「中間貯蔵施設」設置に向けて中国電力と関西電力が共同開発

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7月28日に原子炉を起動、12年ぶりに稼働した関西電力高浜発電所1号機については、昨日15時に発電機と送電設備をつなぐ並列操作を行い、発電を開始しました。
 
工程通り進めば、5日には100%出力に到達するとのこと。
 
この暑さの中での点検作業など、現場の緊張感は続くことと思いますが、定格電気出力82.6万キロワットは、厳しい夏場の電力需給に大きく貢献することから、無事のフルパワー到達に向けて心からエールを送るところです。
 
さて、同じ原子力の話題で、昨日「注視」と書きました上関町(山口県)における使用済み燃料「中間貯蔵施設(以下、中間貯蔵施設)」設置検討の件について。
 
中国電力は、上関原子力発電所の建設に時間を要する中で、上関町長からあった地域振興策の検討要請に対し、上関町の同社所有地内において「中間貯蔵施設」の設置に係る検討を進めることとし、立地可能性を確認するとともに、計画の検討に必要なデータを取得するための調査を実施したい旨、昨日、町長に回答しました。
 
なお、中間貯蔵施設の検討にあたっては、施設規模や経済性等を勘案する中で、同社単独での建設・運営は難しいと判断し、同社と同様に中間貯蔵施設のニーズがある関西電力との共同開発を前提に、今後、調査・検討を進めていくことも公表しました。
 
 →中国電力のプレスリリースはこちら
 

【中国電力 上関原子力発電所の建設予定地(産経NEWSより引用)】
 
一方、関西電力はホームページで、「原子力発電所の将来の安定運転に必要な使用済燃料の搬出容量を確保するため、引き続き、あらゆる可能性を追求して最大限取り組んでまいります。」とのコメントを発表。
 
福井県においては、関電が示した「フランスへの使用済み燃料搬出」について、再度国に説明を求めている段階にありますが、この共同開発はあるにせよ、段階を経て明らかにするのでなく、この時点で公表することに大きな意味があるものと感じた次第です。
 
中国電力によれば、準備が整い次第、調査を開始するとあります。
 
現地調査には半年程度を要するとしていますが、発電所建設にあたっての評価等を踏まえれば、施設立地点として成立するのは間違いないと推察するところ。
 
このことが今度は、国を含めた、関電と福井県の間でどうなるのか。
 
福井県の原子力行政とも大きく関わるものであり、引き続き、動向に注視する所存です。
 
(投稿後、追記)
上関町長が、今後議会の判断を仰ぐと述べていらっしゃる通り、地元の同意、ご理解があって進められるものであり、現時点で実施が決定した訳ではございません。
私の投稿が「ありき」と誤解を招かぬよう補足、追記いたします。