敦賀きらめき温泉リラ・ポートに関する所管事務調査を行う

ブログ 敦賀市議会

「今までけがで出られない時もあったので、落ち込むことも含めていい1年だったと思う」
 
これは、10月下旬に帰国凱旋した大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が昨日、日本記者クラブで会見した際の言葉で、私が一番印象に残ったもの。
 
今やメジャーを代表する選手となった大谷選手の活躍は、紹介するのが野暮なくらいですが、投打の二刀流で、9勝、46本塁打、100打点、26盗塁の好成績を残し、日本時間19日朝に発表されるア・リーグ最優秀選手(MVP)の有力候補にまで挙がっています。
 
そんな大谷選手でも、調子の良し悪しで落ち込むことがあるようですが、「そう感じるのも試合に出れるからこそ」、「落ち込むということは、まだ伸び代があるということ」と考えをポジティブに切り替える姿、発言にはただただ勉強させられる次第です。
 
こうした思考回路と人間力、そして言葉の力を持つからこそ、日本でもアメリカでもファンから愛されるスーパースターなのだと思うところであり、私もこうした良い点を少しでも見習って、実践していきたいと思います(スターをめざしている訳ではありませんが)。
 
さて、話しは変わり、色んな意味で「落ち込んだ」といえば、敦賀きらめき温泉リラ・ポートの一連の経過でありますが、昨日はこれに関する産経建設常任委員会での所管事務調査を行いました。
 
この所管事務調査について、少し経緯をお話ししておきますと、令和2年の3月定例会で採択した「敦賀きらめき温泉リラ・ポートの指定管理に係る調査特別委員会(いわゆる百条委員会)調査報告書」では、今後の議会の対応について、「議会の監視権に基づき、敦賀きらめき温泉リラ・ポートの指定管理に係る調査特別委員会が解散したのちも、当調査報告書に記した事項について、常任委員会による所管事務調査又は、全員協議会等により、市の行政事務の改善や、その後の施設運営等の管理監督について監視を行う。」と位置付けており、これに基づき、対応を進めてきているもの。
 
産経建設常任委員会としては、市が令和4年4月とする運営再開に向けた指定管理者の公募、選定、運営開始までに至るまでの各段階にて、調査報告書にて指摘された事項が適切に対応されるとともに、再発防止対策としての改善がされているかについて確認を行うこととし、7月15日には、①指定管理者の募集に関する事項、②指定管理者の選定に関する事項、③管理運営業務の引継ぎの3点を調査項目に挙げ確認を行ったところであります。
 
そのうえで、10月26日に同委員会を開催し、次なる調査の項目と内容を決定、昨日15日の所管事務調査を行なったという流れとなります。
 
昨日の委員会では、冒頭、委員長としてこうした位置付けを改めてお伝えしたのち、早速調査に入り、以下3点について確認を行いました。
 
【調査項目】
敦賀きらめき温泉リラ・ポート及び敦賀市グラウンド・ゴルフ場の再開に向けた敦賀市の対応について(観光部)
(1)指定管理者候補者の選定・指定について
(2)運営再開までのスケジュールについて
(3)前指定管理者へ請求・回収するべき事項への対応について
 
(1)に関しては、既に指定管理者候補者選定委員会から市に対し、共同事業体「One team」が適切であるとする答申が出されているものの、ここでは、これに対する評価ではなく(議案の事前審査にあたる可能性があるためNG)、先の苦い経験を反映したうえで、候補者選定が適切なプロセスを経て行われたかに視点を置き調査するものであり、市の説明では、特に類似施設(温浴関係)の実績やとりわけ財務基盤がしっかりした事業体であることを経済学者や税理士を選定委員に加えたほか、各種財務諸表も全て確認し評価したこと、さらには選定委員会の開催実績や募集要項の内容など、「敦賀市指定管理者制度運用ガイドライン」に基づき対応している旨の説明がありました。
 
(2)に関しては、令和4年4月の運営再開に向け、今後は12月定例会に指定管理者指定の議案提出(併せて修繕に関わる補正予算議案も提出)、議決された後は、運営再開に向け準備を進めるとし、こちらはまさに前指定管理者が不在の中での運営再開となるため、市としては、一から管理運営を教え込む思いのもと、次期指定管理者とは緊密な連携を図りつつ進めていくとの説明がありました、
 
(3)に関しては、百条委員会の報告書でも不作為として挙げた以下3項目の請求・回収行為が現状どうなっているのか、整理の意味合いも含め確認。
 
①指定管理料返還金(浜名湖GGP分:10,619,956円、北陸南洋BS分(小規模修繕返納金):1,436,176円)
②回数券未利用相当分納付金(浜名湖GGP分:11,286,385円)
③次期指定管理者候補者選定委員会の選定費用に対する損害賠償請求(北陸南洋BS宛)
 
請求行為に関しては③を除き全て対応済み、今後の対応については、①②の浜名湖GGP分は、既に先方が破産手続き終了、法人の消滅と同時に請求すべき債権も消滅していることから、今年度中に不能欠損処理を予定していること、北陸南洋BSに対しては、引き続き請求を継続していくとの考えの説明がありました。
 
なお、③に関しては、指定管理者制度を運用するうえで起こり得るもの(指定管理期間中の指定解除)であることから、生じた費用に対する請求は行なっていない旨の考えが添えられました(市で行った第三者委員会による調査でも作為義務はないとの報告あり)。
 
質疑は省略しますが、以上が昨日の調査結果の概要となります。
 
冒頭にありました本調査の趣旨、「当調査報告書に記した事項について、市の行政事務の改善について監視」に照らせば、ここまで概ね適切且つ的確に行政事務が行われているものと受け止めるところでありますが、引き続き、本委員会に与えられた役割を全うすべく対応にあたっていきたいと考えます。
 
多くの市民が、長きに亘り運営再開を望むリラ・ポート。
 
「私、失敗しないので」
 
ドラマ「ドクターX」の大門美智子が放つ、この有名なセリフの本当の意味は、「失敗しても必ずリカバリーするから」だそう。
 
リラ・ポートの運営は既に二度失敗しており、リカバリーできるか否かのラストチャンスは、この手術(指定管理者選定)に掛かっていると言っても過言ではありません。
 
提案するのは行政、議決するのは議会。
 
私自身、決定権者としての重みをしかと認識し、最大限の注意を払い対応していく所存です。
 

【再開を静かに待つリラ・ポート】