2022年5月22日
コロナ禍を乗り越え、つなぐ「地域の宝」
ここ最近は、300人前後で推移している福井県内の新型コロナウイルス新規感染者ですが、一昨日にはマスクの着用について政府の考え方が公表されました。
それによると、基本的な感染対策としての着用の位置づけは変更しないとしたうえで、2メートル以上を目安に、周りの人との距離が確保できる場面では、屋内で会話をする場合を除いて「着用の必要はない」とするほか、屋内で会話をする場合でも、十分な換気などの対策をとっていれば「外すこともできる」としています。
政府の公式見解が示されたことは歓迎するものの、現在の感染状況を見るに、正直「そうはいっても」という気持ちがある訳ですが、ここは基本的考え方を認識しつつ、熱中症などのリスクに応じ、自己判断していきたいと思います。
公表の際、後藤厚生労働大臣は記者団に「日常の経済活動や社会活動を正常化していくことと、基本的な感染対策としてのマスクの着用は両立し得る。今後とも感染状況などの変更によってマスクの着用やその他の対策についても、エビデンスベースで対応していく」と述べましたが、今回のように「エビデンスベース」で国民に説明していくことが非常に重要と考えることから、今後もその考えに沿った対応をお願いする次第です。
さて、そうした中、昨朝福井新聞を開くと、コロナ禍前に完全に戻ったかのような記事が飛び込んできました。
以前に開催決定と報じられていた北陸三大祭りの一つ「三国祭」が20日に中日を迎え、記事によれば、呼び物の人形山車(にんぎょうやま)7基が福井県坂井市三国町旧市街地を練り歩いたとあり、3年ぶりに当番区の山車が勢ぞろいし、港町は活気に満ちあふれたとのこと。
「山車を動かす男衆たちは熱気を帯び、ひき手の力強いかじ取りで路地を縫うように練り歩いた。曲がり角では大きな音を立て旋回。威勢良いかけ声や囃子方の子どもたちの太鼓の音は夜まで響き渡った。」との記事、そして掲載された写真からは、祭りのにぎわいや活気が伝わってきた訳ですが、新型コロナウイルスの影響で、2020年は人形山車展示のみ、21年は規模を大幅に縮小して静かに巡行するなど制限されたこの祭りをこうして復活させたことを契機に、県内の催事も徐々に再開されていくのではと感じた次第です。
ここ敦賀において注目されるのは、お盆時期の「とうろう流しと大花火大会」、9月初めの「敦賀まつり」になろうかと思いますが、一部、花火大会に関しては規模を縮小して開催する方向とも聞こえてくるところ。
「敦賀はどうするんや?」と聞かれることも次第に増えてきているところでありますが、私としましては、地元地域の皆さんを始め、各関係団体のご判断を尊重すべきと考えるところであり、「今暫しお待ちください」とお答えしているところです。
こうした「開催への期待」は、裏を返せば「地域行事の大切さ」を思う気持ちの表れと受け止める次第であり、コロナ禍の制限で一層、その気持ちを高めることになっているのかとも考える次第(ポジティブに考えればですが…)。
そのうえで、同じ港町敦賀には三国に負けない山車(やま)があります。
先日、「みなとつるが山車会館」にてその姿を拝見してきましたが、建物の中に保存されている山車は、どこか寂しげに映りました。
館内に掲示された写真や映像を見るに、やはり似合うのは、氣比神宮の大鳥居前に勇壮と並ぶ姿、子どもから大人まで元気の良い掛け声に合わせてひかれる姿。
元々、霊や疫神を町の外へ送り出そうとしたのが山車の祭りのはじまりだと考えられていますが、こうした意味を持ち、大切に保存されてきた山車は「地域の宝」。
このコロナ禍を乗り越え、「この宝」を継承していくことこそまさに、歴史をつなぎ、地域のコミュニティをつなぐことであり、私たち市民の役割だと改めて認識する次第です。
【山車会館で鑑賞した迫力ある山車。皆さんもぜひ足を運んでみてください。】
→→→遠方の方はこちらから、「山車会館」のホームページ」をご覧ください