずは脱炭素へ向けた中小企業の気運情勢に取り組みたいと考えている。先行投資が企業の価値の高まりであることは同感。
 
(質問4)こうした技術開発や事業者にとって実効的な取り組みとするためには、商工会議所や「敦賀ものづくり産業懇話会」などとの一層の連携が極めて重要と考えるが、現在、脱炭素先行地域の取り組みを進める事業者以外の団体等との連携状況を伺う。
 
(答弁4)「敦賀ものづくり産業懇話会」は脱炭素の意識が比較的高い、製造業者で構成されている特徴があることから、過去には近畿経済整備局の方を招き、最新のカーボンニュートラル政策に関する勉強会を実施している。今年度も製造者が抱える課題など意見交換会を予定しており、脱炭素に向けて必要な課題についても議論していきたい。
 
(3)成長分野としてのエネルギー産業
 
(質問1)国のGX政策を進める意味において、脱炭素電源の割合を高めることが急務であり、その役割を担う原子力発電に対しては、(安価で安定した確率した脱炭素電源として)産業界からの切実な期待が寄せられていると認識するところ。市長におかれては、今定例会の提案理由説明の中で「(GX)基本方針等で示した取組を着実に実行していくことを強く望む」ほか、次世代革新炉に関しては、「建て替えに向けた道筋を示し、具体的な取組を強力に進めていただくことを期待する」としているが、ここでいう「具体的な取組」とは何を指すのかについて伺う。
 
(答弁1)次世代革新炉にかかる「規制上の要件」ですとか「事業者が次世代革新炉に取り組む上で必要となる環境整備について、早急に検討いただきたい」と考えている。例えば、革新軽水炉の定義が提示されていない中では、事業者が取り組むことが中々できないであろうとの認識で繰り返し申している。
 
(質問2)この点に関し、次世代革新炉開発の具現化に向けて必要なのは、「規制において求める基準の明確化」と民間事業者が予見性をもって開発に進むことができる「直接投資などを含めた事業環境の整備」にあると考える。ついては、政策実行権者である国に対し、こうした点をスピード感をもって示すよう、(全原協として)意見していただきたいと考えるが認識を伺う。
 
(答弁2)議員仰る通りである。次世代革新炉は国がやると言ったことなので、そこまで(定義付けや規制)国の方で明確にしないといけないということで申し上げている。
 
(質問3)原子力政策を進めるうえにおいて、国が全面に立って解決せねばならないのがバックエンドの問題だが、とりわけ高レベル放射性廃棄物の最終処分に関して、原子力立地自治体が果たすべき役割、今後取組んでいくべき事項についての考えを伺う。
 
(答弁3)高レベル放射性廃棄物の最終処分は、電力の供給を受けてきた国民全体で共有しないといけない課題であり、我々立地市町村も向き合わなければならないと考えている。立地市町村としても議論を深めていきたいと考えているが、国においても最終処分に関する基本方針で「政府の責任」で取り組むとの方針が示されているので、国においては覚悟をもって取り組んでいただかなくてはならない。今後、自分自身もこの問題について発言していくことになろうかと思うが、国に対して、原子力発電所の立地、立地以外の区別なく、国民的議論がちゃんとできる環境を共有していくよう求めていく。
 
(やまたけ更意見)原子力の再稼働、リプレースはバックエンド事業、中でも高レベル放射性廃棄物の最終処分地問題が解決しないと進まない、いわゆる原子力事業の両輪です。これまで、立地地域として十二分に国策に貢献しているからというのではなく、この課題に対して、原子力事業のパイオニア、全原協会長の自治体でもある敦賀市が先頭に立って真剣に考えていくことが必要と私は考えます。これは答弁を求めません。
 
(質問4) 成長産業に関し、「水素」は今後20兆円規模の市場になるとも言われている。本市においては、調和型水素社会形成計画のもと取組みを進めるところであるが、ハーモニアスポリス構想も含め、従前の考えのもと進めていくのか、今後の取組みに対する市の考えを伺う。
 
(答弁4)「共創会議」において水素を活用した新たなエネルギー政策が全県的に位置付けられた。引き続き、国や県、民間事業者と連携して「水素サプライチェーン」の構築に向けて取り組んでいく。
 
