「使命」が再生のパワー

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昨日、新庁舎での供用を開始した敦賀市役所。
 
ご挨拶も兼ねて庁内をひと回りすると、明るく真新しい執務室では、仕事始めにありがちな「助走」の雰囲気はなく、フルスロットルで業務にあたる職員さんの姿がありました。
 
これは私の受けた印象ですので、実際は違う雰囲気であったのかも知れませんが、お話しを伺うに、昨日からの供用開始を万全な態勢とするため、三が日の2日、3日を交代で出勤し、業者が運んだ荷物の開梱や整理などを行なったとのことであり、まだ全てが片付いていないとはいえ、行政サービスに支障をきたさないとの強い思いを感じた次第です。
 
職員の皆さまにおかれましては、改めて年末年始の対応、大変お疲れ様でした。
 
ご紹介しました市役所食堂「Kei.cook」さん、売店の「日々是好日」さんも覗くと、食堂は職員さん以外の市民の方も多く訪れていただいたようで盛況、売店はパンやおむすびなど、陳列棚の商品は見事に完売。
 
不慣れな中で迎えた初日の忙しさにあって、従業員の皆さんの笑顔が印象的でした。
 
それぞれお店の紹介は昨日のブログの通りですので、また新庁舎に足を運んでいただければと思います。
 
こうして行政に関わる皆さんそれそれが、「誇り」と「使命感」をもって従事いただいていることは、これまで議員活動で接してきた立場としてもつくづく感じるところですが、この「使命感」について、ちょうど昨日の福井新聞に関連する記事が掲載されていました。
 
その内容は、「大転換期を生き残れ」と題した特集欄で、世界の時価総額トップ10のうち6社が日本企業であったバブル期(1994年)から米国が9社を占める(日本企業はランキング入りゼロ)2021年とを比較しつつ、そうした中にあって、存続の危機から「勝ち組」と称されるまでに復活したソニー(現ソニーグループ)平井一夫前社長のインタビュー記事。
 
大転換期に会社を再生させた経緯を伺う中で、平井前社長は、当時「ソニーは終わった」との論調が広がり社員も後ろ向きであったところ、元気で独創性がある会社に戻さねなければならないと強く思ったこと、現場を回って社員と対話すると、会社は何のために存在しているのか、何をすべきなのか、使命が明確でなかったことに気づいたのだそう。
 
それからは、経営者が発信しなければ、社員はどこを向いて良いか分からなくなるとの強い思いのもと、ひたすら社員には「(ソニーは)感動を届ける」会社だと繰り返し伝え、鼓舞し続けたとのことでした。
 
もちろん、こうした気持ちの面だけではなく、苦しくとも研究開発への投資を続けたことや代名詞の如く評される「選択と集中」にも復活劇の要因はあったにせよ、経営陣が方向性を明確にし、「社員の情熱を引き出した」ことが鍵になったと平井前社長は語っていました。
 
結びには、日本企業の再生には何が必要かとの問いに対し、「会社の使命を改めて議論することが重要だ。日本企業でそうしたことをやろうとするとダサいと思われるがとんでもない。パワーの源泉になる。米国企業は役割やカルチャーを徹底的に議論する。そうすれば、商品やサービスが使命に合致しているのかが明確に分かり、進むべき道はおのずと見える。」との考えを述べて記事は終わりました。
 
難局を極める状況を乗り越えた経営者の言葉は非常に説得性、納得性がある訳ですが、平井前社長が述べた「使命が再生のパワー」であるとの考えは、官民の違いや業種を問わず、全てに当てはまることと受け止めた次第です。
 
この「使命」に関して、私が勤務する日本原子力発電株式会社では?と問われれば、「原子力のパイオニア」としての誇りをもって役割を果たし続けることと答えるところであり、その点は、私自身も先輩方から受け継いだスピリットとして持ち続けていく所存です。
 
本日は、一層のグローバル化、競争激化が進む社会にあって、日本で「失われた」と言われるものは何なのかを考えさせられる記事を紹介させていただきました。
 
皆さまにおかれましては、今後の考えの軸について改めて思考いただければ幸いに思うと同時に、私自身、議員の立場として、改めて与えられた「使命」に対する思いを強め、任にあたりたいと存じます。
 

【新庁舎になって設置された各窓口での「呼び出し状況」表示板。「待たせない」との思いひとつも、行政サービス向上に努める「使命」の表れと感じた次第。】