行政視察にて「議会業務継続計画」を調査

ブログ 敦賀市議会

「3年ぶり」の枕詞のもと、様々な行事やイベントが再開されるところですが、敦賀市議会においても久方ぶりの行政視察を実施。
 
昨今多発する大規模災害や新型コロナウイルス感染のような、市民の生命、身体、財産に被害を及ぼす事象が発生した際、二元代表制のもと、議会においても、平時に必要とされる議事機関としての議案の審議及び審査を行うこと、市長等の事務執行(予算など)について監視し、政策の効果を適切に評価することなどの機能を維持せねばならないことから、このような非常事態においても責務を果たすために必要な議会・議員の役割を定める「業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」の必要性が増しているところ。
 
敦賀市議会においては以前に議長より、「業務継続計画(以下、BCP)」策定に向けた検討依頼があったことを受け、自身も所属する議会運営委員会にて協議してきた訳ですが、先進的に取り組まれている他市町の事例も比較したうえで、先進的に取り組む大阪府堺市と岡山県倉敷市それぞれの議会に調査を行うべく、昨日より視察に出掛けているところです。
 
昨日訪れた堺市は、平成18年4月に全国で15番目の政令都市に移行した、人口約81万7千人、世帯数約36万7千世帯の敦賀とは比較にならない大きさであるものの、議会BCPの策定は平成30年4月と早く、これまで同年12月と令和3年2月と2度の改訂まで行ってきているもの。
 
行政視察では、堺市議会議会事務局の課長さん始め、主に3名の職員さんに対応いただき、堺市議会BCP自体の詳細内容、策定経過、さらには事前に準備した質問事項について大変丁寧な説明を頂戴しました。
 
BCP自体は、対象とする災害、災害発生時の議員の活動原則、対策会議の設置や災害時の初動対応から議会運営までを詳細に取り決めており、計画に記載できない部分は「対応マニュアル」に展開するなど、文言の背景にある考え方などについても理解することができました。
 
また、策定経過に関しては、元々「議会力向上会議」があり、既に策定していた「議会基本条例」(敦賀市議会においても制定済み)の検証を平成28年に行った中で「大規模震災時の発災時において継続して担う議会の役割及び職務」を明記する旨、見直しを行うとの方向が出され、ここで「議会BCP」についても検討していくことになったとのこと。
 
その後、約1年を掛けての検討の結果、平成30年3月26日に策定、4月1日から施行するに至ったとのことであり、議会自ら検証、発動したうえで、丁寧に検討がされたものと認識したところです。
 

【堺市議会事務局(右)より説明を聞く、正副議長並びに議会運営委員会委員】
 
説明をいただいた後も、私を含む各委員より積極的に質問がされ、より理解を深めた訳ですが、やはりこうして対面でお話しをすることによって得られるものは大きいものと感じた次第です。
 
調査を終えた後は、先方のご配慮により、議場で集合写真まで撮影いただき、堺市役所を後にしました。
 
本日は、もう一箇所の倉敷市議会にお伺いしますが、ここでもしっかりと学び、今年度末を目標とする敦賀市議会の策定につなげたいと思います。
 
なお、本日敦賀では同時並行的に「出前議会報告会」を行うこととしており、午前中は10時から「ちえなみき」で子育てファミリー世代に対して、視察から敦賀に戻った後、18時からは西公民館にて敦賀市区長連合会の皆様にご報告・意見交換を行うこととしています。
 
こうして市内各団体に足を運んでの報告会は「3年ぶり」ではなく「初」になろうかと思いますが、新たな取り組みで得られることを楽しみに、夜までしっかりと活動にあたる一日にしたいと思います。
 
(おまけ)

【堺市役所高層棟21階から見た「仁徳天皇陵」(中央)。世界最大級の墳墓は、当地が誇る歴史でありシンボルと認識した次第。】