オペラ「人道の桜」の感動と観光の本義

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課題に対する答えを模索していると不思議と出会うヒント。
昨日は、福井新聞朝刊「越山若水」の記事より頂戴しました。
 
福井県立大、進士五十八学長のコラムにおける「観光」に関する記事として、観光は、非日常性、異文化体験を求めてのはずが、時間刻みのツアーでは本来を目的を果たせないとして、観光の語源となった古代中国の古典「易経」にある「観国之光(国の光を見る)」を引用。
観光の本義は訪ねたその国、地方の光り輝いている宝を心から深く、観て感じることだと訴えていました。
 
そうした中、午後は福井テレビ開局50周年・敦賀港開港120周年を記念して杉原千畝物語 オペラ「人道の桜」を鑑賞しました。
 
「人として当たり前のことをしたまで」と国の命令に反き6,000人ものユダヤ難民に「命のビザ」を発給した杉原千畝氏。
ビザに救われ、遠くリトアニアからシベリア鉄道、船を乗り継ぎ、辿り着いたのが「敦賀の港」。
 
迫害から逃れ、敦賀市民に温かく迎え入れられたユダヤ難民の皆さんが、この地(日本)を「ヘブン(天国)」と称したことなどの実話を再現した「命と平和」の物語は、琴線に触れる感動を覚え、涙が止まりませんでした。
 
鑑賞を終え、会場の市民文化センターを出ると素晴らしい夕焼け雲。
駐車した金ヶ崎緑地を回り、新ムゼウムの建築現場まで足を運ぶと、オペラに出てきたシーンそのままの当時の状況が浮かんでくるようでした。
 

 
冒頭のヒントにあった「観光」の本義を思えば、敦賀の「光り輝く宝」は、やはり歴史と自然、そして「人道の港」のエピソードに表される「心」ではないかと思う次第。
 
改めて、我がまちを誇りに思いつつ、宝多き「敦賀」を心から探り、観て感じてもらえるよう取り組むことこそが、真の観光につながるものと確信する日となりました。