ならぬものはならぬ

ブログ 敦賀市議会

敦賀市議会は昨日、一般質問最終日を迎え、5名の議員が登壇。
 
ラストバッターの私も16時より、1時間15分掛けて(議員の持ち時間は30分)質問いたしました。
 
結果をご報告する前にまず、質問の後半、感情が昂ったとはいえ、演台を叩いてしまいました。
 
議場での行為としてあるまじき行為であり、答弁される理事者に対しても礼を欠く行為であるとともに、良識と節度ある敦賀市議会において許されざるものであったこと、ここに深く反省するとともに、心よりお詫び申し上げます。
 
今後は、こうしたことのなきよう、議会は言論の府であることを今一度認識のうえ注意してまいります。
 
質問に関しては、質疑の全てをまとめるに至っておりませんので、ポイントのみご報告いたします。
 
1.防災対策のPDCAについて
 
(1)総論
◉8月4日から6日に掛けた一連の対応について、敦賀市地域防災計画等に照らした市としての総括に関しては、既に庁内で会議の場を持ち、反映事項の抽出が行われている。
◉地域防災計画や各マニュアル類に反映するか否かも含め、現在進行形で進めている。事項があれば併せて伺う。
 
(2)迅速な初期対応と体制
※実効性をより向上させる観点から意見提起
◉敦賀市地域防災計画における「配備体制」は、危機管理官が基準に基づき、市長の指示に従い決定するとあり、今後は初動の迅速化を図る観点から、召集の条件に「記録的短時間大雨情報」を含めていく。
 
(3)避難情報と災害広報
◉8月5日の大雨では、8時50分に笙の川の水位が「はん濫危険水位」に到達し、「警戒レベル4相当情報(洪水)」が発表されたものの、浸水想定地区に対して「避難指示」は発令されていない。内閣府(防災担当)「避難情報に関するガイドライン」に基づき、詳細な気象情報等から、到達後の水位動向を予測し、今回は発令しない判断をした。
◉その対応については、ハザードマップや市のホームページ(避難情報)では読み取れないため、今後表記について検討する。
◉災害広報に関しては、PUSH型情報配信ツールである「トンボメール」(敦賀市防災メール)及び協定を締結している「yahoo!防災速報」アプリの現在の登録率向上に取組む。
 
2.子育て支援政策における基本理念について
 
(1)基本理念
◉「子育て環境日本一」を目指し取組みを進める本市として、行政が行う子育て支援施策を行ううえでの基本理念として、「誰ひとり取り残さない」との概念は含まれている。
 
(2)子育て生活応援事業費・・・本件に関しては、最後の市長答弁が、市の考えの全てを表していますので、私の発言部分を中心にご報告いたします。
 
◉「子育て生活応援事業費」(130,096千円)について
※「マイナンバーカードを取得している」0歳から2歳までの子どもを支給対象とし、自治体マイナポイント事業者と連携したポイントを「毎月」付与するというもの。支給額については、0歳児がひとりあたり月5万円、1歳児が月3万円、2歳児が2万円ということで、フルに支給された場合、総額子ども一人に対し「120万円相当」のポイントが得られるというもの。
 
◉予算決算常任委員会(全体会)での説明によれば、支援対象となるマイナンバーカードを取得する0〜2歳児の普及率を67%と想定しており、約3割が支給されないことを前提とした設計となっている。住民サービスの公平性を担保すべき行政が、しかも重点施策の子育て支援において、対象年齢世代間のみならず、同じ子育てをする他の世代との不公平や分断を生む状況を自らが作り出してしまう事業は実施すべきではないと考えるが、市の考えを伺う(とりわけ、不公平を生む制度設計について、どう考えるのかお答えいただきたい)との質問に対しては、従前の答弁。
 
◉予算決算常任委員会(全体会)の基本質疑において、支給を受けられない方に対し、福祉保健部長は「本人の意志による」と答弁された。また、今一般質問での山本貴美子議員の質問に対しては、「できるだけ多くの方に支援が届くよう」との言葉があったが、「すべての人に届くよう」との考えが全く伝わってこない。本来、この事業提案がなければ、このような議論を生まない。
 
