誤情報の拡散を防げ! ー電気事業連合会が特設サイトを設置ー

ブログ 原子力

能登半島地震発生以降、交流サイト(SNS)上では、北陸電力の志賀原子力発電所に関する古い情報や不正確な情報を基に不安をあおるような発信が散見されていることは以前に述べたところ。
 
これに対し、北陸電力自身がホームページ(以下、HP)などを通じ、きめ細やかにかつ分かりやすい形で「正確な」情報を発信してきていますが、この度、客観的かつ正確な情報発信を行おうと、電気事業連合会(以下、電事連)がHP内に特設サイトを立ち上げました。
 
志賀原子力発電所を中心に被災情報が随時更新されるなか、原子力発電所の安全性に対する誤った情報発信が広がることを防ぐとしており、正確な状況を北陸電力などから聞き取り、精査した上で特設サイトで11日日から公表しています。
 

 
電事連の特設サイトは、以下リンクよりご覧ください。
 
→電事連 特設サイト「能登半島地震による各原子力発電所への影響について」はこちら
 
特設サイトでは、「令和6年能登半島地震により最大震度7(志賀町)を記録しましたが、原子力発電所の安全性は維持されています。」との前書きがあった上で、志賀原子力発電所などの状況や原子力発電所の耐震性に関する説明に加え、ご質問に答える形のQ&Aコーナーの構成となっています。
 
例えば、能登半島地震において、志賀原子力発電所では1号原子炉建屋地下2階で最大値399ガルの揺れを観測しましたが、設計上は600ガルの揺れに耐えられる耐震性を備えており、安全性が確保されていること。
※志賀2号は、1,000ガルにて新規制基準適合性審査中
 
また、ハウスメーカー等の耐震性の値(約5,000ガル等)やK-NETの観測値(石川県志賀町富来2,828ガル)に比べ、なぜ志賀原子力発電所で確認された地震記録(原子炉建屋地下2階 399.3ガル)は低いのか?との問いに対しては、一般住宅と原子力発電所を単純に比較することはできず、原子力発電所が設置されている固い岩盤に対して(下図B)、一般住宅やK-NETの強震計が設置されている通常の地盤(下図A)では、地震による揺れが大きく増幅されているためと説明しています。

出典:日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」
 
さらに、津波に関しては、能登半島地震により「志賀原子力発電所に高さ約3mの津波が襲来した」との情報があるので不安との問いに対し、発電所の前面海域(防波堤と物揚場の間)の海底に設置していた波高計のデータを分析した結果,約3m上昇と約1.3m下降していたことを確認していますが、発電所の敷地は標高11mにあり、さらに高さ4mの防潮堤、防潮壁を構築(標高15m)していることから、施設への影響はないと回答。
 
それでもX(旧Twitter)上では、「北陸電力や電事連は信用できない」、「自分たちに都合の良い説明をしている」とのコメントが目につくのが悲しいところですが、大抵の方はこちらのサイトをご覧いただければご理解いただけるのではないかと思う次第です。
 
ただでさえ情報があふれる昨今。
 
知らぬ間に誤情報や偽情報の流布に流されてしまうことがあろうかと思いますが、科学は嘘をつきません。
 
故石原慎太郎氏の「科学が風評に負けることは国辱だ」にあるよう、自分の中で真実をしっかり掴みつつ、今後も正しき情報の発信に務めてまいります。
 

【昨朝は名子での辻立ち。阪神淡路大震災で被災された方々のご冥福をお祈りするとともに、「がんばろう北陸」を呼び掛けました。】