2021年7月29日
台風シーズン本格化を前に「災害備蓄倉庫」を確認
ある先輩がよく言っていた「人生には三つの坂がある」との言葉。
その意味は、「上り坂、下り坂、そして、まさか」だと。
昨日の東京オリンピックは、その「まさか」で、男子バドミントンシングルスの1次リーグで、世界ランキング1位の桃田賢斗選手が敗れ、予選敗退するという波乱。
過去に色々とあった中で迎えた自国開催のオリンピックで、個人的に応援していただけに誠に残念ですが、大本命とて順当に勝ち進むということがいかに難しいかを思い知らされる次第です。
さて、オリンピック競技への影響がないかと心配していた台風8号ですが、やや発達をしながら北上、一時は東海から東北にかけて広く風速15メートル以上の強風域に巻き込みながら、東北を横断しながら西よりに進み、28日午後3時に秋田沖で温帯低気圧に変わりました。
この台風により大きな被害等は発生していないようで安堵するところですが、いよいよ8月以降は台風シーズン本格化。
29日午前9時の予想天気図を見てみると、「台風のたまご」と呼ばれる熱帯低気圧が、日本の東に加え、日本の南の海上にも発生する予想となっており、台風にまで発達するかはまだ分からないものの、来週以降は、これらの擾乱が日本付近に豪雨などの影響をもたらす可能性もあり、今一度、非常用品の確認やハザードマップの確認をしておく必要があろうかと思います。
そうした中、昨日は他の議員さんから以前にお声掛けいただいていた、災害備蓄倉庫内部を見学させていただきました。
この災害備蓄倉庫は、敦賀市防災会議が策定した「敦賀市地域防災計画」に定められるもので、昨日拝見したのは、本計画の資料9-1 「災害備蓄倉庫一覧」に示される7箇所のうち、呉竹町松島中央公園にある「第4防災備蓄倉庫」。
(参考:市内の災害備蓄倉庫)
第1&2:昭和浄水場敷地内、第3:松原小学校1階、第4:松島中央公園、第5:粟野公民館、第6:敦賀消防団器具置場、第7:中郷公民館
ちなみに、この「敦賀市地域防災計画」は昭和40年8月作成の後、令和3年3月分まで、数えてみると17回も修正がされていました。
全国で発生した過去の災害事例や法改正なども踏まえ、幾度となく修正が加えられていることは、災害の多さを物語っているともいえ、そうした背景のもと存在する計画であることを今一度認識したところです。
話しを戻し、この通称「松島備蓄倉庫」は、RC造平屋建で面積は197平方メートルと、市内の倉庫では最も大きいものとなります。
説明にお越しいただいた市の職員さんの案内のもと、倉庫の中に入ると、非常食や飲料、発電機やスコップ類まで、様々な種類の資機材が整然と棚に並んでいました。
【第4備蓄倉庫(松島中央公園)の外観←ちょうど呉竹町の福井銀行裏手にあります】
【倉庫内の様子】
【第4備蓄倉庫(松島中央公園)の備蓄レイアウト】
この松島を始め、他6箇所の倉庫は、先ほどの地域防災計画においては、「第6節 飲料水、食糧、生活必需品の確保計画」にて、「市は、災害発生時における市民の生活を守るため、飲料水、食糧、生活必需品等の備蓄・ 調達体制を確立する。」との方針のもと、個人備蓄の推進をしたうえで、市の備蓄として、災害時に物資の供給が円滑に行えるよう、市内各所に配置する防災備蓄倉庫にて最低限必要なものを分散備蓄すると定められています。
なお、備蓄物資の考え方としては、
(1)生命を維持するために最低限必要なものとするが、栄養や食事形態など要配慮者向けの備蓄にも配慮する →→ 毛布、水、食糧(主食)など
(2)生活を維持するために最低限必要なもの →→ 日用品、資機材など
備蓄目標は、罹災者に必要な水1日分、食糧1日分、物資3日分とする。
旨、定められており、これに沿った考えで、計7箇所の倉庫に備蓄されいることが良く分かりました。
なお、職員さんの説明によれば、想定する災害クラスとしては、阪神淡路大震災級で、避難者11,500人、罹災者38,200人想定としていることや、この松島の倉庫に関しては、笙の川が近いこともあり、浸水対策として食料品や衛生用品は低い位置に置かないことや、湿気対策として食料品は壁側に置かないなどの配慮をしているとのことでした。
当然、大規模災害が発生した場合、これだけで足りるのかとの疑問もある訳ですが、計画にも定めているよう、必要物資調達体制として食料や衣料など関係業界団体等との協定締結、さらには近隣自治体との連携のもと対応されるとしており、やはり個人個人でも地域でも、そして自治体においても、こうした際にはお互いに助け合う考えがベースにあるものと認識した次第です。
百聞は一見に如かずと言いますが、まさに昨日はそのことを痛感しました。
もちろん、こうした備蓄物資を使う機会がないに越したことはありませんが、「まさか」に備え万全の備えをしておくことは大変重要なこと。
本格的な台風シーズン到来に合わせ、普段見れない部分を皆さんにご紹介するとともに、いつ襲ってくるか分からない「まさか」を念頭に、「備えあれば憂いなし」の考えを共有できれば幸いに存じます。