東海第二は特重施設申請を許可。福島第一はALPS処理水海洋放出計画を規制委に申請。

ブログ 原子力

12月定例会は閉会したものの、何かと会議続きの昨日は敦賀市議会の広報広聴委員会。
 
と言っても委員長を努める私自身が招集している訳でありますが、委員会では、いずれも年明けに開催を予定しているオンライン放映による「令和3年度議会報告会」ならびにコロナの感染状況を見ながら、現時点では学校に訪問する予定としている「高校生との意見交換会」について、その内容や進め方などの詳細を協議した次第。
 
8名で構成される本委員会ですが、女性議員と男性議員がちょうど4名づつという、おそらく県下でもないであろうジェンダーバランス(男女比のバランス)の取れた形となっているためか、毎回、細やかな点に至るまで活発な協議が行われているものであり、昨日も白熱した議論がされました。
 
委員会終了後、あるベテラン女性議員さんとお話しすると、随分以前(20年ほど前)は、極少数の女性議員に物言わせぬ雰囲気があったものの、それに比べ現在の敦賀市議会は、性別に関わらず公平に、自由闊達な意見ができる雰囲気があると仰っていました。
 
「男女平等参画社会の実現」とは良く言いますが、本来あるべき姿は、そうしたスローガンを意識せずとも皆が行動できる社会であると考えるため、私自身、労組役員時代から取り組んできたテーマであることも踏まえ、引き続き自ら率先して行動していきたいと考えます。
 
さて、こうして会議が続く毎日となっておりますが、常に念頭にあるのはエネルギー、とりわけ原子力発電のこと。
 
情報収集する中で、ここ最近もトピックス満載であり、22日には日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)が2019年9月24日に原子力規制員会に申請した「東海第二発電所の特定重大事故等対処施設の設置等に係る原子炉設置変更許可申請」について許可がされました。
 
この対策施設は、原子炉建屋に大型の航空機が衝突するといったテロ行為などが発生した際に、原子炉を冷却する操作などを離れた場所から行うためのもので、福島第一原子力発電所事故を踏まえて設置が義務づけられているもの。
 
今回、東海第二発電所では、特定重大事故等対処施設に係る基本方針や基本設計について許可を受けたこととなり、「沸騰水型」の原子力発電所としては初めてということになります。
 
日本原電は、東海第二発電所の更なる安全性・信頼性向上を目指し、今後、準備が整い次第、東海第二発電所の特定重大事故等対処施設に係る設計及び工事計画認可申請並びに保安規定変更認可申請を行い、これらの審査に真摯に対応するとともに、引き続き、新規制基準に基づく安全性向上対策工事を安全第一で進め、地域の皆さまへの説明を尽くしていくとしており、今後、着実に各工程を進められることを期待したいと思います。
 
また、以前より注視してきている福島第一原子力発電所の多核種除去設備(ALPS)処理水の海洋放出の件について。
 
これに関しては、東京電力ホールディングス(HD)が21日、ALPS処理水を処分する施設の計画を原子力規制委員会に申請したと発表しました。
 
政府が4月に示した基本方針のスケジュールに沿えば、2023年春にも海洋への放出を開始することになっており、規制委員会の認可を経て、22年6月頃に現地で設備の据え付け・組み立てに着手し、23年4月中旬頃の設備設置と使用前検査の完了を目指すとしています。
 
原子力規制委員会は22日の定例会合で、東京電力が審査を申請した福島第一原子力発電所の処理水海洋放出計画について、今後、週1回程度のペースで公開会合を開き、審査を進めることを確認し、本日24日に初会合を開くとのこと。
 
計画では、処理水を海水で薄め、含まれる放射性物質トリチウムの濃度を国の基準値の40分の1未満にして、海底トンネルを通して原発の沖合約1キロで放出するとしており、審査においては、処理水を海水で薄める方法、十分に薄められないなど異常が発生した際の放出停止方法、地震や津波対策などが論点となる模様。
 
申請は当初めざした今年9月頃から約3ヶ月遅れたものの、東電HDは23年春頃とする放出開始目標に変更はないとしており、今後は審査並びに工事を順調に進め、予定通りの海洋放出実施を期待するものであります。
 
こうして国内の原子力発電においては様々な動きがあるものの、足下の電力需給に目を移すと、今冬の極めて厳しい需給ひっ迫に加え、昨日行われた電力広域的運営推進機関の有識者会合では、2022年度夏季に複数エリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を下回る可能性があるとの見通しが示されたとのこと。
 
毎年叫ばれる需給ひっ迫から脱するための一番の方策は、確立した脱炭素電源である原子力発電のベースロード比率を高めることにあることは、誰が考えても明らかであることから、そうしたことも踏まえつつ、とにかく安全第一で着実に進むことを願うばかりです。
 
いま欧州で起きていることを反面教師とすれば、日本が選択すべき道も明らかであることから、この点はまた説明させていただきたく存じます。
 

【12月定例会初日に故障した本会議場空調機。そのピンチを救ったのはこの灯油ストーブたちでした。火力や原子力発電ではありませんが、やはりいざという時に役に立つのは実績のある器具であることを痛感。そして感謝です。】