「ふげん」「もんじゅ」の廃止措置、「新試験研究炉」候補地を視察

ブログ 原子力

福井地方気象台によれば、現在敦賀市には、大雨警報(土砂災害)及び雷、高潮注意報が発表されています。
 
また、天気予報ではちょうどこの後、通勤・通学時間帯に強い雨が降るようですので、車の運転などに十分注意して行動いただければと思います。
 
さて、天候不順が続く今日この頃ですが、昨日は、日本原子力研究開発機構さんよりお声掛けいただき、敦賀市議会議員7名にて、新型転換炉原型炉「ふげん」、高速増殖炉「もんじゅ」の廃止措置、「もんじゅ」敷地内に建設予定の「新試験研究炉」の候補地について視察させていただきました。
 
朝9時に敦賀市役所を出発し、「ふげん」では、概況説明の後、タービン建屋での廃止措置工事の様子やクリアランス物保管倉庫などを拝見。
 
25年に亘る運転を2003年3月に終え、2008年2月に廃止措置計画認可を受けた「ふげん」は、その後廃止措置を進め、現在は原子炉周辺設備の解体撤去を行なっており、併せて、発生する廃材に関しては、国のクリアランス制度に基づきながら、資源循環に向け、再利用に取り組んでいるとのことでした。
 
クリアランス金属再利用に関しては、福井県の嶺南Eコースト計画に基づき、車止めを製作し、同機構敦賀事業本部の駐車場に設置するほか、国のプロジェクトとして、若狭湾サイクルルート上の計10箇所にサイクルスタンド設置(2023年3月16日現在)、敦賀工業高校や福井南高校では照明灯を設置するなど、理解促進に向けて取り組んでおり、特にサイクルスタンドのニーズが増えていると伺いました。
 


【敦賀事業本部の駐車場に設置された、クリアランス金属再利用でできた「車止め」(2023年4月28日 やまたけ撮影)】
 
その後は、高速増殖炉「もんじゅ」へ。
 
概況説明いただいた後、まず始めに、つづら折りの取り付け道路をバスで上り、「新試験研究炉」の建設候補地に。
 
現候補地である山側盛土部(資材置場にしている更地)のボーリング調査地点を教えていただいたほか、追加候補地の2箇所についてもご教授いただきました。
 
「もんじゅ」に関しては、原子炉格納容器の原子炉上部にて、昨年終えた530体の燃料移動・燃料池貯蔵の流れと仕組み、タービン建屋オペレーションフロアでは、今年度から2026年度にかけて、タービン発電機や復水器、給水加熱器などについて解体撤去を予定している旨、説明を受けました。
 
事務所に戻ってからの質疑では、私を含め、全議員から関心高く質問があり、これに丁寧にお答えいただきました。
 
「百聞は一見に如かず」と言いますが、こうして貴重な機会を頂戴しましたこと、幹部の皆さん勢揃いで対応にあたっていただいたことに対しまして、日本原子力研究開発機構の皆様に心より感謝申し上げます。
 
7月18日には、同じく12名の市議が視察に参加されるとのことであり、議会全体で知見を高めることにつながればと思います。
 
最後になりますが、廃止措置やクリアランスに関しては、日本原電の敦賀発電所1号機とも連携のもと着実に進めていただくこと、また「もんじゅ」に関しては、今後、次世代革新炉のひとつとして、蓄積された知見が生かされることで、関係者の方々のマインドが継承されること、さらには新たな「試験研究炉」においては、世界に羽ばたく原子力人材をここ敦賀から輩出できますことを切に期待いたします。