着手から50年が経過する「国道161号」の整備

ブログ 政治

昨日のブログで、気比史学会が主催する敦賀市民歴史講座の年間テーマが、古より交通の要衝として栄えてきた敦賀の”三道(街道、海道、鉄道)”の歴史を知る『越の道しるべ《つるが三道物語》』であることをご紹介しましたが、本日の福井新聞には、まさに「海道」とつながる敦賀の記事が掲載されていました。
 
1面トップには、「敦賀港 防衛拠点に選定へ 政府、本州初 県受け入れ方針」の見出しで、政府が防衛力強化の一環として自衛隊や海上保安庁の使用を想定して整備する「特定利用空港・港湾」に、敦賀市の敦賀港が本州で初めて選定される見通しとなったことが2日分かったとあり、今後は自衛隊や海保の船舶などが年数回程度の訓練を行い、国民保護や災害時に備えること。
 
また、福井県は今夏にも国と確認書を交わすとありました。
 
近年、巨額を投じて、切れ目のない整備が進められている敦賀港鞠山南地区の拡張も、こうした機能を視野に置いたものとすれば至極納得する訳であり、効率性を高めた物流拠点に加え、全国有数の港湾として位置づけられることを誇りに思う次第です。
 
さて、”三道”のひとつ「鉄道」に関しては、約半世紀に亘る悲願として、本年3月16日に北陸新幹線敦賀開業となったところですが、さらにもうひとつ「街道」については、同じく約半世紀前の着手から未だ達成されていないことがあります。
 
それは、敦賀と滋賀県高島市、大津市を結ぶ国道161号。
 
国道161号は北陸圏と近畿圏を連携することにより、地域経済の活性化、産業の振興、文化の交流など都市機能の向上に寄与するとともに、大規模災害時の緊急避難道路や緊急輸送道路として、大きな役割を果たす重要な路線であり、平成31年4月1日には重要物流道路にも指定され、市民の生命・財産を守り、安全で安心できる社会づくりに必要な道路と位置付けられるところ。
 
また、北陸新幹線金沢-敦賀間が開業により、当該国道の重要性は一層高まる一方、当路線は、未整備区間が未だに存在し、恒常的な渋滞をきたしているうえ、福井県内の原子力発電所に起因するUPZ(原子力災害の発生に際し避難や屋内退避する区域)に敦賀市および高島市の一部が含まれる等、緊急避難道路や緊急輸送道路としての機能強化が極めて重要となっています。
 
こうした背景のもと、昨日は議長公務にて、大津市役所で開催された「令和6年度 国道161号改良整備促進期成同盟会」(京都大原今津小浜間国道整備促進期成同盟会との合同総会)に出席したところ。
 
本期成同盟会は、高島市、大津市、敦賀市の首長と議長で構成する組織であり、総会では、会長挨拶(佐藤健司 大津市長)、来賓祝辞に続き、滋賀県国道事務所及び福井河川国道事務所より国道161号整備に関する事業進捗説明があった後、令和5年度事業報告から令和6年度事業計画まで、通常の議決事項を確認した次第です。
 

【総会の様子(大津市役所 新館7階 大会議室にて)】
 
なお、併せて確認した「国道161号の改良整備と各バイパスの早期整備に関する要望書」では、現在事業化されている区間の早期完成はもとより、マキノ拡幅以北の愛発除雪拡幅につながる国道161号の早期事業化、平成27年4月に日本遺産に認定された白鬚神社の区間については、観光客増加に伴う通行の安全確保や琵琶湖保全再生計画に示されている自然環境等への景響を考慮し、令和4年2月には、当該区間の計画ルートの変更に伴う事業計画(案)が国から県へ提出されたことから、当該区間の早期事業着手をお願いすること。
 
当期成同盟会では、資材価格の高騰や賃金水準が上昇する中でも、今後とも広域ネットワークの核となる国道整備を強力に推し進められるよう、道路財源のさらなる確保を求めるとともに、着手から50年が経過する国道161号の整備にあたって特段の配慮をお願いする旨、確認した次第です。
 


【滋賀県国道事務所(上)及び福井河川国道事務所より示された国道161号整備の事業概要】
 
総会を終え、湖西側の道路を通って帰りましたが、途中途中で行われる道路整備工事と要望書で求めたことを照らし合わせるように、敦賀に帰ったところ。
 
道路整備にあたっては、地元・沿線住民の思いの強さと声の大きさ、そして政治力があって進むものですが、古から敦賀とつながる「街道」の、約半世紀に亘る悲願達成に向け、引き続き3市で協力して前進させねばと、認識を強める機会となった次第です。
 
(ひとり言)
滋賀県選出の現職国会議員6名のうち、昨日の総会に出席していた議員は1名。整備の進捗が遅いことの表れでなければ良いのですが…。

「第40期 敦賀市民歴史講座」が始まります

ブログ 敦賀の歴史・文化

天空の城、七間朝一、日本一美しい星空に上庄さといも。
 
ピンと来た方も多いと思いますが、これらは「北陸の小京都」と呼ばれる福井県大野市の名所、名産。
 
昨日は、梅雨前線の影響に伴う大雨が心配される中でしたが、公務にて「大野市政施行70周年記念式典」に出席してまいりました。
 
開式に続き、北陸三県唯一の女性首長でもある石山志保 大野市長より、静かながらも力強い式辞が述べられ、その後は市政功労者表彰、来賓祝辞と続きました。
 
式典の後には「ふるさとの宝を未来へつなぐ」スペシャルムービーも放映されましたが、市民70名が順につなぐ「大野の宝」はどれも思いが込められたものであり、全体を通して「大野愛」あふれる素晴らしい式典であったと感じた次第です。
 
