地域ぐるみで進める部活動の地域移行

ブログ まちづくり

昨日、第207回臨時国会が召集され、衆院本会議では岸田首相の所信表明演説が行われました。
 
演説の中では、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大に備え、「最悪の事態を想定」して細心かつ慎重に対応する考えを強調したほか、外交・防衛政策においては基本方針「国家安全保障戦略」を概ね1年を掛けて改定すると表明、さらには憲法改正に向けた世論の喚起も訴えられました。
 
政府は既に、新型コロナウイルス対応の経済対策の裏付けとなる令和3年度補正予算案(補正予算として過去最大の35兆9895億円)を提出し、月内の早期成立をめざすとしており、衆議院選挙後初となるこの国会が、真に政策論戦の場となることを期待するところです。
 
さて、これと並行して開かれている各地方議会ですが、ここ敦賀市議会においては明日8日から3日間に掛けて一般質問が行われます。
 
私のほうは質問順9番目ということで、出番は2日目のお昼前後になろうかというところであり、昨日も質問を補完するための準備などをし過ごしたところ。
 
昨日のブログでは質問項目のうち「再生可能エネルギーと地域共生」について触れたことから、本日はもうひとつの項目「部活動の地域移行」について意図するところを述べておきたいと思います。
 
まず本件については、発言通告した翌日のブログで以下の通り趣旨を記載しています。
 
令和2年9月に文科省が「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」を策定し、「学校と地域が協働・融合」した部活動の具体的な実現方策とスケジュール(下表参照)を明示したうえで、令和5年度から休日の部活動を段階的に地域移行すべく取組みを進めているところ。
 
これを踏まえ福井県においては、地域移行に向けた国の実践研究として鯖江市と美浜町、敦賀市の3地域で実施するとともに、今後は、実践研究によって洗い出された課題等をモデル地域以外の市町とも共有し、県内各市町における部活動の段階的な地域移行につなげていく予定としていますが、現実問題として既に平日・休日の部活動の活動時間は削減されてきており、次代を担う生徒たちの思いや希望が置き去りとなることへの懸念、貴重な成長機会の提供が保障されない状況になりつつあることも重く認識するところであり、この改革が持つ意味の重要性を踏まえつつ、一部の教育機関や関係団体のみならず、高い市民力をもって、これを先進的に進めるべきとし質問するもの。

【学校の働き方改革を踏まえた部活動改革スケジュール(令和2年9月:文科省HPより抜粋)】
 
こうした趣旨のもと具体的には、文科省の「部活動改革」を受けての市の基本認識、同改革で具体的方策として示す①休日の部活動の段階的な地域移行、②合理的で効率的な部活動の推進に対する現在までの検討状況と今後の進め方、現在モデル地域として本市で実施している市内4校による吹奏楽部の状況をどう評価をし、これを踏まえた今後の展開をどのように計画しているのか、改革の結実に向け、地方自治体、学校関係者がどのように役割分担しているのかなどの現状認識を伺った後、本改革が広く市民に関わることを考えれば、市長のリーダーシップのもと、庁内はもとより関係団体等と横断的な推進体制を構築のもと、早期に移行スキームの整備を図り、先進的に取組むことを提案することとしています。
 
この課題は、中高を通じて部活動から学び成長した自身の経験から(殆どの方がそうではないかと思いますが)、現在の特に中学生世代が部活時間の短縮などにより行き場を失いつつあると危惧した以前から、地域全体で取り組むべきものと認識していたものであり、休日の地域移行に関しては、保護者の方や市内関係団体の皆さんはもとより、先に陸上競技にて「二州地区でモデルを作り、県内全域に拡大していきたい」との思いで設立した「TMMアカデミー」(敦賀市、美浜町、旧三方町の頭文字を取ったもの)、県内の文化部のモデルとして、市内の角鹿、気比、松陵、粟野の4中学の希望者で設立した「ジュニア吹奏楽団」にも伺い、実状をヒヤリングしてきたもの。
 
とりわけ、いずれもボトムアップの形で設立された「TMMアカデミー」、「ジュニア吹奏楽団」の方のお話しは、立ち上げたことによる効果はもちろんのこと、運営していくうえでの課題(支援体制や運営費用負担、施設利用補助など)も把握することができ、裏を返せばそうしたところに支援をしていけば、より多くの団体が子どもたちのためにと積極的に取り組んでいただける環境整備につなげられるものと受け止めた次第です。
 
なお、「子は地域の宝」と言いますが、関係者の皆さんからお話しを聞けば聞くほど、ここ敦賀には「子どもたちを地域ぐるみで育む土壌」があるのだと思います。
 
こうした経過や思いのもと、部活動の地域移行を地域一体となって進めることは、単に教職員の働き方改革や教育環境の整備に留まることなく、安心して子育てできる環境づくり、住みよいまちづくり、ひいては移住定住や人口減少対策にも通ずるもの考えるものであり、先の「良き土壌」がある敦賀市こそ率先して環境構築に向かうべきとの思いをもって、当日は建設的な場となるよう意見していきたいと思います。