英霊の思いに応えることとは

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昨日12日は、先の大戦にて敦賀市街が空襲された日(昭和20年7月12日)。
 
この日に合わせ開催されてきた「敦賀市戦没者追悼式」については、昨年に続き新型コロナの影響により中止となりましたが、市では、サイレンを合図に黙とうを捧げることをホームページなどで呼び掛けており、私も静かに哀悼の意を捧げました。
 
ここ敦賀は、日本海側で最も早く空襲の戦禍にあった街であり、計3回の空襲により225柱の尊い命が失われたことや戦没者戦災死没者1,764柱のお御霊が眠られています。
 
戦後75年を経て国民の8割が戦争を知らない世代となる中、次世代に伝える活動をされている団体にお任せするのではなく、改めて戦争と平和を考え、継承していくことが大事なことと思うところです。
 

【一昨年の敦賀市戦没者戦没者追悼式の様子】
 
一昨年の追悼式に参列した際、遺族会代表の方が式辞で述べられた言葉にはこうあります。
 
「国を思い、尊い命を失った英霊のもとに今の私達が存在し、この国と我が故郷敦賀の発展に尽力することが、英霊の思いに応えること」
 
今一度、先人の思いを受け継ぐ現役世代の一人としてこの言葉を深く胸に刻み、その思いに応え、次代に継承していくために成すべきことに邁進していく所存です。
 
さて、先人が守り抜いた国家レベルで失ってはならないことのひとつ「領土」の視点で周囲を見渡すと、やはり中国の存在、横暴ぶりが目にあまります。
 
尖閣諸島の実効支配化を狙うかのような度重なる領海侵犯は今なお続いている訳ですが、中国外務省の趙立堅報道官は12日の記者会見で、国連海洋法条約に基づき仲裁裁判所が南シナ海のほぼ全域の主権を訴えた中国の主張を退けてから5年となるのを前にブリンケン米国務長官が声明を発表したことに対し、「南シナ海の領土主権と海上権益の争いを下心を持って引き起こし、地域国間の関係を挑発し、地域の平和や安定を破壊する極めて無責任なものだ」と反発したうえで、5年前と同じ「紙くず」との言葉を用い、「違法、無効な紙くずだ。中国は受け入れない」と非難したとのこと。
 
経済水域のみのらず、軍事的に見ても極めて重要な南シナ海を巡っては、既に中国の横暴無尽ぶりが目立つところにあって、こうした国際ルールを無視、自分勝手な主張を繰り返していることは許されることでないことから、やはり周辺国のみならず国際監視を強めるほか、日本は毅然とした態度で対応すべきと強く思うところです。
 
また、もうひとつは「民主主義」。
 
香港当局が5月に改正した条例により、地方議会にあたる区議会議員に対し、政府への忠誠を宣誓することを義務付け、今月中にも宣誓が行われるとのことで、従わなければ「愛国者ではない」と認定され、議員資格が剝奪されるだけではなく、昨年1月から今年6月までの給与や手当の全額返済も求められるという、とんでもない内容となっています。
 
これに対し、2019年の区議会選挙で当局を批判して当選した約390人(区議会議席は479人)の民主派議員の中には、強引に忠誠を誓わされることに抵抗を感じる人が多く、相次いで辞職を表明。
 
その数、170人以上になるとのことであり、今後はさらに増え、過半数に達するともなれば、立法会(議会)だけでなく、区議会でも親中派が主導権を握る可能性が出てきたとのことで、「民主主義」が脅かされる極めて憂慮すべき事態と受け止めるところであります。
 
ふたつの出来事に台湾情勢を加え、力尽くしでひれ伏せるのが正義と言わんばかりの横暴は、これまた許されざるべきもの。
 
そして、隣国で起こっている事態は、決して他人事ではなく、前述の尖閣諸島然り、日本国内の土地買収など、中国が描く実効支配の「覇権地図」には、既に日本列島が含まれていると考えておくのが、国家的なリスク管理というもの。
 
冒頭の話しに戻しますと、「国を思い、尊い命を失った英霊」が守ってくれたものは何か。
 
私は、万世一系で続く2600年の歴史と侵略されたことのない我が領土、聖徳太子の「和を以って尊しと成す」から成る日本固有の民主主義は、必ずや守り抜くべきものと考えます。
 
日本を取り巻く安全保障環境は、中国のみならず、北朝鮮やロシアなどを含め、緊張感が増すばかりであります。
 
「話せば分かる」とお花畑にいるような感覚では、大切なものを奪われます。
 
英霊の覚悟を受け継ぐ私たちは、厳しい環境を認識し、今もこれからも現実的思考を持って、大切なものを守り抜かねばなりません。