また、開式で昌和した「大野市教育理念」は「明倫の心を重んじ 育てよう 大野人(おおのびと)」。
 
「明倫(めいりん)」とは、大野藩第7代藩主 土井利忠(1811~1868年)が、藩の政治や経済の建て直しには、新しい知識を学んだ人材が必要であるという考えに基づき、弘化元年(1844年)に開設した藩校「明倫館」において、「明倫」という言葉は、「皆人倫を明らかにする所以なり」に由来し、人の生きる道を明らかにすること、すなわち、人として守り、行うべき道を明らかにすることを指しています。
 
この史実に基づいて、大野の教育の全てを貫く普遍の理念を「明倫」と定めているとあり、こうした理念を連綿と継承していることに感銘を受けたところです。
 
「今ある資源を徹底的に大切に」し、歴史と伝統を重んじながら新たな付加価値を創造する「まちづくり」には見習うべき点が大いにあると感じるとともに、大野市の今後ますますのご発展を祈念する次第です。
 
さて、副議長という立場故、こうした貴重な機会に出会えることに感謝する日々ですが、先の「今ある資源」という点では、敦賀には全国に誇る「悠久の歴史」があります。
 
これを継承し、次代につないでいこうと活動を続けるのが、自身も参画する市民歴史団体の「気比史学会」であり、その中心的な活動となる「敦賀市民歴史講座」が今期もいよいよ開始を迎えるタイミングとなっっています。
 
昭和60(1985)年の開講から数え、第40期を迎えた今年度の「敦賀市民歴史講座」。
 
今期は『越の道しるべ《つるが三道物語》』を年間テーマとし、全5講で構成しています。
 
詳細は、以下リーフレットを(拡大して)ご覧いただきたく存じますが、当会の副会長がネーミングした「街道、海道、鉄道」を意味する”三道”の歴史を知ることはまさに、「古より交通の要衝」であった敦賀を知ることであり、講座はどの回も大変興味深く、役員自身も今から楽しみにしているところ。
 

【第40期「敦賀市民歴史講座」リーフレット】
 
なお、気比史学会の会是「過去に学び 未来に期待し 今日に生きる」と併せて、当会が大事にしているのは「史楽」。
 
文字通り、敦賀の「地域史」を市民の皆さんと「楽しみながら学ぶ」のがこの歴史講座の目的。
 
先般、福井新聞など地元紙でも紹介されたため、既に複数のお問い合わせもいただいておりますが、いずれも事前申込み不要、当日先着順(定員100名)で開催します。
 
7月6日(土)の第1講を皮切りに、いよいよ始まる「敦賀市民歴史講座」。
 
市内外を問わずお気軽に、多くの参加をお待ちしています。
 
※お誘いしておきながら、自身は公務のため第1講を欠席しますことお詫び申し上げます。

7月1日は「国民安全の日」

ブログ 社会 防犯/防災

早いもので今日から7月。
 
7月1日は年始から182日目にあたり、年末まであと183日ということで、ちょうど今年の折り返し。
 
定期異動により、今日から新天地での勤務という方もいらっしゃる訳ですが、私自身も気持ちをリセットして後半戦に臨む所存です。
 
さて、様々な切り替わり点でもある7月1日は「国民安全の日」。
 
産業災害、交通事故、火災等に対する国民の安全意識の高揚等の国民運動展開のため、昭和35年5月6日に閣議了解され創設されたとあります。
 
内閣府のホームページを拝見しますと、創設された頃は、昭和31、32年になり、生産、輸送の活発化に伴って、これらに携わる人々の工場、鉱山、事業場での事故(産業災害)が多くなる傾向を示し、加えて、火薬関係の爆発災害が相次ぐなど憂慮すべき事態になっていたとのこと。
 
このため、政府は、昭和33年に産業災害を減少させるための5か年間の目標を立て、この目標を達成するため種々の対策を推進することを決定しましたものの、その後においては、産業災害だけでなく、自動車の激増に伴って自動車事故が日々続発する状況となり、国民生活は、いろいろな災害に日夜脅かされるといっても過言でないような事態に陥っていたとあります。
 
こうした背景をもとに、前述の趣旨をもって創設されたのが「国民安全の日」であり、まさに高度成長期のわが国において、尊い犠牲に遭われた方々に深く哀悼の意を表する次第です。
 
安全に関して言えば、厚生労働省が7月1日から1週間に掛けて、主に労働災害に視点を置いて実施する「全国安全週間」が最も広く知られており、分野を問わず、各企業、事業所単位でもこれを受けた取組みが展開されてきているところ。
 
なお、令和6年度の「全国安全週間」スローガンは、「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全」
 
各職場において、目指すは「ゼロ災害」であり、皆で意識を高め、取り組んでいただたく存じます。
 

【令和6年度 全国安全週間ポスター(建設業労働災害防止協会より引用)】
 
なお、「国民安全の日」は、組織的な国民安全運動の展開により、人命尊重の理念が国民生活の中に具体化されていくことを促進するものであることから、内閣府を始め、関係省庁及び地方公共団体も主唱者となって、様々な取組みが行われます。
 
近年では、消費者庁の消費者事故(詐欺など)、文部科学省の地域ぐるみの学校安全など、その種類は多岐に亘っていることに加え、私たちの生活の身近なところに「危険」が潜んでいることが分かります。
 
「安全」というと、労働安全がクローズアップされがちですが、「国民安全の日」に関する各省庁における行事は次のとおりとなっていますので、この機会にご覧いただき、自己防衛に努めていただければ幸いに存じます。
 
 →「各府省庁における令和6年度安全行政施策の概要」はこちら