「敦賀ー高島連絡道路整備促進期成同盟会の設立」に関する全員協議会を開催

ブログ 敦賀市議会

福井県内では、40年を超える原子力発電所の運転に対する判断が注目される日々が続いていましたが、そうしている間も粛々と準備を整え、関西電力高浜発電所4号機が2021年4月15日に調整運転を開始、5月13日16時50分には総合負荷性能検査を終了し、本格運転を再開しました。
 
定格電気出力87万キロワットの電源が戦線復帰することは、厳しい夏季の電力需給に貢献するものであり、「うまくいって当たり前」とはいえ、ここまで安全第一に運転・保守にあたられた発電所関係者の皆さんに敬意と感謝を申し上げる次第です。
 
なお、「原子力がなくても問題ない」と認識されている方も多くいらっしゃるかと思いますが、昨冬の需給逼迫でも明らかとなったよう、停止した火力発電所の緊急稼働や電源車までをも接続するほか、各地域間の電力融通により、何とか需給を保った訳であり、そうした綱渡りの供給構造のもとに成り立っていることをお分かりいただきたく存じます。
 
さて、話しは変わり、昨日午前中は、敦賀市議会の全員協議会を開催し、「敦賀ー高島連絡道路整備促進期成同盟会の設立」について、所管する企画政策部からの説明の後、議員間協議により「議長を発起人とすること」について確認がされました。
 
粟野地区の山地区から滋賀県高島市にかけての約20kmの道路整備促進を求める期成同盟会ですが、敦賀市では、令和元年6月に周辺地域との「地域間協調」を理念とする「ハーモニアスポリス構想」を策定し、同構想に定める本市と滋賀県高島市とをつなぐ「敦賀ー高島連絡道路」の整備実現に向け、関係期間に対する要望や協調等の活動を展開されてきたところ。
 
構想策定から3年目を迎えた令和3年2月19日には、敦賀側の起点となる粟野地区区長連合会より、粟野地区と高島市マキノを結ぶ「県境トンネル」実現に関する要望が、市長と市議会議長宛にあり、本道路整備に向けた期待や機運が高まっているとし、上記の期成同盟会を設立する運びとなったものであります。
 
本件について、実は私、先の3月定例会代表質問のひとつとして取り上げ、要望に対する市の受け止めを確認しており、その際、渕上市長からは、「要望の内容は私の思いと一緒であり大変心強く思っている。区長会の要望を受け、道路整備の促進期成同盟会をできるだけ早く設立したい」との答弁があり、有言実行、今回まさに取り組みの前進として表れたことになります。
 
質問の際は、時間の関係から、受け止めを聞くに留まりましたが、本道路整備を実現することは、滋賀県湖北エリアのみならず関西・中京圏との経済的結び付き(特に敦賀港利用目的)が高まることに加え、観光面などでの関係人口の増加、さらには自然災害などに対し孤立化を防ぐことになることや、逆に南海トラフ大地震の際には避難、代替港の利用に値するなど、必ずや市勢の発展につながると期待するというのが私の考えで、粟野地区区長連合会からの要望の内容と合致するものであります。
 
先の協議会においては、既に策定されている「道路網整備計画」において、市としては「長大トンネル回避案」を採用しているが、趣旨に込められた考えにも踏襲するのか、同計画に加え、「敦賀市国土強靭化地域計画」にも、災害に強いまちづくりとして「脆弱性評価結果と重点化すべき主要事業」に本道路整備を挙げているため、こうしたことも設立趣意書(案)に記載すべきではないかと質疑させていただきました。
 
その他にも多くの議員から質疑が行われ、期成同盟会設立には異論ないものの、道路の性格は何か、市民全体の機運は高まっていると言えるのか、近隣地域へのアプローチや美浜町が要望している道路との関連など、今後に向けては様々な考えがあることが質疑の内容からも分かった次第。
 
企画政策部長の答弁をざっくり纏めると、「設立の後、そうしたことも総合的に検討、関係者と協議のうえ進めていく」といったところであったでしょうか。
 
確かに、現時点での市のコンセプトはあるにせよ、事業主体は国であることからも、敦賀市の独り善がりではなく、関係各所の意向なども汲み取りながら大きな力にしていかなければ実現しないもの。
 
私自身もその点については留意のうえ、大きな視点で捉え、実現に向けて汗していきたいと考えます。
 
この滋賀県高島市(マキノ)に通ずる道には、今も黒河林道があります。
 
実は私、何度かこの道を走って往復したことがあるのですが、黒河の源流のせせらぎに沿って広がる大自然は、思わず声の漏れるリラクゼーションの環境。
 
マキノに抜ければ、三国山、赤坂山があり、そこから見下ろす琵琶湖も絶景であります。
 
こうして古より、一本の林道でつながっていることに思いを馳せつつ、敦賀市とマキノがWin-Winで互いの発展につながる関係を構築しながら、新たな時代を切り拓く。
 
私自身は、そうした思い、考えのもと、設立総会さらにはその後の取り組みに臨む所存です。
 

【以前に入り抜けた黒河林道のワンシーン】

【水源かん養保安林の看板(中央に縦に走る黒河林道の表記あり)】