 
2.これからを支える「人への投資」について
 

 
【発言趣旨】
深刻な少子高齢化が進展するなか迎える「2040問題」の影響は、行政のみならず地域にも及ぶことに加え、社会全体として、あらゆる分野でのなり手不足が想定される一方、急速な成長を遂げるデジタル社会は、こうした構造的問題による負荷を軽減、解決する大きな糸口になると認識しています。
そのうえで、何事もそれを為すのは「人」であり、「地域づくりは人づくり」の考えのもと、これからを支える「人への投資」について、以下質問いたします。
 
【質問事項】
(1)地域人材
 
(質問1) 令和4年第4回定例会の自身の一般質問において、地域の課題を解決するため、市民、民間事業者、NPO等の様々な関係者の協力関係構築、さらに相互調整役を自治体が担うという意味の「プラットフォーム」構築と「プラットフォーム・ビルダー」育成の必要性を意見したが、当時の回答を踏まえた以降の対応状況、改めて本件に対する市の考えを伺う。
 
(答弁1)「プラットフォーム」の考え方は取り入れていこうと考えている。この考え方は、市民活動や地域活動だけではなく、福祉や農業分野等においても重要な考えであると認識している。検討状況については、先進地である生駒市の状況を調査しているが、引き続き、本市としての手法について研究していきたい。
 
(2)デジタル人材
 
(質問1) 自治体DXに加え、スマートエリアビジョンなどによる地域DX・クリエイティブな職種を誘致することで若年層雇用の創出を図るなどの取組みを進める本市において、これらを支える「人」に対する投資(育成)をどのように進めていくのかについて、行政・地域それぞれにおける考えを伺う。
 
(答弁1)令和4年度からは、より専門的な人材育成、一般職員の資質向上を図る取り組みを進めている。子ども達を含めたデジタル人材の育成は重要であり、先進事例を参考にしながら、今後、本市でのデジタル教育について検討していきたい。
 
(質問2) 次代を担う世代に対しては、市長も「プログラミング教育(or教室)」の必要性をお考えのことと思うが、今後どのように施策展開する見通しをお持ちか、ご所見を伺う。
 
(答弁2)一日やらないと、それだけ差がついていっている状況と思っている、なので、なるべく早くこれに関する施策を打っていきたいと考えている。本市のプログラミング教育は、県内他市町に比べて遅れていると認識しており、推進に向けては、行政支援のテコ入れが必要と考えている。
 
(3)雇用を支える人材
 
(質問1)新卒者の地元採用率向上を目的に、市外企業への雇用流出を防止する観点からも重要なのは、中高生に対し、地元企業が有する高い技術や技能、企業風土や歴史などをより知っていただく取組みであると考える。ついては、保護者を含めた、こうしたことへの理解向上に資する仕組みを市として構築してはいかがかと考えるが認識を伺う。
 
(答弁1)雇用を支える人材の確保は、市内の多くの企業が抱える課題と認識しており、市だけでなく、商工会議所などと連携しながら、新卒者の地元定着に向けた仕組みを考えていく。
 
(質問2)研究、開発やものづくりの基盤を支える高度人材の育成を推進するため、社会人の学び直し(リスキリング)について検討を進めてはと考えるが、市の現状の認識を伺う。
 
(答弁2)人材不足が顕著化している本市にとって有益なことなのか、まずは見極める必要があると考えている。一方で、企業内のデジタル人材が増えることで業務の効率化が図られ、人材不足の解消につながることも考えられる。また、ITなどの企業誘致に向けては、高度人材の育成は大変重要なことだと考えている。国や県の施策が具体化するのはこれからなので、まずはその状況を見ながら、本市においてどのようなことができるかを考えていく。
 
最後になりますが、議員であり、一人の政治家として常に胸に置いているのは「国家の役割」。つまりは、「国を守る」、「業を興し、民をゆたかに」、そして「人づくり」です。今回は、二つ目の「業を興し、民をゆたかに」、三つ目の「地域づくりは人づくり」に関して質問させていただきました。今後も20年後、30年後、50年後の敦賀の持続的発展を考え、意見してまいりたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
 
それでは、これで私の2期目初の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
 
以上