2022年4月1日
「値上げの春」にあたり「再エネ賦課金」もご確認を
今日から新年度。
一時的に冬型の気圧配置となることから、全国的にやや寒い一日になるようですが、入社式を迎える皆さん始め、異動や進学、従前と同じ環境の方もそれぞれ、新たな気持ち、晴れやかなスタートの日になることを祈念する次第です。
私自身も議員任期の最終年ともなってきますので、悔いなきよう精一杯活動にあたる所存です。
さて、この4月1日は、成人年齢が18歳に引き下げられる民法改正など、法律改正等の起点の日でもあったりする訳ですが、家計への影響があるものとして油や小麦、乳製品など様々な商品が「値上がり」するため「値上げの春」とも呼ばれています。
ニュースでは、1979年の発売以来40年以上にわたり10円に据え置かれていたスナック菓子の「うまい棒」が12円の販売になることが報じられていましたが、特に家計に大きな負担となりそうなのが小麦とのことで、主な産地の北米が天候不良で不作だったことに加え、ウクライナ情勢による供給懸念が追い打ちをかけ、農林水産省は4月1日から輸入小麦の価格を17.3%引き上げると発表している状況にあります。
これにより小麦粉が原料となる麺類や菓子なども値上がりするということですが、ここまでの状況となると原材料費の価格転嫁は致し方ないと生産者、販売者の立場を慮るところです。
さらに生活に欠かせないものいえば、高騰が続いているガソリンや電気料金があります。
ガソリンについては、自民・公明・国民の三党による「トリガー条項凍結解除」の協議が続けられており、解除すれば25円安、併せて地方税収入への影響緩和策とセットで早期に対応いただきたいと考えるところ。
そして電気料金に関しては、先日の福井新聞に、「新電力」と契約する福井県嶺北地方の繊維関連企業が、燃料価格高騰を背景に昨秋以降急激に上昇し、割安だった昨春の電気料金に比べて今年1月分は約4倍となったとの記事が掲載されていました。
電力契約を「北陸電力」から「新電力」に切り替えたのは2020年10月で、「市場連動型」料金プランで1年契約したものの、市場連動型は、卸電力取引所の市場価格に連動して従量料金の単価が決まることから、燃料価格高騰による昨秋以降の卸電力価格の急激な上昇をもろに受け、会社存続が厳しい状況にまで陥ったため、新電力側に電話すると「解約金を払って他社に切り替えてもらって構わない」との対応だったとのこと。
急いで他の新電力を調べたが、新規受け付けしている会社が見つからず、北陸電力に連絡しても全面停止だとして断られたとの結びとなっていましたが、厳しいことを言えば、「安かろう良かろう」と新電力に切り替えた自己責任の範疇でしかないのですが、そもそもこのような市場環境にしてしまったことが問題の本質にあると考えるところです。
相次ぐ新電力の撤退で、全国にこうした思いをしている企業が多くあるのだと推察しますが、身の回りを顧みれば、各家庭の電気料金もそうであります。
とりわけ、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」によって電力の買取りに要した費用を、電気を使用する顧客に、電気の使用量に応じて負担させる「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」(国に代わって電気料金の一部とし徴収している)は、法令により3.36円/kWh、我が家の今月の電気料金では4,737円となっています。
3人居住のオール電化、冬は蓄熱暖房使用の我が家ですが、トータル25,755円の料金に占める再エネ賦課金の割合は18.4%に及んでおり、ぜひ皆さんもご自身の料金明細をご覧いただきたいと思うのですが、徴収した賦課金トータルは3.8兆円ともなっていることをどうお感じになるでしょうか。
【我が家の情報(北陸電力の「ほくリンク」料金明細)をフルオープンしますが、下の方の「再エネ発電賦課金」に注目ください】
エネルギー基本計画に示す太陽光などのさらなる再エネ導入拡大を目指すと、この額は6兆円を超えると試算されており、私はここまで国民負担を強いてまで進める必要性はどこにあるのかと以前から疑問視する次第です。
これについて書き出すと止まらなくなるので止めますが、前述の崩壊しつつある(と私が思っている)競争原理主義の「電力卸市場」、それに各家庭にも影響を与え続けている「再エネ賦課金」の存在は、殆どの国民が知らない中で国が進めてきた結果。
今後もこのような負担や不安を抱きながら、生活や企業活動を続けていくのか、それとも見直していくのか。
これも全て政治判断であり、小さいながら私は「見直していく」方向の声を挙げ続けたいと思います。
(投稿後追記)
この4月からは、再エネを主力電源としていくことが必要とし、そのための新たな方策のひとつとして、「FIP制度」がスタートします。
この制度は、FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称で、FIT制度のように再エネの電気を固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進するとしています。
再エネ事業者の自立化を促すとされるこのFIP制度の動向にも今後注視するところです。