◉市が事業実施の拠り所としている県のアンケートに関しては、別の同じく県のアンケートでは異なる回答となっており、実施したいことに都合の良いものを根拠づけたとしか思えない。ちなみに、令和4年度当初予算の歳入ベースで「学校給食費徴収金(163,877千円)」、令和3年度決算ベースでは151,643千円で今回の事業費にあと少し足せば「給食無料化」ができる。公共施設の利用無料、所得制限撤廃など、この財源を使ってできる「安心して産み、育てられると思ってもらえるような」施策はいくらでも考えられるし、市民誰から見ても説得性と納得性があり、子育て世代の環境構築につながると思うが、そういうことは考えなかったのか。
 
◉「何故そこまで急ぐのか」。カード交付率100%で今後3年間支給した場合の費用は19億5千万円と試算されており、一旦は財政調整基金まで切り崩すことまで考えたという、私からすると信じられない訳ですが、次年度以降の財源は「ふるさと納税」を充てるとあるが、財源確保の見通しと事業の持続性はセットであり、このような巨額の規模の事業が中期財政計画にも反映されぬまま、見切り発車で提案されたこと自体、問題と考える。
 
◉実際、私の質問で3年後の最終年度に支給対象になった子の支給を終えるまでに掛かる総額は「約24億円」であることも判明。市はこの事実をなぜ今まで説明しなかったのか。市のこうした姿勢に大いに憤りを感じます。
 
◉社会的影響の観点から伺う。子育て支援にマイナンバーカード取得を条件づけること自体、「カード普及のために子どもを使っている」と受け止められ兼ねず(現にそうした声を市内外から多数聞いている)、市民或いは社会からどう受け止められるのか想定はされなかったのか、庁内議論の経過を伺う。
 
◉予決全体会での基本質疑では異論は「全くなかった」との答弁であった。本当にそうなのであれば、市の関係者の認識が民意と相当乖離しているということを証明するものだが、改めて本当になかったのか。
 
方法論に傾注するあまり、「基本理念」を見失い、公平性を担保できなくなっている制度を正当化すること自体、本末顛倒。「基本理念」に徹底して拘りを持って考えれば、自ずとこう(この施策を選択)はならない。
 
◉最後の質問に入る前に本気で子育て施策に取り組み、成果を挙げている明石市のことを紹介する。令和4年6月7日に行われた参議院内閣委員会で参考人として招致された泉房穂明石市長は、「いわゆる経済的な施策としての負担軽減のための無料化もしているが、必要なのは、お金だけではなく、寄り添う、そういった施策も必要であり、この両方をしているのが明石市の特徴の認識」としたうえで、「無料化」については、明石市独自の五つの無料化と銘打ち、子育てに関わる施策の全て所得制限はなし、全ての子供ひとしく対応するのが特徴で、例えば、医療費については、十八歳まで完全無料。市外の病院も無料、薬代も無料。保育料は、二人目以降完全無料。三人目も四人目も、子供の年齢も関係ない。そんなせこい要件は課しません。おむつについては一歳まで無料で、家にもお届けします。給食費は中学校まで無料。遊び場も、親子ともみんな無料にしていっています。
 
◉特に「すべての子供ひとしく対応する」、「確実に子どもに届ける」というのが最大のポイント。「誰一人取り残さない子育て支援」に取り組む明石市と照らせば、敦賀市のやろうとしていることは真逆と考える。本事業は、いま、そして将来を含めた敦賀市のイメージや品格をも損なう恐れがあるレベルのものと考える。「子育て環境日本一」を謳う本市だからこそ申し上げるが、最後に本事業実施に対する市の考えを伺う。
 
(市長)私の考えとは違う。この事業が、一番有効な施策と考えている。
 
以上、本日は時間に追われ、雑駁な報告となっておりますことご容赦願います。
 
予算決算常任委員会での質疑、文教厚生分科会での議事にもすべて目を通したうえ臨んだ昨日の一般質問。
 
一般質問終了後には、議場傍聴及びテレビ視聴されていたから多くの「賛同」のメッセージを頂戴しました。
 
この中には、未婚の若い世代の方から「愚策」との表現で、反対する言葉もありました。
 
こうした民意に加え、昨日新たに確認した事実、答弁の言葉から掴み取った市の真意を整理のうえ、私自身、然るべき判断のもと対応してまいります。
 
最後に、今晩から一般質問の模様が嶺南ケーブルネットワーク議会チャンネルにて再放送されます。
 
お時間があれば是非、ご覧いただけますよう宜しくお願いいたします。
 

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