アラビア海のスーパーサイクロン「キャー」と気候変動

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「観測史上最大」「過去最大級」と耳にして思い浮かべるのは、日本では台風。
相次ぐ猛威を目の当たりにした日本人にとっては、あまり聞きたくない言葉でもあります。

この台風。
調べてみると東経180度より西の北西太平洋、南シナ海で日本の分類。
ハリケーンは北太平洋、カリブ海など西経180度より東の北太平洋東部、タイフーンは北太平洋西部、サイクロンはベンガル湾、北インド洋に存在する熱帯低気圧を指すとのこと。
例えば、東太平洋で発生したハリケーンが東経180度を跨ぐと台風になるということになります。

アラビア海に目を向けると、先週発生したサイクロンは、台風19号が発生した時点とほぼ同じ中心気圧915hPaの「観測史上最大級」のスーパーサイクロン。
そして何と、このサイクロンの名前は「キャー(Kyarr)」。

アラビア海に発生したスーパーサイクロン

「キャー」とは何ぞや?ということですが、ベンガル湾とアラビア海を起源とするサイクロンの名前は、インド、バングラデシュ、ミャンマーなど8か国が集まって作成した合計64の名前リストから発生順に名付けられるそうで、今回は「キャー」になったそう。
ミャンマー語で「トラ」の意味があるとのことです。

話しを元に戻すと、この相次ぐ「観測史上最大」の更新、つまり近年の自然発生事象の大型化の要因は、海水温度上昇によることが明らかになってきています。

因みにロスの山火事ではありませんが、北米の山火事の回数増加と大規模化の要因は、気温上昇と言われています。

つまり、気候変動がこのような自然事象とそれによる大規模災害をもたらしていることからすれば、我々に出来ることは何か。
先般参加したエネルギーフォーラムでの講師の言葉を借りれば、「今最も有効な温暖化対策のエネルギー源は、水力+原子力の組み合わせだ」とのこと。
私もそのことに全くもって異論はありません。

刻一刻と進む温暖化のスピードを緩めるため、大袈裟ではなく地球規模の将来と人類のためにも、今出来ることを速やかに判断し実行すべきと考える次第。